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「因幡」「白兎」「オオクニヌシ」「オオナムヂ」
オオナムヂ
大国主命 (オオクニヌシ) のもとの名前です。
スサノオの6代あとの子孫です。
ひひひひ孫ですね。
八十神 (やそがみ)
オオナムヂには八十神とよばれるお兄さんたちがいました。
じっさいに80人いたわけではなく、「8」は「たくさん」という意味です。
むかしの日本には「8」までしかありませんでした。
なので、「八重」「八千代」「八百万の神」「八百屋」「大江戸八百八町」など、「8」より大きい「百」「千」「万」が中国からはいってきても「8」をつかうことで「とても多い」ことを表します。
「八重桜」はほんとに花びらが8枚あるわけでなく、もっと多いです。
「九重 (ここのえ) 」は「9」がはいってきてから「八重」よりさらに多いよ、という意味を込めた造語ですね。
ヤガミヒメ (八上姫)
因幡 (いなば。いまの鳥取県) の国にたいそう美しいヤガミヒメがいると聞き、八十神は因幡に向かうことにしました。
荷物持ち
いちばん末っ子のオオナムヂは荷物持ちです。
お兄さんたちの荷物をぜんぶ1人でかつがされて、いちばん後ろからついていきます。
はだかのウサギ🐰
八十神が浜辺にさしかかると、皮を剥がされて真っ裸のウサギが泣いていました😥
塩水で
八十神たちは「塩水で洗って風に当たれば治るよ」といいました。
ウサギがそのとおりにすると、肌はヒリヒリして傷も痛みもますますひどくなっていきます。
いちばん最後に来たオオナムヂ
はだかのウサギを見て聞きます。
「どうしたんだい? 」
数くらべ
ウサギが話しはじめます。
わたしは海の向こうの島に住んでいました。
こちら (因幡) に渡りたいと思い、アイデアを思いつきました。ワニ🐊と数くらべをしようと持ちかけたのです。
「ワニさん。ワニさん。わたしたちウサギとどっちが多いか数えてみない? 」
「面白そうだな。で、どうする? 」
「わたしが数を数えるから、ワニさんたちはここから向こう岸まで並んでみて」
「よし、わかった! 」
ワニが並ぶとウサギはワニの背中を飛びはねながら「1、2、3、4…」と数えていきました。
そして、向こう岸 (こちらの因幡の浜辺) にたどり着いたときに言いました。
「やあい! 引っかかったな! わたしはこっちに渡りたかっただけなんだよ~。バアカ😜」
そしたら、最後の一匹につかまり皮を剥がされてしまいました😥
真水で
でも、やさしいオオナムヂ。
アホか! とはいわずに、こういいます。
「真水で洗って、蒲 (がま) の穂の上に寝てれば治るよ」
蒲の花粉が利くということらしいですが、保証しません(^_^;)
予言
傷も癒えた🐰ウサギはオオナムヂにいいます。
「お兄さんたちはヤガミヒメと結婚できないでしょう。ヤガミヒメが選ぶのはあなたです! 」
ヤガミヒメ オオナムヂを選ぶ!
🐰ウサギの予言どおり、ヤガミヒメは八十神をことごとく拒否して、さいごにやってきた荷物持ちのオオナムヂを選びます。
お兄さんたちに殺される!
面白くないのは八十神のお兄さんたち。
「なんであんな奴がヤガミヒメと結婚するんだよ! 」
「殺しちまおうぜ! 」
「そうだ! そうだ! 」
と、いちばん下の弟、オオナムヂを殺す計画を立て、実行します😨
暗殺計画
① 焼けた大岩
八十神はオオナムヂにいいます。
「いまから大きなイノシシを追い出すから、下でつかまえるんだぞ! 」
そういって、八十神は山の上から焼けた大岩を落とします。
オオナムヂは巨大なイノシシだと思って受け止め、そのまま下敷きになって死んでしまいます!
オオナムヂのお母さん (サシクニワカヒメ)
オオナムヂのお母さんということは、八十神のお母さんでもあるのですが、オオナムヂがお兄さんたちに殺されたことを知り、高天原のカミムスヒに生き返らせてもらうよう頼みます。
キサガイヒメとウムギヒメ
カミムスヒはキサガイヒメとウムギヒメという、その名のとおり貝の神さまをつかわし、死んだオオナムヂに秘薬を塗るとみごと生き返りました!
キサガイは赤貝、ウムギは蛤 (ハマグリ) のことです。
② 木にはさむ
死んだはずのオオナムヂが生きているではありませんか!
八十神はつぎなる暗殺計画パート2を立てます。
というか白昼堂々なので殺人、いや殺神計画ですね。
こんどは大きな木の真ん中に裂け目を入れて、そこにクサビを打ちこみます。
そして、オオナムヂが間にはいったところでクサビを抜きます。
オオナムヂはペチャンコになって死んでしまいました!
2度目の生き返り
またもやお母さんの助けで生き返ります。
「このままじゃ、こんどこそホントに殺されてしまうわ。お逃げなさい! 」
逃げる
「紀伊の国にオオヤビコという神さまがいるから、そこに行ってかくまってもらいなさい」
「紀伊の国」はもともと「木の国」
2文字にしなさいというお上のお達しで名前を変えました。
いまの和歌山県と三重県南部。
追いかけてくる八十神
でも、八十神が聞きつけてオオヤビコのところにやってきました。
「やい! ここにいるのはわかっているんだ! オオナムヂを出せ! 」
オオヤビコはもはやここでは守りきれないのでオオナムヂにいいます。
「根の堅州国 (ねのかたすくに) に行きなさい。そこにはスサノオがいるから助けてくれるでしょう」
スサノオ
早くも出てきましたね。
6代上の先祖だから、ひひひひーじいちゃんです。
根の堅州国へつづく。
大国主命 (オオクニヌシ) なんども殺され根の堅州国へ逃げる!
古事記。日本書紀 ~ 最初の入口。超かいつまんだお話
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