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文章問題 ~ お弁当をとどけるお母さん。その1

「文章問題」「速さ」「追いつく」「時間」

速さの差

お弁当をとどけるお母さん

よくある算数の文章問題です。

『トシくんはいつものとおり家を出て学校に向かいます。

10分後にお弁当を忘れてることに気がついたお母さんは自転車で追いかけます。

お母さんは家を出てから何分後にトシくんに追いつくでしょうか?

トシくんの歩く速さは1分間に100mです。

お母さんの自転車の速さは1分間に500mとします。』

う~ん。むずかしい問題ですね。

絵を書く

何はさておき、まず「絵」を書きましょう!

わからないところは代数で

数学では x や y を使うけど、それだけでむずかしく感じてしまいます。
ここでは、□ や △ の記号をつかってみましょう。
🐰や🐢や🌟でも何でもいいんですよ。
ただ、あまり複雑な絵だと書くのが大変なのでカンタンな絵にしましょう(^^)

とにかくわかっていることを書き出す

はじめから問題を解こうとしないで、まずわかっていることを洗いざらい書き出します。
数字がわからないところは記号 (代数) で書きます。

わかっていること

トシくんの速さ:100 [ m/分 ]

お母さんの自転車の速さ:500 [ m/分 ]

お母さんが自転車で走りはじめるのは、トシくんが家を出てから「10分後」

自転車のほうが速いので、お母さんはこの先どこかでかならずトシくんに追いつきます。

家から追いついた場所までの距離を「 [ m ] 」としましょう。

お母さんが自転車をこぎはじめてから、追いつくまでの時間を「 [ 分 ]」とします。

これを絵にします

絵にしながら、わかるところを式にします。

お母さんが自転車をこいだ距離にもどる

解きかたは2通り

学校では、トシくんとお母さんの自転車の速さの差から求める方法がよく使われるけど、これは感覚的にわかりにくいです。
計算はこちらのほうが早いのですが。

ここでは、感覚的にも、視覚的にもわかりやすい方法を説明します。

2人が歩いた (こいだ) 距離は同じ!

10分後にお母さんがスタートしたということで、この問題はむずかしく感じてしまいます。

でも、時間のことはおいといて、お母さんがトシくんに追いついた時 (場所) のことを考えてみましょう。

2人は今、同じ場所にいます。
家から同じ距離だけ離れた場所にいます。

つまり、スタート時間はちがっても、

トシくんが歩いた距離と、お母さんが自転車をこいだ距離は同じ

なんです。
ここがポイント!

2人とも「 [ m ] 」歩いた (こいだ) んですね。

距離は速さ × 時間

速さの計算はこちら

トシくんが歩いた距離

お母さんが自転車をこいだ時間より10分よけいに歩いているので:

[ m ]  = 100 [ m/分 ] × ( 10  +  ) [ 分 ]

分配法則でカッコを開いてもいいです。

分配法則はこちら

100 [ m/分 ] × 10 [ 分 ] + 100 [ m/分 ] × [ 分 ] 

こちらのほうが感覚的にわかりやすいですね。

100 [ m/分 ] × 10 [ 分 ] が、
家から10分歩いた距離。

100 [ m/分 ] × [ 分 ] が、
お母さんが自転車をこぎはじめてからトシくんに追いつくまでに歩いた距離です。

もういちど挿し絵を見る

お母さんが自転車をこいだ距離

[ m ]  = 500 [ m/分 ] × [ 分 ] 

2人が歩いた (こいだ) 距離は同じ」なので

100 × ( 10  +  ) = 500 ×

1000 + 100   = 500  

500   – 100   = 1000

400 = 1000

= 1000 ÷ 400

= 2.5 [ 分 ] 

つまり、2分30秒でした!

歩いた距離は関係ない

上で [ m ] とわざわざ書いたけど、じつは距離は関係ありませんでしたね。

10分後にトシくんがどこにいたか、お母さんがトシくんに追いついたのは家からどれくらいの距離だったかは関係なかったんです。
言いかたを変えれば、この問題は「何分後か? 」なので距離はわからなくてもいいんです。

ただし、最初から時間だけで考えようとするとむずかしいです。
絵を書いて視覚的に距離や位置関係や時間による変化などが見えたほうがわかりやすいです。

もちろん時間がわかったので距離も計算することはできます。
せっかくだから距離も計算してみましょう。

10分間、トシくんが歩いた距離は

100 [ m/分 ] × 10 [ 分 ] = 1000 [ m ]

家からお母さんがトシくんに追いつくまでの距離

= 2.5 [ 分 ] なので

500 [ m/分 ] × 2.5 [ 分 ] = 1250 [ m ]

これはトシくんが10分間に歩いた距離と、そのあと、お母さんが自転車をこいだ2.5分の間に歩いた距離を足しても同じです。
ただ、お母さんが自転車をこいだ距離のほうが計算がカンタンですね。

計算はできるだけカンタンで楽な方法を選びましょう。
計算が複雑になればなるほど、計算ミスをする可能性が高くなるからです。

速さの差から求める方法

たぶん学校ではこのやりかたで教えられるんじゃないでしょうか?

まず10分間にトシくんが歩いた距離をもとめる

100 [ m/分 ] × 10 [ 分 ] = 1000 [ m ]

2人の速さの差をもとめる

500 [ m/分 ]  – 100 [ m/分 ]  = 400 [ m/分 ] 

時間 = 距離 ÷ 速さ

2人の距離は、はじめ 1000 [ m ] あります。

400 [ m/分 ]  (1分間に400m) の速さで、この 1000 [ m ] の距離を縮めていきます。

なので

1000 [ m ] ÷ 400 [ m/分 ]  = 2.5 [ 分 ]

このほうが圧倒的に計算が速いです。

わかればもちろんこの解きかたがいいんだけど、問題は

「2人の距離を、2人の速さの差で縮めていく」

というところが感覚的に理解できるかどうかです。

さっちゃん
わたしは上の絵に書いたほうがわかりやすいな😄
ひげおじさん
自分がわかりやすい方法でやればいいよ。解きかたは1つじゃないからね!

文章問題 ~ お弁当をとどけるお母さん。その2

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