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「だ」「です」「ます」「特殊なイ形容詞」
こんなもん日本人には訳ありません😄
でも外国人の生徒に教えるにはちがいを理解しておく必要があります。
じつは生徒に指摘されるまで矛盾に気づきませんでした。
言われてはじめて「ほんまや!」ということがありました。
それは「だ」と「です」の語源がちがうからです。
「だ」「じゃ」の語源 ~ 古語とのつながり ~ やまとことば
だ
「だ」は断定の「助動詞」です。
名詞+だ
基本的に名詞にしかつきません。
例:
それは花だ。
車だ。家だ。
イ形容詞、動詞にはつきません。
例:
美しいだ×
行くだ×
吉幾三の「俺ら東京さ行ぐだ」みたいですね😄
方言ではありますが共通語では言いません。
イ形容詞と動詞は辞書形 (終止形) です。
だから終止形というんですね😄
例:
美しい。
行く。
ナ形容詞 (形容動詞) +だ
ナ形容詞がありますがもとからあるわずかなやまとことばを除いて、ほとんどは「漢語 (名詞) +だ」と考えたほうがいいです。
やまとことばの例:
穏やかだ。
しなやかだ。
漢語の例:
便利だ。 (便利+だ)
元気だ。 (元気+だ)
ただ何でも漢語をナ形容詞にできるかというとそうではなくて「病気だ」とは言っても「病気な」とは言えないんです。
「漢語+だ」はもともと日本語になかった言葉で漢字がはいってきてからできた言葉。
せいぜい西暦500年以降の話です。
だから「便利だ / 便利な」や「元気だ / 元気な」ももとはなくナ形容詞として「な」の形がつかわれはじめたときは、
「近頃の若いもんは!」と年寄りが顔をしかめていたにちがいありません😄
そのうち「病気な」も認められるようになるかもしれませんね。
です
名詞 / イ・ナ形容詞+です
例:
それは花です。
車です。家です。
例:
美しいです。
楽しいです。
ナ形容詞は名詞に準じて「だ」「です」両方がつかえます。
例:
穏やかです。
しなやかです。
便利です。
元気です。
イ形容詞だけが特殊です。
動詞にはつぎの「ます」をつかいます
ます
動詞 (連用形) +ます
動詞は「ます」をつかいます。
いっぽう名詞 / 形容詞にはつかいません。
例:
行きます。
食べます。
連用形
それぞれ「行く→行き」「食べる→食べ」と連用形に変えてから「ます」をつけます。
連用形とは「用言」に「連なる (接続する) 」という意味です。
この言葉はわかりにくいので日本語学校では「ます形」と呼んでいます。
用言
用言とは「活用する品詞」ということですが、要するに「動詞」「助動詞」「形容詞」です。
反対語は「体言」で「名詞」とそれに準ずるものです。
こちらは活用しませんが、副詞などはふくみません。
イ形容詞の矛盾
生徒に言われてはじめて気づきました。
生徒の質問
丁寧体で「美しいです」というのに、普通体ではなんで「美しいだ」と言わないんですか?
ほんまや😮
「花です」ー「花だ」なのに、「美しいです」ー「美しいだ」にはならない。
叙述形は「美しい」ですね。
おじさんも理由がわからなくて「だ」と「です」について調べたら、じつはこの2つの助動詞は語源がちがうという経緯がありました。
「だ」が「です」になったわけではないからなんです。
また糊の「の」が脱落したということも考えられます。
「で」は断定の助動詞「だ」の連体形
ただ「です」が「であります」の省略だとすると「美しいであります」もちょっと変です。
「で」は「だ」の連用形なのでやはりイ形容詞には接続しません。
名詞とナ形容詞だけです。
もとは「美しいのであります」と準体助詞 (名詞の働きをする) の「の」をはさんでいたのではないかと思います。
だから「美しいのです」といっていたのがそのうち「美しいんです」と「ん」に変わってさらに「ん」も取れてしまった。
おなじように「だ」は名詞のみにつくので、
「美しいのだ」のように「の」を糊にすれば、イ形容詞を名詞化して助動詞「だ」にくっつけることができます。
動詞もおなじように「行くだ」とは言わない。
「行くのだ」と「の」をはさまなければなりません。
そして「行くんだ」と「ん」に変わるところまでは行ったけど、「行くだ」にはならなかった。
この先、何年かするとその言いかたが正しい日本語として定着するかもしれません。
じつは「だ」の仮定形の「なら」ではこれが起きており、ほんらい「行くのなら」と言っていたのが、「行くんなら」になり、最後には「ん」も落ちてしまいました。
現代では「行くなら」という言いかたもありますが「なんか気持ち悪い」と感じるのは「行くだ」と言わないからです。
これについては「なら / たら」の記事でまた書こうと思います。
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