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木山神社~里の宮 (岡山県真庭市)

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「江川三郎八」「牛頭天王」「善覚稲荷」「天満宮」「天神」「菅原道真」「牛」

入口。外観

広域農道からの入口。左に行くともともと一つだった「木山宮 (きやまぐう) 」の「木山寺 (きやまじ) 」に行けます。

二の鳥居

二の鳥居。赤い鳥居の奥に見えるのが「随神門 (随身門) 」です。「ずいしんもん」「ずいじんもん」とも読みます。

随神門

随神門。随身門とも書きます。どちらが正しいのか? 意味から考えると「随神門」の気がしますが…寺では「仁王門」に相当します。

境内

左が拝殿 (はいでん) 。右に善覚稲荷 (ぜんかくいなり) があります。

登録有形文化財

2017年7月21日。有形文化財に登録されました。

登録されたのは、

拝殿。渡り廊下。善覚稲荷本殿、拝殿の4つです。

文化庁のページ。

拝殿。狛犬と牛

拝殿の中

提灯 (ちょうちん) がたくさん

神社といえば、やっぱり太鼓

三毒の貪瞋癡。鶏、蛇、豚かな?見えないけど

そして、お神酒! 御前酒。「ごぜんしゅ」と読みます。おじさんは最初こちらに来たとき「おまえざけ」だと思ってました(^^) 岡山の地酒です。

白鵬と稀勢の里の手形が! 

伊藤博文 (いとうひろぶみ) 公の書。萬民齋仰。

伊藤博文公の書。奥宮本殿内に奉納されていた書で、今回が初公開の宝物。 兵庫県知事時代に奉納したと推測される。 「萬民齋仰」 (ばんみんいつきあおぐ) と書かれている。 (多くの民衆が祀り、神の御蔭を仰ぐという意味)。今の人は知らないでしょうね。昔の1000円札に描かれていた人です。何をした人かって? …調べてみてください(^^)

水墨画

拝殿から渡り廊下

拝殿から天満宮

拝殿から善覚稲荷

拝殿から神楽殿 (かぐらでん) 

拝殿から山門

拝殿から善覚稲荷

江川三郎八 (えがわさぶろうはち)

この神社の設計者です。

もともと福島の人で、ヘッドハンティングで岡山に引っ張ってこられました。

旧 遷喬尋常小学校 (岡山県真庭市鍋屋) の設計者でもあります。
遷喬。「せんきょう」と読みます。
建物は現存し、中を見学することもできます。

昭和37年に奥宮にあった拝殿と、善覚稲荷、天満宮から石段まで、本殿以外のものは全て今の里宮の場所に移築しました。
本殿は奥宮に残り、里宮の本殿はあとから作られたものだそうです。

江川の特徴は洋風のトラス構造や装飾にあります。

棟札

棟札。表。江川が携わったとわかったキッカケとなりました。大正八歳 (八年) と書いてあります。木山寺奥宮を立て直しした時に書かれたものです。さらに昭和37年。本殿を残してまるごと麓の現在の里宮に移築されます。

岡山縣 (県) 技師 江川三郎八

棟札。裏側

①束石に美くびれ ②神社なのにトラス構造 ③格天井は和風? 洋風?   ④廻縁がS字カーブ ⑤亀甲積の基壇 ⑥船底天井がカッコいい  (江川三郎八研究会より) 

束石 (つかいし)

①束石。おじさんは何度もこの神社に来ていたんだけど気にしたことがありませんでした=^^=こんなに凝った束石は他の神社では見られないそうです。もし、見つけた人は教えて下さい。江川の設計かもしれないので。

格天井。廻縁 (ごうてんじょう。まわりぶち)

③④格天井と廻縁

亀甲積の基壇 (きっこうづみのきだん)

⑤亀甲積の基壇。亀の甲羅の形 (六角形) に石を切って組み合わせてあります。これも言われるまで気がつきませんでした=^^= 蜂の巣にも見えますね。

角や、つなぎ目は細工が難しいようで四角になってますね=^^=

奥の宮にもあります。

木山神社~奥の宮 (岡山県真庭市)

船底天井 (ふなぞこてんじょう)

渡り廊下。⑤船底天井

渡り廊下。⑤船底天井2。普通は横に渡す「梁」がないと屋根 (棟木) を支えられないんだけど、天井の上にアーチ状の梁を渡して支えています。下からは見えません。隠しアイテムですね=^^=

三間向拝 (さんけんごはい)

普通の神社は柱が2本。江川の特徴は柱を4本立てる。「向拝 (ごはい、こうはい、こうばい) 」とは拝殿の手前に屋根が突き出していて、みなさんがお賽銭を上げて拝む場所です。「三間」とは読んで字のごとく「間が3つ」という意味で、長さの単位の「間 (けん) 」ではありません。

江川の特徴

江川三郎八研究会より

江川三郎八研究会より

神楽殿から拝殿

雲形

吹寄せ垂木 (ふきよせだるき)

「吹寄せ垂木」普通は等間隔に垂木を並べるんだけど、江川は2本ずつ並べています。

兎の毛通し (うのげどおし)

「兎の毛通し」といいます。棟木の鼻隠しです。横についているものは懸魚 (げぎょ) 。六葉 (ろくよう) とよばれます。

渡り廊下

渡り廊下。外から。太鼓橋のようになってます。

渡り廊下から拝殿、本殿 (ほんでん) 

渡り廊下から拝殿

渡り廊下から拝殿。表

渡り廊下。化粧梁 (けしょうばり) 

渡り廊下。化粧梁2

善覚稲荷 (ぜんかくいなり)

外観

善覚稲荷。全景

善覚稲荷。鳥居

善覚稲荷。吹寄垂木 (ふきよせだるき) になってます。

蛇腹。檜皮。檜皮は読んで字のごとく「ヒノキの皮」です。

狐の通る穴

賽銭箱。なんと正面に埋め込まれています! 絶対、持っていけないですね(^^)

賽銭箱が正面に居座っているので、階段と入口は横についている=^^= 手前がすこし下がっていますが、工事ミスなのか、その後の地盤沈下かはわかりません。

束石。山上から移築したときの工事ミスか、地盤の移動か、すこしズレてます。

石垣。ここも凝ってます。

提灯

祭壇

吊り灯籠 (つりとうろう) 

中から見た狐。なかなか普段は見られません。


お稲荷さんの総本宮 (総本社) は京都の「伏見稲荷大社」

動物たち

お稲荷さん (おいなりさん) といえばおじさんの好きな「きつね」ですね。左は巻物をくわえています。

お稲荷さん。右は玉をくわえています。

「牡丹に唐獅子」おじさんは、くわえているのは蛇だと思ってましたが、「牡丹 (ぼたん) 」でした。牡丹の夜露は唐獅子についた害虫を殺してくれると言われています。「屏風絵」などによく描かれている「竹に虎」というのは、「象」から逃げるためだそうです=^^= どんなものにも「苦手」「怖いもの」があるんですね。

撫牛 (なでうし)

牛。だいたい寝そべってます。かわいい顔をしています=^^=

さっちゃん
なぜ牛がいるのかしら?
ひげおじさん
なんで牛? 撫牛 (なでうし) (^^)
さっちゃん
ちぇっ! ダジャレかよ! (^^)
ひげおじさん
この神社がどれと決められないんだけど、いくつか考えられることがあるよ。

撫牛。牛頭天王。天満宮 (天神様) 。菅原道真

① 撫牛 (なでうし) 。牛を撫でると病気が治るという信仰。
② 木山宮 (木山神社と木山寺) はもともと「牛頭天王 (ごずてんのう) 」を祀 (まつ) っていて牛と深い関わりがあるから。
牛頭天王は神社では「スサノオ」に、お寺では「薬師如来 (やくしにょらい) 」と同一視される。
牛頭天王はもともと「祇園精舎 (ぎおんしょうじゃ) 」の守護神であるので「祇園神」とも呼ばれる。
疫病の神として畏 (おそ) れられる。
ちなみに「祇園社」は現在、「八坂神社」に名を変えている。
③ 境内には「天満宮 (天神様) 」があり、天神様といえば「菅原道真 (すがわらのみちざね) 」であり牛との関わりが深く、牛は聖獣とされ、天の祟り  (たたり) を祓う (はらう) と信じられているから。道真が丑年生まれで亡くなったのも丑の日。政敵に襲われた時に牛に助けられたなどの逸話がある。

(以上、ウィキペディアより抜粋、加筆)

クマ
牛頭天王の頭には牛の顔が乗ってるよ!

こんな感じ=^^=

神社では「スサノオ」、お寺では「薬師如来」と見なされます。

牛頭天王と祇園社についてはこちら

さっちゃん
かわいい!
ところで、菅原道真って人間でしょ?
ひげおじさん
そうだよ(^^)
菅原道真が亡くなったあと、病気や、落雷、火事が続いたんで、道真の祟りだと思って祀られるようになったんだね。それで道真は「雷神」とも結びつけられる。
道真を祀ったのが「天満宮 (天神様) 」で、今では「学問の神様」としてお参りする人が多いね。
よく知られているのが東京の湯島天神だね。

菅原道真と牛についてはこちらのページでも書いてあります↓

箸立天神 (はしだててんじん) ~菅原道真と牛

大山寺 (角磐山) ~鳥取県大山

「天満宮 (てんまんぐう) 」 (天神様。てんじんさま)

天満宮。ここもみごとな亀甲積みの基壇です! 

太鼓殿 (たいこでん)

太鼓殿

太鼓。お昼の12時に12回叩きます。なので「叩いていいですか? 」ときいたら「ダメです」と言われました(^^) 年季が入ってます。三浦勝山藩のお城にあった太鼓です。下に住んでる人たちは、むかしはこの太鼓を聞いてお昼ご飯にしたそうです=^^=

お昼に行って叩かせてもらいました✌ 2018年10月4日

明治20年5月17日

大庭郡。久世村。発起人の名前が書いてあります。ちなみに「真島郡」と「大庭郡」をあわせて「真庭市」の名前になりました。

太鼓殿。入口

太鼓殿。入口2。ガルウィングみたいですね=^^=

太鼓殿から外

太鼓殿から神楽殿

太鼓殿から神楽殿2

太鼓殿から随神門

太鼓殿から石段

太鼓殿から鳥居

神楽殿 (かぐらでん)

神楽殿。外観

提灯

なぜ牛の角が? 

絵2。よく見ると左下にやはり牛の角があります。

番外 (一の鳥居)

一の鳥居 (いちのとりい) が最後になったのは、神社からかなり離れた場所にあるからです。

一の鳥居。遠景

「木山神社」と書かれていますね。上についてるのは電球のソケットです。

なんと民家の軒先に突き刺さっています! 

灯籠 (とうろう) 。「木山宮 (きやまぐう) 」と彫られています。

漑盥。垂水邑氏子 (たるみむらうじこ) 。「漑」は「灌漑」の後ろの文字。「ガイ」と読み、「そそぐ」という意味です。「盥」は「カン」と読み、「たらい、そそぐ」の意味です。

木山宮 (きやまぐう)

木山宮。鳥居。木山神社から木山寺に登る広域農道の途中にあります。

鳥居。灯籠

額縁。「木山宮」と書かれています。

狛犬。灯籠の下に彫られています。もとは色がついていたようです。

「獻燈 (献灯。けんとう) 」と彫られています。

所在地

岡山県真庭市木山1265-1

google mapで地図を見る↓

木山神社~里の宮

近くの見どころ。遊びどころ

木山寺 (岡山県真庭市木山1212)。木山神社のすぐ上の山にあります。
門前カフェ さかや (岡山県真庭市木山1138) 。木山寺の手前にあります。古民家をリフォームしました。

木山寺~岡山県真庭市

リンク

箸立天神 (はしだててんじん) ~菅原道真と牛

・天満宮。天神さまを祀っています。

木山神社~奥の宮 (岡山県真庭市)

・木山寺のさらに山の上にあります。

木山神社公式サイト

・木山神社の公式サイト

旧 遷喬 (せんきょう) 尋常小学校

旧 遷喬尋常小学校 (公式サイト)

・こんなおしゃれな小学校です。無料で中の見学もできます。

遷喬尋常小学校

さっちゃん
神社、お寺、小学校。行ってみてね!

2017-09-25

神社。寺。建築~一覧はこちら

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