「ギリシャ文字」「大小」「プシロン」「ただの」ギリシャ文字の「大小」と「ただの」
まったく関係ない2つの文字と思いきや、「大小」とか「ただの」とかいうネーミングのものがあります。
オメガとオミクロン
Ω, ω
ὦ μέγα (omega オ・メガ)
「大きなオ」の意味。
もとは「オ」の長母音版として O を変形してつくった文字。
しかし、2~3世紀に長短の区別がなくなってしまったので現代では両者の発音のちがいはなく両方とも「オ」。
さらに現代ギリシャ文字ではダイアクリティカルマークがなくなったので ωμέγα と書きます。
電気の抵抗を表すΩ (オーム) として知られていますね。
Ο, ο
ὂ μικρόν (omicron オ・ミクロン)
「小さなオ」の意味。
όμικρον (同上)
ギリシャ語はhがない→ダイアクリティカルマーク「῾」「᾿」
エータとエプシロン
Η, η
ἦτα (eta エータ) →ήτα (イタ)
発音は古代は/eː/、現代語では/i/に変わっています。
フェニキア文字では[h]を表していたけど、イオニア方言では早くに[h]が消えてしまったので代わりに[aː]→[æː]→[ɛː (エー) ]の音に使いました。
Ε, ε
ἒ ψιλόν (epsilon エ・プシロン) →έψιλον
「ただのエ」の意味。
これももとはフェニキア文字で[h]を表す音だったけど[e]の音に使いました。
後に狭い[eː ]はειで、広い[ɛː ]はηで表されるようになりました。
[ɛ]は[e]と[a]の中間ぐらいの音です。
2世紀ごろに二重母音αιが同音の[e]に変化して、区別するためにɛをエ・プシロン (ただのエ)と呼ぶようになりましたとさ。
イプシロン
Υ, υ
ὒ ψιλόν (upsilon イ・プシロン) →ύψιλον
「ただのイ」の意味。
もともとは/u, uː/ (ウ) を表していたけど、アッティカ・イオニア方言では早くから/y, yː/に変化しました。
この音は口を丸くして英語の「w (ウ) 」の形のまま日本語の「ユ」を言って、さらにその状態のまま舌を上に上げて「イ」を言おうとすると出る音です。
むずかしいかな。
むずかしいね😄
どちらか言えば「イ」です。
だからイプシロンがいちばん近い音です。
語末や無声音の前では[f]、
有声音の前では[v]になります。
ああややこしや~。
また古代ギリシャ語では語頭のυ (イプシロン) にはかならず有気記号 (῾) がつくのでラテン文字に翻字するとhyになります。
hyperやhypoなど。
super (スーパー) と hyper (ハイパー) どっちがすごいのか!?
ギリシャのイ y
これはギリシャの「イ」でもともとラテン語にはありませんでした。
だからおじさんが持っているラテン語の辞書にyで始まる単語は3つしかありません。
いずれもギリシャ語の借用語でしかもhyの頭音消失です。
したがってhyで始まるおなじ単語も見られます。
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