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「自業自得」「因果応報」「業」「カルマ」
人にしたことはかならず自分に返ってくる
<スッタ・ニパータ 第3大いなる章。10. コーカーリヤ 662, 666>
<サンユッタ・ニカーヤ 1篇神々についての集成 3章 剣 2節 触れる / 7篇 バラモンに関する集成 1章 敬わるべき人 4節 ビランギカ 4>
「天に向かってつばを吐く」というのがいちばんわかりやすいですね。
「人を呪わば穴二つ」なんてのもあります。
コーカーリヤはサーリプッタとモッガラーナを憎んだために自分で掘った穴 (地獄) に落ちてしまいます。
自業自得。因果応報
仏教的な意味はすこしちがうけどこの2つの言葉がよく言い表しています。
業。カルマ
業 (ごう) はサンスクリット語のkarma (カルマ) の訳で、良いことも悪いことも自分が「考え」、「口にし」、「行動してきたこと」の蓄積で、それらはすべて自分に返ってきます。
仏教では「身口意 (しんくい) 」といい、
「身」が「行動」
「口」が「言葉」
「意」が「考え」です。
順番からすると、「意」→「口」→「身」ですね。
来世とかではなく今の自分にすぐ返ってきます。
人を罵ったり怒鳴り散らしたらスッキリするかと思いきや、かえって嫌な気持ちになりませんか?
呼吸は荒くなり、心拍は高くなって、ムダにアドレナリンが放出されて、自らの体を消耗し傷つけます。
極端な場合、激しい怒りで目が見えなくなったり、耳が聞こえなくなったりする人もいます!
もちろん対人的にもこのような人はみんなから嫌われ、困ったことがあっても誰も助けてくれないでしょう。
なにも超自然的なことや、呪術的なことや、神がかったことではなく、いたって物理的にも科学的にも人の心理としても自然なことです。
いいことも悪いことも
自業自得というと悪い結果ばかりに使われがちですが、本来は「いいことも悪いことも」自分に返ってくるという意味です。
人にやさしくしておいて損はありません😄
「良い業を世間の通帳に貯金しておく」つもりで。
でも、「人にしてあげた」と思うことは忘れましょう。
そして、「人にしてもらったこと」は覚えておきましょう。
因果応報
「原因があって、結果がある」
これまた当たり前のことです。
似たようなことわざ
聖書
聖書にも同じような言葉があります。
「reap what you sow (まいた種を刈りとる) 」
これも「まいた種は刈り取らなければならない」と悪い意味で使われがちですが、かならずしも悪いことだけではありません。
良い種をまけば良い実りが得られる。
少しまけば少しだけ、たくさんまけばたくさん収穫があるという意味です。
「sow the wind, reap the whirlwind. (風に向かって種をまけば、つむじ風の報いを受ける) 」
この場合の「種をまく」は上とはちがい「風上に種をまくと風で自分に返ってくる」という意味です。
日本語ではもともと「まく」は1語ですが、上の「まく」は「蒔く / 播く」、下の「まく」は「撒く」と漢字を使い分けています。
もとはおなじ意味のおなじ言葉なので、ひらがなで書いています。
おなじreapでも、上は「刈りとる」、下は「報いを受ける」でぜんぜん意味がちがいます。
ただこれも「自分がしたことに対して返ってくる」という意味ではもともとおなじ意味です。
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