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「名詞修飾節」「が」「の」
名詞修飾節
文字どおり「名詞」を「修飾する」節です。
それ自体、主語と述語を持ち独立した文章になれるものです。
後ろの名詞を説明します。
例:
父がパソコンを買ってくれた。
→そのパソコンが壊れた。
(父が買ってくれた) パソコンが壊れた。
(父の買ってくれた) パソコンが壊れた。
「パソコンが壊れた」が主文で、 ( ) 内は後ろの名詞、ここではパソコンの説明をしています。
どんなパソコンですか?
父が買ってくれたパソコンです。
この ( ) 内を名詞修飾節といいます。
名詞修飾節の中では「が」⇔「の」入れ替えられる
名詞修飾節の中では入れ替えられます。
英語のwhich, that-clause みたいなもんです。
The PC (that my dad bought) has broken.
The PC has broken. (パソコンが壊れた) だけで文章が成り立ちます。
(that) 内は前の名詞の説明です。
英語では名詞が前に来るので先行詞といいます。
( ) 内だけでも文章が成り立っています。
こういうのを複文と言います。
文章の中に文章が入れ子のようにはいっているからです。
「の」をつかう理由
- 1つの文章に「が」が2つあると、どっちが主語かわかりにくいから
- 1つの文章に「が」が2つあると、気持ち悪いから😅
もちろん日本人なら「が」が2つはいっててもどちらが本文の主語か悩むことはありません。
でも語感として「気持ち悪い」というのがあります。
「は」や「の」もダブってると気持ち悪いです。
でも、まちがいではありません。
名詞修飾節にかぎり「の」に選手交代して逃げる手があるというだけのことです。
「は」がダブってる例:
わたしはほんとうはそれはやりたくはなかったんだけど…
「の」がダブってる例:
日本の北の山岳地帯の麓の森の中の町。
文章では推敲して言葉を入れ替えられますが、会話では口からポンポン言葉が出てくるのでこういうことはよく起きます。
わかりにくい例
彼が指輪をくれた。
これが彼がくれた指輪です。
これが彼のくれた指輪です。
これが彼がくれた指輪です。
この文では「これ」「彼」が短く、すぐ「が」が連続するのでわかりにくいのと気持ち悪いのが両方です。
ただ現代口語では「の」はあまりつかいません。
文章を書くときに「が」が続いて気持ち悪いなと思って「の」に替えることがあります。
「の」は主格だった
むかしは「の」が主格を表し、反対に「が」が所有格を表していたことがありました。
「我が」は「私の」という意味ですね。
霞ヶ関 (かすみがせき) のように地名では「ヶ」をつかって「が」と読ませますが、これは所有または連体修飾の「の」の意味です。
ヶ
これは捨てがなといいます。
現在はカタカナの小さい「ヶ」をつかってますが、もともとは「箇」を省略した記号です。
⺮ (たけかんむり) の片方だけ取った形ですね。
个
中国では「個」「箇」という意味で今でもつかっているようですね。
「箇」の略字です。
これが「ヶ」になったという説もあります。
むかしは印刷の活字はなくて、人が手書きでニョロニョロした字しかなかったから。
しかも読み書きできる人は少なかった。
高天原は「たかまがはら」「たかまのはら」両方の表記がありますが、じっさいはどっちで読んでたのかわからないからです。
残念ながらCDやDVDは残っていないので😄
むかしだからといって必ずしも「が」をつかっていたわけではなく、両者は入り乱れ揺れていました。
わたしは日本語教師をしています
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