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過去形・現在完了形・現在完了進行形のちがい ~ 図解

「過去形」「現在完了形」「現在完了進行形」

ちがいがよくわからないので絵にしました。

過去形 past

瞬間的に動作が終わっている

過去のある時点で瞬間的に動作が終わっている。
現在まで動作が続いていない。

I decided to study abroad.
留学することにした。

I learned English before.
むかし英語を勉強しました。
(今はしてない)

だからしばしば時を表す言葉が付け加えられます。

I decided to study abroad a year ago.
1年前に、留学することを決めた。

ある期間の長さがあっても終わっていれば過去形

I played tennis for four years.
4年間、テニスをやっていた。
(今はやっていない)

I taught Japanese for ten years.
10年間、日本語を教えていた。
(今は教えていない)

現在完了形 present perfect

まずこの「完了」という言葉は英語の perfect を訳した言葉なのでかならずしも「完了 complete」「終わった」という意味ではありません。
「終わった」という意味より「継続している」という意味合いのほうが強いです。
これはあくまで文法用語として捉えて、囚われないでください。
むしろ「現在継続形」といったほうがいいんじゃないか?という使いかたもあります。

過去から現在までのどこかでやった / 経験

I have decided to study abroad.
留学することにした。

これは
I decided to study abroad.
とまったくおなじ日本語になってしまいますね。

日本にはこの概念はありません。
だからわれわれ日本人にはこのtense (時制) が理解できないんです。
べつに日本人が頭が悪いわけじゃありません😅

じつは日本語にもむかしは完了形がありました。
しかも2つも😮
「つ」と「ぬ」です。
見たことはなくてもだれでも知っている映画の題名は
「風と共に去り」です。

この時代の日本人なら英語の完了形なぞ屁でもなかったかもしれません😄

お互いさまで、外国人にはない概念や言い回しが日本語にもあるので、かれらがそれを理解して使いこなすのはかなりむずかしいです。
敬語は言うに及ばず、ウチソトの考えかたもそうですね。

さて、じゃあただの過去形と現在完了形をどう区別すればいいんでしょうか?

点過去・線過去

過去形:過去のある一点で終わった。 (点過去)
現在完了形:過去から現在までのどこかでやった。 (線過去)

この言葉をつかっていいのかどうかわからないけど、このほうがわかりやすいと思います。

もういちど絵を見てください。
過去形は一瞬 (点) で、完了形はある期間の長さ (線) があります。

スペイン語の過去形には2種類あって、それが点過去と線過去です。
この用語はあまり一般的ではないようです。

点過去:ある一点で動作が終わる。
線過去:ある期間動作が続く。

英語はこれでもカンタンな言語の部類にはいり、複雑な動詞の活用をやめて、have + 過去分詞 にしました。
ドイツ語でも haben / sein + 過去分詞 で過去を表すのでゲルマン系の文法かもしれません。
あくまで「かもしれない」なので、ドイツ語についてはしかるべき書物をもって勉強してください。

スペイン語をふくむラテン系の言葉では、点過去・線過去それぞれべつの動詞の活用 (変化) を覚えなければならないので大変です。

英語は文法的にはカンタンな言葉なんですよ。
これでも。

発音はメチャクチャむずかしい。
ていうか、変。

だから、ただの過去形の場合は、「昨日」「1か月前」「去年」「10年前」「むかし」など時を表す言葉がよくつきます。

それに対して、現在完了形は「過去から現在までのどこか」なので時を特定する言葉は使いません。
現在完了形を使うときは「現在の状況」に注目していて、それが重要なので「いつか?」は問題ではないのです。

ただ、それを始めた時や期間の長さを言うことはあります。

10年前からまでの間に」
という出発点と期間は特定しても、どの一点かについては言いません。

もしそれが言いたいときは素直に過去形を使いましょう。

だから上の例文をちがいがわかるように訳すとこうなります。

I decided to study abroad.
(昨日か、先月か、去年かある日) 留学することを決めた。

I have decided to study abroad.
(今日より前のむかしのいつか) 留学することを決めた。

ただカッコの中を言うと日本語としては不自然です。
それから、「決めた」と言わずに「することにした」が自然な日本語です。

またじっさいには、現在完了というくらいなので、今この瞬間か、すこし前のことについて言うのがふつうです。

I have just decided to study abroad.
今 (さっき) 決めたばかり。

経験

I traveled to Japan last year.
去年、日本に旅行に行った。

I have been to Japan.
日本に行ったことがある。 (いわゆる経験)
(いつかはわからない / どうでもいい)

もし、「いつですか?」と聞かれれば答えます。
そのときは過去形で答えます。

まあ会話では、また
I traveled to Japan last year. などとは言わず、
About two years ago. とか
In 2019. とか答えるでしょう。

経験では ever, never, before などがよくつきます。

I have ever been to Japan.
(かつて) 日本に行ったことがある。

I have never learned Japanese before.
今まで日本語の勉強をしたことは1度もない

べつの例文

I have eaten it.
食べたことがある。(経験)
いつ食べたかはどうでもいい。

「ずっと食べている」は後述。

現在までずっと続けていた

もう1つの意味として継続があります。

I have learned English.
ずっと英語を勉強してきた。 (継続)

過去のある時点から現在まで続けてきた。
もちろん24時間動いているわけではなく、毎日の習慣として「やってきた / 続けてきた」そして「現在に至る」ということです。

動詞の種類

これは文脈からもわかるけど、動詞の種類もちがいますね。

decide は一瞬で終わります。
それに対して learn は長く続ける動作です。

日本語でも「決める」は瞬間動詞。
「勉強する」は継続動詞です。

それによって「ている形」の意味が変わります。
これなぞ外国人には脅威の文法理論です😄

「ている」形 ~ 日本語

継続の意味があるので時の長さを表す言葉がよくつきます。

I have learned English for ten years.
10年間 (ずっと) 、英語を勉強してきた。 (そして今に至る)

今日まで続けてきたことが大事です。
むかし勉強して、今やってないのであれば、ただの過去形にします。

I learned English for ten years around my 30’s.
30代の頃、10年英語を勉強していた。 (今はやっていない)

現在完了進行形 present perfect progressive [continuous]

完了形は「ずっと続けてきて今日に至る」でとりあえず話は終わりです。
視点が現在にあり、今まで続けてきたことの成果や現在に対する影響について述べています。

これから先、未来については視野にはいっていません。

だから、かならずしも「今日、終わった」のではなく、この先も続く可能性はあるけど、それは今の話では重要ではなくどうでもいいということです。

ずっと続けてきて、今も続いている。 (これから先も)

それに対して、現在完了進行形はその名のとおり、「現在も進行中」です。
視点は過去・現在を通り越して、その先の未来に向かっています。

だから、

I have been learning English.
ずっと英語を勉強しています。

日本語としてはこれが自然ですが、説明がましく言うならこうです。

「むかしからずっと勉強してきて、今も勉強していて、これからも勉強します😄」

日本語には現在完了進行形なるものがないので、無理やり表現しようとすればこんな言いかたになってしまいますが、ふつうは言いませんよね。

現在完了形と現在完了進行形のちがいは何ですか?
ということを説明しようとするとこうなります。

現在完了形:とりあえず視点は今にあり、終わったけど、その先続けるかどうかはどうでもいい。
現在完了進行形:むかしからずっと続けてきて、今も続けていて、この先も続けるよ。

たとえば現在完了形は
「英語を勉強してきて、そのおかげで外資系の会社の就職が決まった🙌」という感じですね。
もちろん勉強は生涯続けなくてはならないものなんだけど、とりあえず今の状況は、

勉強してきた→就職という結果につながった。

で、めでたしめでたし。

現在完了進行形は
「英語を勉強してきて就職が決まったけど、会社にはいってからもずっと勉強は続けるつもり。続けなければならない」という未来に目が向いています。

もちろん完了形は視点が現在にあるだけで、「この先はやらない」とは言ってません。
やるかもしれないし、やらないかもしれないけど、今、それはどうでもいいこと。

期間・長さ

継続の意味があるので、どれぐらいの期間それを続けているか、続けてきたかという言葉がよくつきます。

I have been learning Japanese since 2010.
2010年からずっと日本語を勉強している。

She has been living in New York for three years.
彼女はニューヨークに3年住んでいる。 (今も住んでいる。今のところ引っ越す予定はないからこの先も住み続ける)

習慣として続けていること

I have been eating rice.
ずっと米を食べている。

これも説明がましく言うならこうです。

「オギャーと生まれたときから米を食べていて、そのあともずっと米を食べていて、今日も、明日も、その先も食べ続ける」ということです。

I have been watching movies with my friend every weekend.
毎週末、友だちと映画を見ている。

こんな言いかたもできるんですね。
これは習慣として、お決まりとして、その行動を続けているということです。

さっちゃん
I have been eating pudding since I was born🍮
ひげおじさん
生まれたときからプリンを食べていて、昨日も、今日も、明日も、その先も食べ続けるってこっちゃね

わたしは日本語教師をしています

プロフィール・レッスン予約はこちら。
表示名はToshiです。

https://www.italki.com/teacher/8455009/japanese

さっちゃん
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