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「記憶」「印象的」「好み」「感性」
テレビでは不景気になると、クイズ番組が流行ります。
お金がかからないからです(^^)
中でも、漢字のクイズなんて最低ですね。
辞書から、適当に字を拾ってきて、頭の悪そうな芸能人に答えさせるだけでいいからです。
テレビ番組の制作者は何も考えなくていいし、何も作らなくていい。
クイズ番組は見るな!
だいたい4つの答えが用意されて、そのうち1つだけが正解で、あとの3つはわざわざ作られた「まちがった」あるいは「うその」答えです。
また数人、番組によっては数十人の芸能人に答えさせて、その答えを見たり、説明させたりします。
もっともらしい説明もあります💦
あとで正解が出るのですが、困ったことに人は「正解」を記憶することができず、
「自分が思ってたのと同じ解答」
「自分の感性や好みにあった解答」
「もっともらしい解答」
「印象的な解答 (珍回答) 」
を記憶してしまいます。
人の記憶の特性
いちばん印象に残ったものを記憶する
正しいか、まちがっているかは関係なく、印象が強かったものが記憶に残ります。
とくに「怖い」体験などはいつまでも残りますね。
クイズで「怖い」答えはないと思うので、「へえ~。そうなんだ! 」と驚いたり、「うんうん。そうだよね! 」と納得する答えが記憶に残ります。
いちばん新しい (最後の) 情報が記憶に残る
たとえば何の脈絡もない物を羅列して覚えようとしたとします。
傘、ミシン、リンゴ、机、包丁、車、輪ゴム、布団、歯磨き粉、障子、手袋、ハサミ、冷蔵庫
これを文字ではなく音声で順番に聞きます。
覚えている単語を言ってくださいというと、後ろから
冷蔵庫、ハサミ、手袋と出てきて、最初に聞いた「傘」「ミシン」などは出てこないことが多いです。
いちばん新しい、つまり最後に見たり、聞いたりした情報が記憶に残り、古い情報はどんどん消えていくからです。
言いかたを変えると、あとから見たり聞いたりした情報を記憶に残すためには、古い情報を消さなければならないということです。
人の脳はパソコンのハードディスクやメモリーといっしょで容量が決まっていて、新しいデータがはいってくると古いものに上書きされていくのです。
とくに「短期的記憶」の場合はすぐ消えてしまいます。
いちばん自分の感性や好みにあったものを記憶する
パソコンとちがって人の脳は「選り好み (よりごのみ) 」します。
自分の好みにあったものは優先的に記憶に残り、上書きされずに保存されます。
断片的な事柄だけを記憶する。長い文章は記憶できない
クイズ番組や試験の4択問題など。
「〇〇は正しい」
「××はまちがい」
という文章があります。
正解のリンクは切れてしまう
人は「〇〇」と「正しい」や、「××」と「まちがい」のリンクは切れてしまって、
「〇〇」や「××」という部分だけが記憶に残ります。
すると、あとでどれが正しいかわからず、とにかく上に書いたように「印象に残った答え」だけが記憶に残ってしまうのです。
「これは間違い」は教えるな
学校の先生もよく「こういう間違いをする人がいるけど、これは間違いだからやらないように。正解はこれです」と「間違い例」を提示することがあるけど、生徒は「間違い例」を記憶してしまいます。
正解も聞くんだけど、「間違い例」のほうが「自分が思ってたのと同じ」だったり、「自分の好みにあって」たり、「理屈にあっていそう」と思ったりすると、そっちを覚えてしまいます(^_^;)
学校の先生は好んでこのスタイルをつかいますが、もっともやってはいけないことです。
「1+1=3というのはまちがいです。1+1=2が正しいです」
と教えると、
「1+1=3」と「1+1=2」というところだけが記憶に残ります。
これらはどちらがまちがいで、どちらが正しいという言葉とはリンクが切れて単独で記憶に残ってしまいます。
すると、とうぜんどちらが正しいかわかりません。
ただ、たしか先生は「1+1=3」って言ってたよなあ、とまちがいが定着してしまいます。
結論
学校の先生は正しいことだけを教えましょう。
クイズ番組は見ないように。
4択問題はできるだけやらないように。
完全に自分が正解を理解してからならいいけど、なんの予備知識もないままに4択問題を見てしまうと「間違い」を覚えてしまいますよ😄
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