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お湯を沸かす ~ なんか変?

「お湯」「沸かす」「boil」

お湯を沸かす

ひげおじさん
おかしくない。じゃあそういうことで
さっちゃん
おいおい!

沸かす≠boil

外国語というと英語しか知らず、英語にかぶれた人はいいます。

「boil」とは、水を加熱して熱い水、つまりお湯に変えることであると。

いえいえ日本語の「沸かす」はけっして英語の「boil」ではないので勘違いしないでください!

そもそも英語には「お湯」という言葉すらないではありませんか!

「hot water 熱い水」です。

外国語は1対1で変換できない

これは日本語と英語だけの話ではなくすべての言語についていえます。

英語の辞書を見ると、たくさんの日本語が載っていて、最初に勘違いするのが

「英語って1つの単語でいろんな意味があるんだなあ」です。

そうではありません。

1つの単語が持つ守備範囲がおたがいにちがうので、すこしずつ重なってる部分を集めると、そうなってしまうだけです。

ためしに反対の和英辞典を見ればわかります。
1つの日本語に対してたくさんの英語が載っています。

「日本語って1つの単語でいろんな意味があるんだなあ」と思うことでしょう。

守備範囲が1塁と2塁の中間あたりだから両方書いてあるけど、けっして両方を網羅しているわけではなく、真ん中へんだからしかたなく両方書いてあるだけです。
ライトまではいってるとかなり広範囲になってしまいますね。

もっというとおなじ国の人でも守備範囲がすこしずつちがうのです。

たとえば蛇やトカゲは虫のうちにはいるかどうかとか。

「沸かす」は「お湯を作る」という意味

日本語の辞書には書いてありません。
やはり、「水を加熱してお湯にする」と書いてあります。
ただ、この辞書をつくっている人も英語にかぶれているのかと思います。

「お湯を沸かす」とは「水を加熱してお湯を作り出す/お湯の状態にする」という意味です。

でも、わかるようにうしろの説明文は長ったらしくてめんどくさいですね。
いかにも英語的な考えかたです。

日本語の「お湯を沸かす」は、いい意味でことばの「節約」ともいえます。

「鍋を食べる」もおなじで、「ほんとは鍋の中にある野菜や肉を食べるんだよね」というと長ったらしくてめんどくさいです=^^=

鍋を食べる ~ メトニミー (換喩)

「お湯を沸かして」は「 (水を加熱して) お湯を作って」ということです。
でも、お湯を作るには水を加熱するということはわかりきっているのでいちいち言わないのです。

「お風呂を沸かす」もおなじ

「あのね。五右衛門風呂ならまず風呂釜に水をためてから、外で薪を焚いて、風呂釜の中にためられた水を加熱してお湯にして」って長ったらしい!

「あのね。今のお風呂ならガスの元栓ひねって点火してお湯を浴槽にためるか、さいしょに水をためてから、ガスで加熱してお湯にして」ってめんどくさっ!

英語は共通語であって、標準語ではない

あくまで大航海時代があって、ありていに言えばイギリス人が船に乗ってあちこち侵略して植民地化したから英語が広がっただけのこと。

みなが望んで英語を使いはじめたのではなく、母語を奪われ、むりやり英語を使うようにされてしまったんです。

おじさんはいろんな記事で書いてますが、英語はヨーロッパのなかでもかなり「変な」ことばです。
とくに発音がおかしいです。
典型的な例は「a」を「エイ」と読むときと「ア」と読むときがある。

ほかの国は基本的に1つの文字に対して、発音は1つです。
英語に準ずるものとしてフランス語も負けず劣らず変ですが、そもそもフランス語が英語にはいったのでこちらが本家ということになりましょうか。

英語は世界標準ではない

しつこいようですが、悲しいかなわれわれ日本人はアメリカに敗戦し外国語といえば英語しか勉強しないので、これが世界標準だと思いこんで、いや思いこまされてしまうのですが、けっして標準ではありません。

くりかえしますが、英語は世界標準ではなく、それどころか世界の中でもかなり「変な」ことばです。

ただ、文法は簡素化されほかのヨーロッパのことばに比べればカンタンな部類にはいります。
もともとゲルマン系の言葉だったのに、フランスに占領されたことでフランス語がはいってきてグチャグチャになってしまったので、植民地でありがちな文法や単語の簡素化が行われたのではないでしょうか。

一種の混合言語、クレオール言語の一歩手前といってもいいくらいです。

ロマンス語 (英語とラテン語の関係)その1~ノルマン・コンクエスト

平たくいうと、もともと自分たちがつかってた言葉じゃないから、よくわかんないから、カンタンにしたんです。
というかちゃんと習得できなかったといったほうがいいか。

ラテン系のことばやおなじゲルマン系のドイツ語でも動詞は1、2、3人称×単数、複数で6通りに変化するのに、英語は3人称単数にsがつくだけなので、こんなカンタンな言葉はありません。
ほかの国にある名詞や形容詞の男性、女性もなくなっています。

古期英語にはhastなど現代ドイツ語とまったくおなじ形と意味の単語もありますが、現在はなくなっています。

さっちゃん
この記事って日本語?英語?
ひげおじさん
日本語のつもりで書きはじめたが、英語の記事みたいになってしもうたな!
クマ
まさに「臍で茶を沸かす」だね!
ひげおじさん
ちょっと使いかたちがうかな💦

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さっちゃん
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ひげおじさん
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