2人称には、どこの国も苦労してる!

second person 2人称

2人称には、どこの国も苦労してる。

「you」は、もともと「2人称複数目的格 (あなたたちに、を) 」だった!

日本では、相手を何て呼ぶか悩みます。
「あなた」はもともとは丁寧な言葉だったのに、今では初対面の人に「あなた」というと何か失礼な感じがしてしまいます。
どんな言葉を使うかには関係なく、相手を「指す」ことはあまりいいことではないんですね。

「その点、英語はyouしかないから悩まなくていいよね」って言うけど、イギリス人も困ったんです。

「あなた」は、もともとは「thou (ザウ) 」と言っていた!

thouはこのように変化します。

thou, thy, thee, thine
ザウ、ザイ、ズィー、ザイン
主格、所有格、目的格、所有代名詞
あなた、あなたの、あなたに (を) 、あなたのもの

I, my, me, mineと比較すると変化のしかたがよく似ていますね。

現在の
you, your, you, yoursとはずいぶん違います。

2人称複数主格 (あなたたちが) が「ye」、
2人称複数目的格 (あなたたちに、を) が「you」です!

「ye」はもとは「ズィー」と発音していましたが、のちに「ユィー」に変わりました。
古期英語には「þ」(thorn ソーン)という「p」に似た文字があったのですが活字がなかったので、「th」や「y」に置き換えました。
「y」はもとは「th」の音を表していたんですね。
「y」の上に点をつけて「y」と区別していたけど、それが脱落して「y」と混同してしまったようです。

英語の辞書を見るとわかりますが、「y」の項はとても少ないです。

スペイン語では「y」を「イ・グリェガ」といい、「ギリシャのイ」と呼んでいます。
ラテン語にいたっては「y」の文字はあるけど「y」から始まる単語は、「hy」の頭の「h」が脱落した形で、私が持っているラテン語の辞書には
yaena(=hyaena)
ypogaeum(=hypogaeum)
yssōpum(=hysopum)
の3つしかありません。

「thou」が中期英語のころから目下のものに対して使うようになって困った…

「thou (あなた) 」が、「おまえ」のような意味合いになってしまって、相手を呼ぶ別の言葉が必要になってきたんですね。

そこで白羽の矢が立ったのが、普段あまり使われないであろう「you (あなたたちに) 」で、「あなた」という意味で使うようになったんです。

現在の「you」は実に曖昧で、
単数、複数、主格、目的格を表します。
「あなたが、あなたたちが、あなたに (を) 、あなたたちに (を) 」が
「you」1つです。

英語を習い始めたときに、英語には単数形、複数形があって、面倒だなと思った一方、
なんで「you」は単数、複数が同じで、主格と目的格も同じなんだろう? と思いましたよね。

むかしは、単数、複数、主格、目的格が全部、違う言葉だったんですね。

日本人もスペイン人も困ってる。人間おなじなんだな~

「あなた」というのは「貴方」なんて書いたりするけどもちろん当て字です。

「あなた」はもともと「彼方」と書き、「かなた」とも読み、「あのほう」「あっちの方」という意味です。
時代劇でよく出てくる、「そのほう」「そなた」は「そっちのほう」という意味ですね。
「方」と書いて、「ほう」と読めば「方向」を表し、「かた」と読めば「人」を表すのも興味深いです。
「どなた? 」も「どちらのほう? 」で「誰? 」と訊くより、婉曲的な言い方になります。
「どちら様? 」という言い方もありますね。

「おまえ」も、もともとは「御前 (おんまえ) 」で、神仏や貴人の前という意味で2人称の目上の人に使っていました。
それが今では、目下の者に使う言葉になってしまいました。

「貴様」「貴公」も、むかしは目上の人に対する敬称でした。

それが使ううちに同等のものから、目下の者に。
さらには罵りの言葉になってしまうんです。

「き、きさま! 」って
「貴いお方! 」って言ってるんですよね(^^)

そんなこんなで近年、一部の人の間では、「お宅」という呼び方がはやりました。
いわゆる「オタク族」ですね。
西日本では、「自分」という言い方もあります。

相手に「自分」は変だなと思ったけど、
小さなこどもに「ぼく、いくつ? 」と訊いたり、
自分の奥さんを「おかあさん」と呼んだり、
自分のことを「おとうさんは…」と言ったりするように、
日本では相手の「目線」や「立場」からとか、自分や人の「役割」で話すことが多いようです。

「人のことをあれこれ言うけど、自分はどうなの? 」というような使い方です。

自分の「おとうさん」なのに、子どもがいると「じいじ」と呼んだりして、日本に来た外国人は戸惑うようです。

日本では、家族やグループの一番年下の者 (大体、子どもか赤ちゃん) を基準に、人や自分の「役割」「立場」を言います。
だから、一番下の子は「ぼく」で、自分の親でも、「ぼく」から見て「おじいちゃん」だと、「じいじ」になります。
「じいじ」は自分自身でも「じいじ」と言います=^^=

あっ、間違って「じじい」と言わないようにね(^_^;)

スペイン語では、初対面の人には3人称「usted (ウステー) 」で話し、仲良くなったら2人称「tú (トゥ) 」で話します。
少し、仲良くなったなと思ったら、「túで話そうよ」と言ったりします。
もちろん、スペイン人は3人称でしゃべっているという感覚はなく、丁寧な表現だという感覚でしょう。
動詞の活用が文法的には「3人称」扱いですが、日本人が目の前にいる相手を「あなた (あっちの方) 」とぼかして呼ぶのと同じです。。

3人称というのは、あくまで文法学者があとから付けた名前です。

どこの国でも、2人称には困っているみたいです。
そして、言葉はたくさん使うと擦り切れてきて「新しい言葉」や「表現」が必要になってくる。

トイレもぼかしたい。

直接、汚物を想像してしまうようになると、別の言葉を使いはじめるのですが、
しばらくして、その言葉が定着してしまうと、また新しい言葉に変えます。

憚り、雪隠、厠、便所、手洗い、化粧室、トイレ、WC…いくらあっても足りないですね(^^)

ひげおじさん
おじさんもアメリカに行って「トイレはどこ? 」と聞いたら、「バスルームか? 」というので、「いや風呂にはいるんじゃなくてトイレだ」と言ったら、「わかった。わかった」と言って、便器と浴槽セットの個室に案内されました(^^)

この辺が、人間おなじなんだなって共感をおぼえます。

アメリカでは、bathroom, restroomなどと言いますが、
カナダでは、washroomと言います。
カナダで、restroomはどこ? と聞くと、restaurant (レストラン) に案内されてしまいます(^^)

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英語の単語は丸暗記しなければいけないから覚えるのが大変? そんなことはないよ!

さっちゃん
ぜひ見てね!

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