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「分離動詞」
duolingoで
「Kommst du mit?」という妙な例文が出てきました。
mitは英語でwith
日本語なら「~とともに」
かならず後ろに何かつきます。
そのまま無言で放置プレイということはありません。
分離動詞
じつはこれ、mit|kommenという分離動詞の活用で、その名のとおり活用すると「mit」がちぎれて後ろに飛んでいってしまいます。
恐るべし、ドイツ語!
mit-kommenという動詞の一部で、mitという前置詞ではないんですね。
もちろん言葉の成り立ちからはもともとは、kommen+mitであったことはまちがいありません。
この場合は英語の「together (いっしょに) 」くらいの意味です。
まあ「ともに」と捉えてもいいです。
副詞的な役割で、前置詞ではないんです。
言葉としては出さないし、文字にも書かないけど、「 (わたしと) ともに」が隠れていると思ってください。
デュオリンゴの英訳は
Are you coming along?
で、なんだかよくわかりませんが、
Do you come with me?
Do you come together?
あるいは
Will you come together?
のほうがわかりやすいですね。
成句または副詞と考えたほうがいい
mit|kommenが分離したと考えるより、kommen+mitという成句と考えたほうがいいです。
Du kommst mit mir.
のmir (わたし) が省略されたと思ってもいいです。
「いっしょに行こうよ」というとき、
「 (わたしと) いっしょ」であることは言わなくてもわかります。
このへんが日本語と似ています。
英語ならwith meのmeを省略することはありません。
mitは副詞でもあり、英語のtogetherとおなじです。
分離動詞の一部と捉えるより、単純に副詞のmit (いっしょに) が後ろについてるだけと思ってもいいです。
動詞の活用形 (変化)
もとの動詞とおなじです。
mit|kommenなら、kommenとおなじです。
分離動詞の例
auf|stehen
立ち上がる。起き上がる。
stehenが「すでに」立っている。のに対して、
auf|stehenは「座っている、または寝ている状態から」起き上がる。
というニュアンスがあります。
これも、aufが「上に」という意味であることを知っていれば、分離動詞と捉えずに「上に、立つ」であるていど意味は想像できますね。
zu|hören
耳を傾ける。傾聴する。注意深く聞く。
hörenがただ「聞く (hear) 」に対して、
zu|hörenは「聞こうとして聞く (listen) 」です。
Ich höre zu weil Sie sprechen.
あなたが話しているので、わたしは一所懸命に聞きます。
辞書を引くとき
困るのは辞書を引くときです。
最初からmitkommenという動詞だということはわからないので、kommenのところをいくら見てもわかりません。
これは徐々におぼえていくしかないですね。
辞書にはmit|kommenのように「| (縦棒) 」がはいっています。
英語でも
英語には分離動詞というものはありませんが、前置詞が動詞や疑問詞と「分離」することがよくあります。
日本人の感覚には馴染みにくいので最初は戸惑いますが、フレーズとして覚えてしまったほうがいいです。
wake up
たとえば「wake up」で「起こす」なんだけど、目的語をとると
「wake up me」ではなく
「wake me up」と
分離してしまいます。
前置詞が後ろに飛ばされます。
あるいは目的語が間にはさまれます。
これは「wake me up」というフレーズで覚えてしまったほうがいいです。
Woher
どこから?
英語のfrom whereに相当するんだけど、英語では疑問詞を先頭に置くのでfrom whereとは言いません。
From where are you? ではなく
Where are you from? と言います。
ドイツ語では
Woher kommst du?
なんだけど、これも分離することがあるみたいです。
Wo kommst du her?
英語の形に似てますね。
(出典:小学館 独和大辞典 第2版)