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「なんて」「なんか」「などと」「とは」
日本語は同音異義語がたくさんあります。
ここでは疑問詞・感嘆詞の「なんて (何て) 」とはまったく別の意味を説明します。
なんて
なんて<など+と
語源はなんと「など+と」から
モダリティ modality, mode, mood
これもモダリティ (心的態度) を表すものの1つです。
単純な叙述ではなく、いいにつけ悪いにつけ、何かしら話者の気持ちがはいります。
だから「なんて」「なんか」の後ろの部分には、話者の気持ち・感想・評価・考え・好き嫌いなどの言葉がはいります。
動詞 / 助動詞+なんて
いい意味
ウィリーできるなんて、すごいね。
宝くじに当たるなんて、奇跡だ。
悪い意味、軽視している
そんなこと言うなんて、ひどいな。
2階から飛び降りるなんて、バカじゃない!?
こんなこともできないなんて、はずかしい。 (自分のことにもつかう)
あの人が犯人だなんて… (信じられない)
名詞+なんて+名詞
ヨーコなんて女、知らねえなあ。
人生なんてものは、大したもんじゃない。
この使いかたにかぎっては「などという」に置き換えられます。
例:
ヨーコなどという女は、知りません。
などと (は) 、とは に置き換えられる
もともと「などと」から来ているので「例示・婉曲」の意味合いがあります。
ただ「とは」をつかうより、話者の感嘆・驚き・軽視・軽蔑・どうでもいいねというような気持ちがはいります。
そもそも「など」は「なに+と」→「なんど」→「など」と音が変化した言葉です。
似たものに「なぞ」がありますが、こちらも「なに+ぞ」→「なんぞ」→「なぞ」と変わったものです。
さらに「なんぞ+は」→「なんざあ」→「なんざ」なんて変化球もあります。
例:
ウィリーできるなんて、すごいね。
ウィリーできるとは、すごいね。
ウィリーできるなどと (は) 、すごいですね。
なんか<なに+か
名詞+なんか
いい意味
これなんか、いいんじゃない?
モトクロスパークなんか、よく行くよ。
悪い意味、軽視している
私なんか、どうでもいいの。
犬なんか、大嫌いだ。
お化けなんか、怖くないよ。
恋人なんか、要らない (本心はメチャクチャ欲しいのかもしれない)
そんな昔のことなんか、覚えていない。
「なんか」は「とは」には置き換えられません。
×私とは、どうでもいいの。
×そんな昔のこととは、覚えていない。
など に置き換えられる
語源は「なに+か」なので、意味は「など」とおなじく「例示・婉曲」を表します。
「など」に置き換えられます。
例:
そんな昔のことなど、覚えていない。
また、悪い意味の5つの例では「なんて」に置き換えるられるけど、混乱するので外国人の学習者には言わないほうがいいです😄
例:
(私なんて、どうでもいいの) 学習者にはナイショです。
もちろん生徒のほうから聞かれたときは、両方つかえると答えてあげましょう。
とか
さらに近年は「など」とおなじ意味で「とか」をつかう人がいますが、頭悪そうな感じがするのでやめましょう😅
例:
ウィリーできるとか、すごいね。
これとか、いいんじゃない?
なぜおかしいかというと「とか」は一般的に2つ以上の物を例示するときにつかう言葉だからです。
例:
リンゴとか、ミカンとか、ブドウ (とか) がいいなあ。
それに対して「など」は単独でもつかえるし、例示の最後に1回だけつかいます。
例:
リンゴや、ミカンや、ブドウなどが好きです。
はっきりしない情報
彼もいっしょに行くとか…
≒彼もいっしょに行くみたいだよ / 行くらしいよ / 行くようだ。
このように単独でつかうこともありますが、これは例示ではありません。
とか弁
やっぱり気になる言葉のようで連発する話しかたを「とか弁」というとか😄
何を言うにもはっきりしないんですね。
「~とかいうアイドル」というのが流行り言葉ですが、いかにも頭悪そうですね😅
意味としては「~などというアイドル」ということのようですが。
わかっててわざと使うのはいいけど、人が使っているからといって何も考えずに真似するのはやめましょう。
カッコ悪いから。
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