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「縦書き」「右から左」「謎」
縦書きはなぜ右から左へ書くのか?書道の謎
書道はもちろん、日本では中国にならって長年、縦書きがつかわれています。
上から下に書きます。
人間の腕や手や指の動きと、いちばん大きな理由は、もし下から上に書くと自分の手や腕で先に書いた文字が隠れてしまうので、文字の大きさやバランス、行が乱れてしまうからです。
目をつぶって書いているようなもんです。
字が隠れて見えないのと、手が汚れる
ところが改行となるとなぜか「右から左」に移動します。
これが60年くらいの謎でした。
字が隠れて見えない
下から上に書くのとおなじように、右から左に手を移動すると先に書いた文字が自分の手で隠れてしまいます。
文字の大きさやバランスは言わずもがな隣との行間も見えないので、書き終わると行間が広かったり狭かったり、また行が平行でなく曲がったりしています😅
右手が汚れる
これはみなさん小学生のときに経験しているでしょう。
小学校では鉛筆をつかいます。
ノートを取り終わると、右手の小指の付け根のほっぺたのあたりが真っ黒になったことはありませんか?
ていうかいつも真っ黒になっていたでしょう。
それだけじゃなくて、その汚れた右手でノートをこするもんだからノートも全体的に灰色になります。
当たりまえです。
書いたところに右手が乗るんですから。
右手で書いた文字をこすりながらつぎの行を書いています。
白い長袖のシャツなんか着てたら、袖も黒くなります😅
書道では
書道では幸いといおうか必然といおうか、紙に手をつけないで空中に浮かせたまま書くので手が汚れることはありません。
べつの理由で汚れますが。
では中国人は頭がおかしかったのでしょうか?
ひねくれていたのでしょうか?
わざわざ、書きにくくて手が汚れる書きかたにするとは。
いいえ、それを真似した日本人もおなじです。
人種差別の意図はないのでそこんとこヨロシク。
最後まで読めば理由がわかります。
文字は左上から右下に書くのに
国という漢字を例に見てみましょう。
大きな流れは「左上から右下」です。
それぞれの線も縦のものは上から下、横のものは左から右に書きます。
これは手の動きと書いたところが見えるようにすると自然にこうなるんです。
右下で終わるのでつぎの文字はとうぜんその下に書くのが自然です。
それか右に。
まちがっても上にはもどりません。
もし上にもどると見えないのと、つぎの文字が前の文字の上に重なってしまう可能性もあります。
アルファベットは左上から右下に書く
アルファベットをつかうヨーロッパの文字は、文字も左上から右下、左から右に書いて改行も下に移動します。
説明するまでもなくこのブログも日本語ですが、「左上から右下」になっています。
チッイドンサのワンサ
むかしは日本でも横書きで「右から左」に書いていました。
それは縦書きで右から左に書くことを踏襲したからです。
むかしの新聞とか看板とか、今でも車の横に「車の進行方向から書くため」右から左に書いてあることがあります。
おじさんが小学校のころ、いつも駅前に停まっていた車があって、そこに「チッイドンサのワンサ」と書いてありました。
いつもおなじ向きに停まっていたのでわからなかったんだけど、ある日たまたま反対向きに停まっていたことがあってそのとき衝撃を受けました。
サンワのサンドイッチ😂
また話がそれた。
さて、縦書きで右から左に書く理由は何でしょう。
タネ明かしをしましょう。
左手で紙を押さえるから
こういうときは「逆」を考えるといいですね。
じゃあ縦書きでもし左から右に改行したらどうなるか?
左手と紙が汚れる😮
書道では紙を左手で押さえます。
1行書きおわって右に移動したらどうなりますか?
まだ書いたばかりで墨が乾いていないところを左手で押さえることになります。
左手はもちろん、紙が左手の指紋や手形だらけになってしまいます。
じゃあ右手は?
だから書道では右手を紙につけないで空中に浮かせているんですね。
これでめでたしめでたし🙌
アラビア文字は右から左に書く
この理由はわからないので知っている方がいたら教えてください😄
あっ、アラビア人は左利きではないと思います。
こちらも見てください↓
人物の右向きはなぜむずかしいのか?~ 右利きの科学
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