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「予習」「範囲」「ほどほどに」「ムダではない」
どこまで予習するか?
オンライン日本語教師をやっていると生徒から「〇〇について教えてください」というメッセージが来ます。
また宮本武蔵の五輪書を読みたいというような奇特な生徒もいます。
日本語ネイティブならその場しのぎでおざなりの言葉を並べることはできますが、先生としてはちゃんと文法的な意味や用例などを示して教えたいです。
それが仕事です。
けっきょく他の話になってしまう
しかし、いざ授業が始まってみればまったくべつの話題やべつの言い回しについての質問になって、せっかく時間外に用意した言い回しについてはまったく話がなく終わってしまうことがあります。
リピーターならまた次の機会に話すこともあるけど、それっきりで終わってしまう生徒もすくなくありません😅
予習はムダか?
時間とお金のことだけ考えれば準備したものが用を足さずに終わるのはムダかもしれません。
でもそうでしょうか?
大局的に見れば自分の資産になる
大袈裟な書きかたをしましたが、自分の身につくということです。
質問した生徒にはその威力を発揮せずに終わってしまったのですが、外国人が疑問に思う日本語には共通点があります。
だからその質問はかならずまた他の生徒がしてきます。
そのときに日の目を見るのです🌞
知らない日本語が山ほどある
日本で日本人と会話する上ではまったく問題なく無意識につかっている言葉でも、いざ説明しようとするとわからないことや矛盾点も見えてきて自分でも驚きます。
これは文法的にはおかしいとか、ルールに当てはまらない言い回しなど山ほどあります。
それについて調べておけば、ほかの生徒からおなじ質問があったときに「待ってました!」とばかりドヤ顔で説明することができます😄
「それ、よくある質問なんだよね」
「おかしいでしょ」
「でも、こういう理由でこう言うんですよ」
と言えたときの爽快感🙌
質問がなければ知らなかった世界
たとえば宮本武蔵の五輪書なんてふつうの人は日本人でも読みません。
これを読みたいと言われておじさんは60を過ぎてはじめて五輪書を読むことになりました。
現代語訳とはいえ1960年代、おじさんが生まれたころの訳。
言葉がかなり古いです。
今までの人生で1度も見たことも聞いたこともない言葉がたくさん出てきます。
それから武道に関する言葉なので専門用語もたくさん出てきます。
これが日本語の現代のニュースなら初見でも説明できるでしょう。
でも、五輪書はあるていど事前に読んで調べておかなければ人に説明できません。
調べてもわからないこともたくさんあります。
ほどほどに
おじさんの座右の銘はブッダの
「何ごともほどほどに」
です。
たとえば五輪書なら1時間の授業で読む範囲から2~3ページ先までしか読みません。
自分が五輪書にハマったのならぜんぶ読んでもかまいませんが。
けっきょくこの生徒もただでさえむずかしい日本語という外国語なのにさらに古語や古い言い回しがたくさん出てきて挫折しました。
はっきり「五輪書はやめます」とは言わなかったけど、だんだんほかの質問や話題に変わっていったので
「ああ、五輪書はやっぱりムリだったか」
と納得しました。
おじさんとしては読むのはおもしろかったですけどね。
ただ宮本武蔵は物書きとしてはあまり才がなく、わかりにくかったり、おなじことを何度も繰りかえしていたりして、古い言葉だからではなく、言葉として読みにくい文章でした。
禅問答みたいなのも多くて、日本語の問題というより「武道の精神」についての話という感じです。
「動いているのに動いていると意識してはいけない」というような話です😄
宮本武蔵については「五輪書を書き終えてから1週間後に亡くなった」ということがいちばんの驚きでした😮
わたしは日本語教師をしています
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