目次をご覧になりたい方はクリックしてください→
「海外旅行」「はじめて」「入国審査」「電話」
はじめての海外旅行
はじめての海外旅行はアメリカでした。
ときは1990年4月。
目的は飛行機の免許を取ることとアクロバット!
ツアーでもないのでいきなり1人。
添乗員もガイドもいません。
段取り
- ロサンゼルス空港に降りる。
- 空港を出たらバス停で「アンテロープ・バレー」行きのバスに乗る。
- 学校が予約して名前を名簿に載せているので、名前を告げれば自分でお金を払うことなく乗せてくれる。
- 終点に着いたら、飛行学校に電話する。
- 迎えが来る。
カンタンでしょ。
ほかの人たちもそうやって行ってるんだから問題ないはず。
ロサンゼルス空港に到着!
第1関門。入国審査で引っかかる!
当日の宿泊地
入国のときに出す書類があるんだけど、「当日の宿泊地」を書く欄がありました。
そのことは知らされていませんでした。
もちろん海外旅行経験者ならそんなことは知っていたかもしれないけど、おじさんははじめてで知りませんでした。
泊まるのは学校の寮なんだけど、住所がわかりません。
「学校の電話番号ならわかるんだけど…」
「電話して聞いたらまたここにもどって来い」
「あっ、その紙は預けた荷物にはいってるから荷物を受け取らないと見られないです」
「なら、荷物を受け取って電話して来い」
入国審査終わってないのにゲート通過!
海外旅行はじめてながら、入国審査終わってないのにゲートを抜けて荷物受け取ることなんかできるのか?と思いながらゲートを通過します。
極端な話、外へ出られたのだからそのままロサンゼルスの街に消えてもいいんだけど、パスポートに入国のスタンプ押してもらわないと帰りに問題になることはなんとなく予想できました。
第2関門。電話
いきなり海外旅行初心者に難関です!
英語がろくに話せないのに電話!
現金 (コイン)
いや待てよ。
それ以前に、入国したばかりで現金を持っていないので電話できないではないか!
クレジットカードは持ってなかったので、トラベラーズ・チェックしかありませんでした。
今の人はトラベラーズ・チェックさえ知らないかな💦
旅行者用の小切手です。
ただの紙だけど、サインしないと使えないので現金より安全です。
まず、これを現金に換えなければならない。
両替所
どれくらい要るかわからないけど、トラベラーズ・チェックをいくらか現金に換えて公衆電話に向かいます。
ふたたび電話
電話のかけかた?
さて、電話のかけかたがわかりません。
基本的には日本とおなじだろうけど、日本みたいに10円入れるかわりに、10セントとか入れてダイヤルすればいいのかな?
オペレーター (交換手)
なんか海外の映画やドラマだとオペレーター (交換手) を呼んでつないでもらってたみたいだけど。
そういえば渡航前に日本で「ゼロ・ゼロ・ワンダフル (001) 」とかいってコマーシャルやってたな。
それからこう言えばいいんだ。
「ジャパニーズ・スピーカー・プリーズ」
よし! それで行こう!
電話機に向かうと「0」のところにオペレーターって書いてある。
よし! 意を決して「0」を押してみました。
オペレーターが出ました!
すかさず
「ジャパニーズ・スピーカー・プリーズ」というと即座に
「スピーク・イングリッシュ! 」と無下に断られました💦
とりあえず番号をいえばつないでくれるだろうと思い、紙に書いてある番号をいうと何やら聞いてくる。
「エリア・コード」とかいってる。
日本でいう市外局番のことです。
なんとその紙には市外局番が書いてなかったんです。
終点のバス停に着いてから電話する予定だったので市外局番が書いてなかったんですね。
エリア・コード (市外局番) がわからない!
モゴモゴいってると切られました😢
第3関門。エリア・コードを知るべし!
空港内を歩いてる空港職員らしき人にアタックします。
そんな田舎だれも知らん!
「ランキャスターに電話したいんだけどエリア・コードわかりますか?」
「ランキャスター?どこ?聞いたことねえなあ」
「えっ?」
何人かに聞いたけどみんな「知らん」といいます。
発音が悪いのでしょうか?
いいえ。あまりにも田舎でロサンゼルスでは知名度が0に近かったんです💦
日本でいったら、成田空港で「岡山県〇〇市の市外局番わかりますか?」と聞くようなものです。
かりに都市名を知っていても市外局番はよほど自分に関係ないところだと知りませんよね。
何人目かにようやく「パームデールの近くだろ。〇〇じゃないかな?」という人が現れました!
ただ、確信はありません。
「じゃないかな?」レベルですが。
ほかに頼るものがないので、これで行くしかありません!
三たび電話
また「0」を押してオペレーターを呼び出します。
手に入れたエリア・コードとそれにつづく電話番号をいうと、なんということでしょう~
つながりました!
しかも現地のアメリカ人スタッフではなく日本人が出ました!
かくかくしかじかで、住所を知りたいというと教えてくれました。
まだ空港でこれからバスに乗るというような話をしていたら、とつぜんオペレーターが割りこんできました。
「55セント入れろ」
まだ話の途中なのに…と思いながら55セントを入れると
「サンキュー! 」
といって電話は切れてしまいました!
なんだこのシステム!?
まあ、住所がわかったから「入国審査」にもどるか。
ふたたび入国審査
預け荷物を受け取り、両替し、電話と格闘して30分から1時間弱くらいは経っていたんではないでしょうか?
さっきの係官はもういない!
さっきのゲートにもどると、もうそこに係官はいません!
えーっ! 休憩?
それとも今日の仕事は終わり?
仕方ないので別のゲートの別の係官のところに行きます。
そもそも入国審査は空港の外に出るもので、空港の外から人が来るなんてふつうじゃありません。
つたない英語でかくかくしかじか、こういう理由でわたしはここにもどってくるように言われました、というと
「じゃあもういちど並べ」
といわれ、ふりだしに戻る、です。
入国審査を逆進入!
入国審査のゲートを逆進入してまた別の列に並びます。
なにやら日本刀のようなものを持っていて引っかかってるアジア人がいます。
大丈夫だろうか?
ニコリともしない係官にこちらは必死で愛想笑いを振りまき、なんとか正式に入国審査を終え空港の外に出ることができました。
あとで学校の生徒にこのことを話したら、
「空港の近くのホテルの名前書いときゃいいんだよ。ほんとにそこに滞在するのか調べたりしないから」
とのこと。
それ、最初に教えといてもらえます?
こうしてめでたくロサンゼルス空港の外に出ることができました!
Alien (エイリアン)
当時のゲートにはAlienとResidentと書いてありました!
alienて「異邦人」「外国人」ていう意味です。
でも、「エイリアン」という映画が公開されてからでしょうか?
現在は「Foreigner (フォーリナー) 」になっています。
バスに乗る篇につづく…
飛行機の免許とアクロバット ~ 一覧
海外旅行 ~ 一覧
<Sponsored Link>