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「italki」「テスト」「記憶力」
オウム返し ~ 短期記憶力
italkiのテストが特殊なのはスピーキング、じっさいにはリスニングに重点が置かれていることです。
そして、ふつうの世間のテストなら内容を聞いて、その内容を理解しているかどうかを確認するために内容にかかわる文字による問題が出ます。
超短期記憶力
しかしitalkiのテストは内容を理解しているかどうかではなく、今AI (?) がしゃべった言葉を内容にかかわらず、一字一句そのままオウム返しする能力が必要です。
文字で書くのではなく、選択肢から選ぶのでもなく、自分で声を出してオウム返しします。
たしかにスピーキングの能力も同時に測れることは測れますが。
極端な話、英語がまったくわからず、意味もわからない人でも、音を正確に耳コピできればこの試験には通ります😄
日本語でも相手が言ったことをそのまま繰りかえすのはむずかしい
わたしたちはふだん日常的に会話をしているし、ニュースや映画を見たりします。
そのときやっていることは、一字一句正確に模写して暗記することではなく、相手が言った「内容」を理解することです。
だから、たとえば相手が「わたし」と言ったか、「ぼく」と言ったか、はたまた、わし、わい、俺、うちと言ったかはどうでもいいことなんです。
「わたしはきのう学校に行きました」という「内容」がわかればいいので、
「学校に」と言ったか、「学校へ」と言ったか、「行った」か「行ったんだ」か「行ったんだよ」だかはどうでもいいことなんです。
ふつうのテストなら
「誰が行きましたか?」とか
「どこに行きましたか?」などという質問が出ます。
でもitalkiのテストでは一字一句そのとおりに繰りかえさなければなりません。
もちろんそのへんは「に」が「へ」になってもすこし減点されるだけで0点になるわけじゃないけど、問題はそこではありません。
長い単語の羅列はすぐには覚えられない
聞き取れて意味がわかれば覚えられるのではないかと思うかもしれないけど、単語10個以内の文章があって一所懸命に暗記しようとしても、そのあともう一行 (ひとくだり) 続くんです😅
せっかく超集中して一行覚えたのに、すぐもう一行続くので、それを聞き取ろうとすると前の行は上書きされてしまいます。
また前の一行を覚えるのに集中すれば、つぎの一行は頭にはいりません。
要するに文章が長いんです。
めちゃくちゃ長いわけじゃないけど、じゃあ
「これから私の行ったとおりに言って」と日本語で言われても、2行くらいの文章だと正確に覚えられないでしょう。
まあ母語なので内容はすぐ頭にはいります。
そこでふつうの人がやることは「自分が理解した内容」を「自分の言葉」で再構成して声に出すということです。
百人一首
つくばねの峰よりおつるみなの川 恋ぞつもりて淵となりぬる
たとえばこんな歌があります。
すでに何百回、何千回見て、聞いて暗記している人は問題外です。
これをはじめて文字なしに音で1回だけで聞いて、すぐその場でオウム返しにできる人がいるでしょうか?
日本語ですよ😄
古語なのでちょっと頭にはいりにくけど、外国語だと単語や文法がすっと頭にはいらないのに似ています。
むかしの歌じゃなくて、現在のポップスでもいいです。
文字なしに流れている歌を聞いて、その場ですぐ2行くらい耳コピして歌詞が言えますか?
メロディはいいです。
でも日本語でも聞き取れない言葉があるし、1回で覚えてオウム返しするのはムリでしょう。
会話は話題がわかっている
ほんらい会話はスーパーの肉の値段の話をしているのか、ロケット打ち上げの話をしているのか、話題がわかっていて話の流れがあります。
唐突に短い単語の羅列だけ言われても、これは母語であっても聞き取るのはむずかしいんです。
2~3人おしゃべりしてるところに途中からはいると、すぐには何の話かわかりません。
「ねえねえ。何の話?」
と聞くのはよくあることです。
完璧に聞き取れないとオウム返しはできない
これがこの試験の難点です。
会話の中の一部の単語だけ聞き取れてもそれでは文章として組み立てられないので一言も出ないんです。
だからall or nothing
完璧にオウム返しできるか一言も出ないかのどちらかになってしまいます。
聞いた文章の5割、6割の単語だけ話すというのは日本語でもなかなかむずかしいことです。
たとえば「お腹が=空いた」「バイクに=乗る」のように文章というのは単語レベルではなく、動詞と主語や目的語とのセットで意味をなすからです。
その他
自分の能力の自己申告
自分が英語を何年勉強したかとか、読み書き、聞く、話すの能力がどれくらいかなど最初に入力するところがあります。
超初心者にいきなり超難問をふっかけても試験にならないので、受験者が解答するのに適したレベルの問題を出すためのようです。
カッコつけないで、「初心者」にチェックを入れましょう。
画面キャプチャ
試験中ほかのサイトや辞書などをつかったり、それこそ録音して再生したりするようなカンニングを防ぐために全画面をキャプチャします。
ここでちょっと引っかかります。
「全画面表示」を選んで「共有」ボタンを押しても反応しません😮
「全画面表示」を選んだあと、そのサムネイルをクリックしてから「共有」ボタンを押します。
また念のためほかのタブはぜんぶ閉じておいたほうがいいでしょう。
カメラは起動していないみたいなので、手元の辞書は使おうと思えば使えると思うけど、上に書いたようにネックになるのはオウム返しのスピーキング (リスニング) です。
4回
1回お金を払って申し込むと、その日から1年の間、好きなときに4回受けられます。
voaでだいぶ聞き取りができるようになったと思って、2回目を受けたけど、やはりぜんぜん聞き取れなくてしどろもどろになって途中でやめました😅
ほかの試験
ちなみにオックスフォードもリスニングはありますが、これはふつうのテストとおなじく会話を聞いて、その内容について文字で選択する問題なので、ある意味適当に答えても何割かは当たります。
むすび
ということでitalkiのテストで高得点といわずそこそこの成績を取るためには、聞き取ったことを瞬時に記憶して、数秒後にそのとおりに再生する能力が必要です。
テスト用の練習といおうか、これができてないとイライラするばかりで残念な結果になります。
まるでAIに「お前はぜんぜんダメだ」と言われてる気分です😄
わたしは日本語教師をしています
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