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「震え」「書痙」
手や声の震え
いわゆる書痙ですね。
脳などの障害もありますが「人前で」にかぎる場合は多分に精神的な影響が大きいです。
味噌汁をこぼすとメチャクチャ怒られた
誰でも手がぶつかったり、滑ったりして、味噌汁をこぼすことはあります。
うちはスープだとか言わないように
そんなとき親はメチャクチャ怒ります。
そりゃもう人殺しでもしたかのように。
このフレーズよくつかいますが、ほんとに夜叉のような顔になって喚き散らします。
夜叉の顔見たことないけど
念写ができるならみなさんに見せてあげたい。
ぜったい夜、寝られなくなります。
ギター発表会
おじさんは10歳、小学校4年から、クラシックギターを「習わされ」ました。
フォークギターは誰でも弾くからあなたはクラシックにしなさいと。
教養のある子として親類縁者、隣近所に自慢できるようにです。
正直ぜんぜん楽しくなかったです。
無理やり習わせたくせに、高校になってフラメンコを弾くようになると、大学受験があるから辞めろと、一方的にやめさせられました。
おじさんは友だちも恋人も温かい家族もなく、将来の夢や希望もなかったのでギターだけが唯一の心の支えでした。
だから教室には通わなくなったけど弾いていました。
唯一の反抗ですね。
おじさんが弾いていると母親が洗濯物を持ってきて、「わざわざ」大声を出して邪魔しましたが、さすがに自分から無理やり「習わせた」ので「やめろ」とは言えなかったようです
ああ発表会の話ですね。
ギター教室では1年に1回発表会があります。
まあふつうです。
1年の成果を人に、とくに親に見せる機会です。
ふだん家で練習しているときはもちろん、先生やほかの生徒の前でも、発表会の直前に楽屋で練習しているときもバッチリです。
でも、ひとたびステージに出て、自分の親とほかの生徒の親や友人などがいるところで弾こうとすると異常なまでに手が震えてまったく弾けません。
ちょっと音がビリつくとか、ミスタッチするとか、雑音が出るとか、そんなレベルではありません。
まったく弾けません。
おまけに鼻歌歌いながらでも弾けるくらい暗譜したのに、記憶が飛んでしまって、元にもどって弾き直してもどうしても思い出せなくなります。
恥さらしのためだけに出ているようなもの。
もちろん家に帰ればいつもどおりバッチリ弾けます。
単なる上がり症ではない
生まれ持った性格や性質ではなく、親によって植えつけられたものです。
完璧主義。失敗はけっして許さない
もちろんこれもおじさんの「生まれ持った性格」ではなく、親がおじさんに対する掟です。
おじさんは100点取って当たりまえ。
90点だと「今回は勉強しなかったね」と怒られます。
90点ですよ。
自分で言うのも何だけど、ものすごくいい点数です。
それでも当時は90点は落第点だと思いこまされていました。
だから平たい言葉で言えばプレッシャーがとても強かったんです。
自分自身の要求水準ではなく、親の要求水準を満たすため。
ギターの発表会なら、人前で完璧に弾きこなして聴衆を感心させ、〇〇家のお坊ちゃまですよ、と親の下らない自尊心を満たさなければならなかった。
皮肉なことに、プレッシャーが大きければ大きいほどかえって力が発揮できない。
愚かな親はそんなことは知る由もありません。
〇〇家の顔に泥を塗りやがって、と思っているのです。
何のためにギター教室に通わせているのですか?
子どものため?
いえいえ、もちろん自分 (親) のためです。
みんなの前で完璧に弾きこなして〇〇家の親として称賛されたいがためです。
そんなら自分で練習して自分の演奏を披露しろよ!
いまのおじさんならそう言えますが、それこそ完璧に調教されたおじさんが親に対してそんなことを考えられるはずがありません。
発端はギターの発表会でしたが、後年になってお椀のような持ちにくいものを持つと手が震えるようになりました。
人前で字を書くときもそうです。
人前で字を書くときって、受付で住所や名前を書くときですね。
受付の人は他意はないけど、おじさんの手先を食い入るように見つめています
30歳くらいのときにはじめて症状が出ました。
はじめて出たときは自分でも訳がわかりませんでした。
まるで「恐怖で」震えてるような感じです。
人が見てなければ大丈夫
1人なら問題ない。
また親しい人ならいっしょに食事をしても大丈夫。
そして面白いのが、まったく知らない人なら大丈夫なんです。
外で食事をすることがあるけど、まわりが誰も知らない人の中ならわりと平気です。
これも重度になってくると、知らない人でも起きることがあるけど。
ドーナツの部分
いちばん起きやすいのが、親しい人じゃないけど、関係者であることです。
たとえば大きな会社の社員食堂など。
直接、おなじ部署で仕事している人じゃないけど顔は見たことがある。
この中途半端な距離の人のときに起きやすいです。
自分にものすごく近い人か、ものすごく離れた人は大丈夫。
その中間の、よく知らないけど、まったく知らない人でもない領域が問題です。
ちょうどのようなもので、その内側と外側は大丈夫。
ドーナツの身の部分がやばいんです。
これは脳の問題や体質ではなく、精神的なものと言わざるをえません。
アドレナリンの過剰放出?
これはもう一生治ることがなく、今でも起きます。
アル中?
いえいえ、1人なら震えません。
「人前で」「細かい作業をするとき」だけです。
そのときは手が震えるだけでなく、しゃべれば声も震える。
首の筋肉も震えて頭が細かく揺れます。
心臓はドキドキ言って、体が熱くなるのを感じます。
体全体が痺れたような感覚があります。
武者震い
これはいい意味でつかわれますが、死ぬ可能性があるようなときは生きものは自分を守るためにアドレナリンを放出します。
瞳孔は開いて敵をよく見えるようにし、心臓は動悸を速めて血液、つまり酸素とエネルギー源をできるだけ体中に速く、たくさん供給するようにします。
血管は収縮して血圧を上げる。
血管が細いほうが、おなじ血液の量でも速く流れますからね。
痛みを感じる神経を麻痺させて、戦闘で怪我しても感じないようにする。
その代わり、細かい作業はできなくなります。
何もしなくても震える。
筋肉も戦闘態勢で必要以上に動いている。
この戦闘態勢によるアドレナリン放出が、ギターの発表会や、味噌汁のはいったお椀を持つときや、人前で字を書くときに起きてしまうんです。
対処法
完全に治す方法はありません。
自分の体のホルモンの放出をコントロールすることは不可能です。
それは自分の意志で心臓を動かしたり、止めたりすることができないように。
気の持ちよう?
そんなカンタンなもんじゃありません
気にしなければいい?
なったことがない人にはわからない言葉ですね。
できるだけそういう状況にならないようにする
まず、人前でそういう細かい作業をしないようにします。
取手がついたものをつかう
おじさんの場合、「液体のはいった持ちにくい入れもの」が曲者なので、コップなら取手のついたものを使うようにします。
お椀や上が広がった湯呑などが持ちにくいので、完全に握りしめられるまっすぐのコップなら大丈夫です。
両手で持つ
お椀が出てきたら両手で持ちます。
どうしても震えそうなら飲むのを諦めます。
残念だけど、もし震えて自分が苦しむなら、味噌汁を飲まなくてもべつに死ぬわけじゃないし
弁当を買って外で食べる
食堂やレストランにはいって他人の視線があると震えるなら、もうコンビニで弁当を買って外で1人で食べましょう。
公園のベンチなどで食べると、500円のコンビニ弁当でもけっこうおいしかったりします。
年々、弁当が高くなり、容器は薄くなっていきますが
思いっきり力を入れてから緩める
緊張しているときに「リラックスしよう」とするのはむしろ逆効果です。
筋肉の緊張や震えを抑える1つの方法は、思いっきり全身に力を入れてから緩めることです。
これを何度か繰りかえします。
おじさんは和太鼓をやっていたことがあるけど、これはバチを握りしめて力のかぎり太鼓を叩くので人前でも震えることはありません。
というか震えられないといおうか。
細かいツケの動きになるとやはり影響が出ます。
荒療治
おじさんはギターを弾くのであえて人前で弾くようにしました。
そもそも震えを克服するためではなく、ギターの仲間を探すためですが。
震えないようにするのではなく、震えてもやりつづける
これはかなり辛いです。
でも震えを自分の意志で抑えることはできません。
震えないようにするのではなく、震えてもやりつづける。
これが大事です。
人に評価してもらうのではなく自分が楽しむようにする
冷たい親の目。
これがあなたを震わせています。
失敗したら許さん!という冷たい親の目です。
失敗したら爆弾が爆発して死んでしまうというような緊張感です
だったらお前が自分で弾け!
世の中の他人の目も親とおなじ冷たい目だと思いこんでいます。
いや思いこまされています。
他人はあなたに興味なんかない
じつはあなたが思っているほど他人はあなたに興味がありません。
あなたが人前でギターを弾いてもほとんどの人はあなたに興味がありません。
下手であれば下手であるほどあなたに興味を持ちません。
誰もあなたのことなんか見ていません。
外で人前で弾いていても、1人で家で弾いていると思うようにします。
緊張できる時間は限られている
緊張してアドレナリンを放出しても、人が緊張できる時間は限られています。
一生、緊張しつづけることはできません。
アドレナリンの備蓄も限られています。
たとえばギターの演奏だったら発表会で1曲しか弾かないから、緊張してアドレナリン最大放出状態で終わってしまうんです。
これが2曲、3曲となると、アドレナリンも枯れてしまいます。
心臓もこれ以上忙しく動くのや~めた、となります。
そうなるまで続けるんです。
経験上、激しく震えていられるのは5分くらいです。
ちょうど1曲弾くくらいの長さですね。
途中でとちっても、引っかかっても、とにかくやめないで先に進みます。
途中で演奏をやめて最初からやり直すのはご法度です。
とにかく先に進みます。
芸能人でも震える人はいる
テレビに出る人は致命的と思うかもしれないけど芸能人でも手が震える人はいます。
でも彼らは、震えを止めるのではなく、震えていてもそのまま仕事を続けます。
それを見たら自分も震えてもべつに「おかしくはない」と思えます。
あなたの震えが「親の非道い叱責」から起きているとしても、それはあなたのせいでもないし、病気でもありません。
震えてもおかしくはない。
震えても生きて行くのには問題ない。
震えないようにするのではなく、震えてもいいと思う。
そんな自分を責めない。
そんな自分を認めないのは、腐ったクズ親だけです。
アルコール
これも程々ですが、もしお酒を飲めば落ち着くならそれもありです。
抗不安薬なぞ飲むくらいなら酒のほうがいいです。
酒を飲んでまでしなければならないことなんてそんなに多くありません。
やらなくてもいいことなら、人前でやらないようにします。
失敗しないように弾くのではなく、失敗しても弾きつづける。
震えないようにするのではなく、震えても弾きつづける。
その成果がこれです。
ギター・インストゥルメンタル
ギター・弾き語り

