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「実地試験」「Check Ride」「航空イベント」
訓練も終わり、いよいよ試験の日がやってきました!
✔Check Ride 実地試験
筆記試験
筆記試験のほうは学校に試験官がテスト用紙を持ってやってきます。
試験を受けるのはおじさん1人なんだけどわざわざ来てくれます。
このへんがやはりアメリカと日本のちがいですね。
日本だと人数が集まらないと試験をやらない。
とうぜんこちらから試験会場に行かなければならない。
試験が年に1回しかないとか。
実地試験
これまたアメリカですね。
まだ免許を持っていない。
車でいったら「仮免」の状態で、自分1人で飛行機を操縦して受験地に飛んでいきます。
教官の付き添いなどありません!
車の免許も自分で車を運転していって試験官に乗ってもらって試験を受けるんですよね。
Apple Valley
Apple Valleyはクロス・カントリーで行ったことがある飛行場です。
Foxから45分。
これは飛行機のエンジンをかけてからエンジンを止めるまでの時間なので、じっさいの飛行時間は30分くらいです。
Hobbs meter
ホッブズ・メーター
エンジン積算計
エンジンをかけると回りはじめ、止めるとこちらも止まります。
10進法なのであちらのログではそのまま小数点で10.3時間のように書きます。
日本は60進法なので、10.3時間だと10時間18分というめんどうな数字になります。
フライトプラン
Apple Valleyに着いて試験官に会うとさっそく課題を与えられフライトプランをつくります。
Apple ValleyからSan Diegoまでの往復です。
そしてFSSに電話するとこんな返事が…
「VFR is not recommended (有視界飛行はおすすめできません) 」
ことばは「おすすめしない」だけど、「やめたほうがいいよ」くらいの感じです。
理由はこの地域ではめずらしい砂嵐がしばらく続いていたからです。
Foxのまわりでも砂嵐で飛べないことがなんどかありました。
天候不順でクロス・カントリーなしに!
試験官にこのことを告げると
「じゃあクロス・カントリーはなしね」
ということになりました。
鬼が出るか蛇が出るか!
内心「やった!ラッキー!」と思ったんだけど、そうでもなかったようです。
そのぶん、エアワークや、さまざまなスタイルのTouch & Goが増えたからです。
離着陸はふつうのものから、Short Field, Soft Fieldなどがあるんです。
Short Field
その名のとおり、滑走路が短いときにできるだけ短い距離で離着陸するのです。
とうぜん操作も変わってきます。
訓練中、教官はランウェイエンドの数字の上に停めたことがあります!
ハエがとまるみたいに。
Soft Field
やわらかい地面
つまり舗装してない滑走路のことです。
まあ、グライダーはまずほとんど舗装してないところなんだけど、セスナや一般的な飛行機みたいに首輪式 (機体の前のほうに車輪がついてる) だと地面に突き刺さってしまうのでできるだけ前を浮かしながら滑走する方法です。
おじさんはこれがけっこう好きでした。
バイクでウィリーする感覚に似てるからです。
フロントが浮いたところでバク転しないようにエレベーターで調整しながら加速するところなどほんとにワクワクします!
試験官の英語がわからない!
クロス・カントリーはクロス・カントリーでやることがたくさんあるけど、ほとんど自分1人でやることで試験官はそれを見ているだけです。
しかし、エアワークやTouch & Goだと、そのつど試験官から指示があります。
日本人同士でもそうなんだけど、一人ひとりの発音てみんなちがうんですよね。
訛りとまでいかなくても地域性もあれば、個人差もあります。
おなじ「あ」でも「え」にちかい人と「お」に近い人がいる。
それでも日本人同士ならそれはおなじ「あ」として脳が処理するわけです。
だれもそんなことは考えていません。
自然に「そう聞こえる」んです。
でも、アメリカに行って約1カ月。
ようやく教官の英語に耳慣れしたけど、発音やイントネーションがちょっとちがうだけで、またちがう外国語をあらたに聞いているような感じになるんです。
また音だけでなく、一人ひとりがつかう単語もちがいますね。
教官が変わるとまた慣れるのに時間がかかります。
まだ母語の日本語みたいに何十年かけて蓄積された「音声データ」がないからです。
たとえば「サケ」といっても「シャケ」といっても日本人ならそれは「鮭」のことだとわかるんだけど、「サケ」しか習わなかった外人は「シャケ」といわれたらなんのことかまったくわからないのとおなじです。
言い回しでは「ありません」で勉強してきた外人が「ないです」といわれたらまったくわからないのとおなじです。
日本語はさらに複雑で「ないよね~」「ねえよ」「ございません」とかおなじことをいうのにじつにたくさんのことばと言い回しがあります。
Lin’s English
試験官の名前はLyman Linson (ライマン・リンスン)
愛称はLin (リン)
学校の校長はリンデンソンといってたけど、リン・リンスンのことだったらしい。
ノーモア・ランディング!?
Forward Slip, Short Field, Soft Fieldなどの着陸をひととおりしたあとリンはいいました。
「ノーモア・ランディング!」
(ノーモア?no more? もう着陸するな?…どゆこと?ゴー・アラウンド?)
聞き返します。
「no more?」
リン答えて曰く、
「ノーモア」
「・・・」
もういちど
「no more? go around?」
「No! ノーモア・ランディング!」
(えーっ!降りられないじゃん!どうすんの?)
しかし、滑走路はどんどん近づいてきます。
だって場周にははいってるんだもん。
なんとなく降りてしまいました。
あとでわかったのですが
「normal (ふつうの) 」でした!
「l (エル) 」は「ル」ではない。むしろ「オー」
おなじようなのにこんなのがあります。
oral (オーラル→オロ)
world (ワールド→ウォロ)
obstacle (オブスタクル→アプセコ)
ほかにも日本でつかわれているのとまったくちがう発音のもの
dual (デュアル→ドゥーオー)
multi (マルチ→モールタイ)
rock (ロック→ウォック)
「r、l」はとくに聞き取りにくいです。
たまたまイベントの日
その日はApple Valleyでなにやらイベントをやっておりました。
めずらしいかつての戦闘機、爆撃機が次から次へとやってくる。
人も大勢やってくる。
なんか試験官もソワソワしてます。
これはラッキーでした!
試験官もさっさと試験を終わらせて見に行きたかったようです=^^=
もっと英語を勉強しなさい!
試験は終わりましたが、さいごの「ノーモア・ランディング問答」
試験官にいわれたことは
「Study English hard!」
すわ!English limitationか!?
なんとかそれは避けられましたが、これは飛行機の訓練というより、英語に耳慣れする必要があります。
砂嵐を口実に教官みんなで見に来る!
集まってきた飛行機の中にはB-17 Sentimental Journeyもありました。
B-17といえば日本の空襲につかわれた爆撃機ですが、もとグライダー仲間に聞いたところによると、Sentimental Journeyは日本には来なかったそうです。
おじさんも試験が終わって、時ならぬ航空イベントに駐機場をまわり写真を撮ってると、学校の教官がやってきました。
「Apple ValleyからFoxのあたりが砂嵐で学生1人で帰るのは危ないから迎えに来た」
とのことですが、それならもう1機と教官2人でいいじゃないですか。
3人とも来ました。
ようするに、これ見に来たのね😄
帰りは2機で上になり、下になり変態いや編隊飛行をしながらもどりました。
じっさいFoxにちかづくと視界はかなり悪くなり、ふだんから飛んでいる飛行場のまわりでなければロスト・ポジションしたかもしれません。
2機で前後にななめにずれて同時に着陸なんていうのもアメリカだよなあ~。
試験合格後のスピーチ
試験に受かると学校のみんなの前でスピーチをする決まりになっています。
もちろん英語です。
おじさんは大変な思いと、飛行機に乗りたくて乗りたくてしょうがない強い気持ちがあったので、言うことは決まっていたし、いまでもその部分はおぼえています。
「日本では『できない』『やってはいけない』理由を探すように教育されます。
でもここでは『何ができるか?』ではなく、
『何がしたいか?』『どうしたらそれはできるのか?』を学びました!」
免許を取ったらやること
本来の目的は免許を取ることではなく、アクロバットをやることです。
これからアクロバットをやりに行きます!
アメリカの免許証ちゃち~!
日本の自家用操縦士技能証明書は一応ビニールのカバーがあって中にはとても人に見せられないけど写真も貼ってあります。
ちなみに写真は免許をさいしょに取ったときのものなので、60歳になっても20歳のときの写真のままです!
それに対してアメリカの免許は
A4の合格通知の端っこにモノクロ印刷がしてあり、自分でハサミで切り取ってつかいます✄
パウチはあとで日本でしました。
ギャラリー
このあとアクロバットができるサンタ・ポーラまで教官が送ってくれます↓
はじめての海外旅行 ~ 飛行機の免許とアクロバット ~ 教官がつぎの飛行場まで送ってくれた!
飛行機の免許とアクロバット ~ 一覧
海外旅行 ~ 一覧
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