空焼きクリーニング ~ フライパンの焦げつきをきれいにする

4baking 空焼き2分

「こびりつき」「焦げつき」「フライパン」

どうしても油や食べものの一部が炭となってフライパンにこびりついてきます。
焦げつきはまた焦げつきを呼ぶのと、熱伝導が悪くなるので無駄にガスを食います。
何年かに1度は掃除してあげましょう。

鍛造・圧延にかぎる

鍛造は叩いて成形。
圧延は潰して延ばして成形。
これらは空焼きしてOKです。
鍛造の代表は刀ですね。

鋳造 (鋳鉄・鋳物) は溶かして型に流し込んで成形。
気泡や炭素などの不純物が多いので脆い。
過度の温度変化や衝撃に弱いので空焼きはあまりやらないほうがいいです。
また調理後に水をかけてジュッというのもご法度です。

1before こびりついたフライパン

before こびりついたフライパン

サンドペーパーでこする

2sand paper サンドペーパー

思いっきり荒いサンドペーパーで気の済むまで、銀色になるまで焦げつきを削り取ります。
ここでは60番をつかっています。
大丈夫。
あなたが擦ったぐらいで穴は空きゃあしません。

内側だけでなく外側も磨きます。
調理には関係ないけど外側に炭がこびりついているとそれが断熱材となってなかなかフライパンが温まりません。
スペースシャトルの耐熱タイルみたいなもんです。
ガスもよけいにつかうし、調理に時間もかかります。

3after sanding サンドペーパーで磨いたあと

ここまでするのに40分かかりました。
手や指はもちろん、背中も痛くなったので今日はこのへんで許してやることにしました。

クレンザーで磨く

このままではサンドペーパーの粉や炭や錆などが残っているのでクレンザーとナイロンたわしのザラザラしたやつで磨きます。
茶色の水が出ます。

空焼きクリーニング

ガスコンロに最強でかけます。
空焼きなので油は入れません。

空焼き中はぜったいコンロから離れないこと。

はじめは茶色っぽくなります。

4baking 空焼き2分

2分ぐらいで底が青黒く変色しはじめました。

5baking 空焼き5分

5分ぐらいすると白っぽくなってきて見た目熱そうに見えません。
これ以上は変化がないので火を止めます。

煙が出ないのでわからないけど、もんのすご~く熱くなってるからくれぐれも火傷しないように。

カス取り

炙るとまた炭が剥がれたりするので、充分冷めてからクレンザーとナイロンたわしで軽くこすり取ります。
スチールウールなどをつかうとせっかくできた酸化皮膜を傷つけてしまいます。

もし銀色の下地が出てしまったらまた炙ります。

油を塗る (油慣らし)

洗ってそのままにしておくとすぐ錆びてしまいます。
水をよく切ってからすぐ火にかけて乾かします。

水分が飛ぶのを見計らって火を止めます。

サラダ油をきれいな布や紙などで塗ります。

表面には酸化皮膜ができて細かい凸凹があります。
そこに油が馴染むのです。

6oil 油を塗る

見よ!
この黒光りするフライパンを。

7oil油を塗った 8oil油を塗った2

今までベーコンエッグを焼くのに1分半かかっていたのが、1分で焼けるようになりました🥓🐣🎉
熱伝導がよくなったんですね。

調理するとき

充分に加熱

フライパンを火にかけたら煙が出るまで炙ります。
煙の正体は油とフライパンにこびりついて炭になった食べもののカスです。

空焼きしたらわかると思いますが、何もついていないと煙は出ません。
べつに鉄が溶けて煙になっているわけではありません。

低温で調理するとこびりつきます。

油返し

火を止めて油をちょっと多めに入れてフライパン全体に広げたら、よぶんな油は油缶にもどします。
何度も加熱した油をもどすのはあまりよくないので、ちょっと多めで、けっして多すぎないように。

こびりつかない!焦げつかない!

そしてまた加熱してから食材を入れるとこびりつきません。
焦げつきません。

ベーコンエッグを作っても新品のテフロン加工のフライパンのようにきれいに取れます。

炒め物をするときは充分に加熱

野菜炒めなどするときは煙が出るまで加熱したら油を入れる前にキャベツや玉ねぎなどを放りこんでから、その上に油を注ぎます。

手入れ

何度でも焼き直しできる

テフロン加工は剥がれてしまえばおしまいですが、鉄鍋なら空焼きすることで何度でも「酸化皮膜」を作り直すことができます。

テフロン加工の鍋は、空焼きしたり、加熱後に急に水をかけて冷却すると簡単に皮膜が剥がれてしまいます。
炒め物など、高温で調理するのには向いていません。

そもそもテフロンて他のものとくっつきにくいということは、フライパン本体の鉄にもくっつきにくいということなんです(^^)

鉄鍋の手入れ

砂糖やしょうゆのこびりつきは、しばらく水に漬けとけばほとんど取れます。

お湯とタワシだけで

給湯器などの熱めのお湯をかけながらタワシでゴシゴシとこすります。
熱湯でなくても手が荒れるのでゴム手袋をして、柄付きのタワシをつかうといいです。
おじさんは運動靴洗い用のタワシをつかっています。
もちろん靴を洗ったあとじゃないですよ。

洗剤はつかいません。
スチールウールやクレンザーなどはつかってはいけません。
せっかくできた被膜が剥がれてしまいます。
これはコーティングしてるフライパンでもおなじですね。

こびりついてどうしても取れないところはスチールウールなどで取って、つぎに使うときは長めに加熱して銀色の部分が青白くなったらOKです。

お湯をつかうことでわりとすぐ乾きます。
伏せて水が切れるようにしておきましょう。
被膜ができていれば水を弾きやすいし、錆びにくいです。
それでも水や調理した野菜炒めなどを入れっぱなしにしておくと錆びるので、かならずすぐ洗って乾かしましょう。

衛生上どうなの?

洗剤をつかわないときれいにならないと思ってるかもしれませんが、洗剤はあくまで「油と水を混ぜるもの」にすぎません。
「乳化 (にゅうか) 」といいます。

牛乳が油と水の混合物なのに分離しないで混ざっている状態をいいます。
だからほんらい水と油は分離して、水で油汚れは落ちないんだけど、乳化することで水と油が混ざって油が落ちるんです。

洗剤は油を落としてるにすぎません。

煙が出るまで加熱するのはこびりつきにくくするのと、殺菌の効果もあります。

ライデンフロスト効果

充分に加熱するとフライパンは水を弾きます。
これで焦げつきを防ぎます。

温度が低いときに物を入れるとフライパンにベタッと張りついて焦げつきの原因になります。
野菜から水がじゅくじゅく出てきて炒め物ではなく煮物になってしまいますね。

炒飯をつくるときも煙が出るまで加熱してから材料を入れると焦げつかずベタつかずパラパラっとした炒飯ができます。

ライデンフロスト効果~フライパンで水がおどる! こびりつかない!

皮膜と被膜

皮膜なのか被膜なのか?
どっちでもいいです。
おそらく皮膜 (皮の膜) が先ではないかと思うけど、 被膜(被せる膜) でも意味はわかります。
両方の文字が混在するかもしれないけど気にしないでください。

不動態皮膜 (ふどうたいひまく)

どちらも酸化皮膜ですが、人工的に強い力でつけたものをとくに不動態皮膜と呼んでいます。
不動態化することをpassivate, passivationといいます。
発音はパスィヴェイト゜、パスィヴェイションです。

おもにつぎの3つの方法があります。

  • 濃硝酸などの化学薬品で表面を酸化する。
  • 陽極酸化。鉄などの金属を電解液に浸して陽極として通電して表面を酸化する。
  • 合金。クロムを混ぜたステンレスはおなじみ。クロムがCr₂O₃として酸化皮膜をつくる。

酸化皮膜 (さんかひまく)

フライパンに何も入れずに空焼きすると空気中の酸素と反応して酸化皮膜ができます。
人工的な不動態皮膜ほど強くはないけど、錆びにくくなります。
いやじっさいには錆びているんだけど善玉の錆ですね。

一般的には不動態皮膜と酸化皮膜の境目はあいまいでおなじ意味でつかわれていることが多いです。
そのへんは大した問題ではありません。

英語で mill scale

mill 粉
scale 鱗 (で覆う)

黒錆 (くろさび)

ふつうの赤錆とちがって青黒い、光の具合によっては青白い色です。
黒皮 (くろかわ) ともいいます。

これは赤錆とちがって内部に錆、つまり酸化が進まないので強力なバリアとなります。

鉄の酸化数と酸化物

鉄の元素記号はFe。
ラテン語 ferrum (鉄) から。

鉄は電子を放出してイオンになります。
なぜか2種類あります。

Fe2+ 2価 (II)

酸化物 (いわゆる錆)
FeO 酸化第鉄。wüstite ウスタイト (辞書には載っていません)
これが曲者。
2価なのに第鉄といいます。
酸化鉄(II)「さんかてつ に」という言いかたもあり、このほうがわかりやすいですね。

これは不安定なので酸化してすぐFe3O4 (四酸化三鉄) に変わります。

Fe3+ 3価 (III)

酸化物 (いわゆる赤錆)
Fe2O3 酸化第鉄 (なんでやねん)。hematite ヘマタイト 赤鉄鉱。hemo-はhemoglobin (ヘモグロビン) のようにギリシャ語で「血」を表します。
酸化鉄(III)「さんかてつ さん」と言います。

みなさんご存知のように脆くてボロボロ崩れていきます。

赤いので弁柄 (ベンガラ) という顔料にもなります。
要するに赤錆なんだけど。
ベンガラは江戸時代にインドのベンガル地方から輸入したため。
現在、ベンガル地方はインドとバングラデシュに分断されています。

Fe3O4

これはFeO (2価) とFe2O3 (3価) の混合物です。
和名は四酸化三鉄。
4つの酸素に鉄が3つということですね。

一般的に鉄として存在するのがこれ。
強力な磁力を帯びるのでmagnetite (マグネタイト 磁鉄鉱) ともいいます。

イオン化傾向

たしか中学 (高校?) の理科でやりましたね。

理屈はわからなくてもいいです。
金属はそれぞれ電子を好む度合い (イオン化傾向) がちがいます。

鉄がケンカする!?

だから、ちがう種類の金属をくっつけておくと電位差が生じて電気が流れます。

電蝕

この電位差とイオン化によって金属が腐食したり、錆びたりします。
洗い物をしたあと、鍋やフライパンがくっついてるところだけ錆びてることありませんか?
電蝕です。

電池はこの性質を利用して、電気を生み出します。

金属と金属はくっつかないようにしておきましょう。

中華鍋バージョン

1 空焼き始め

1 空焼き始め

2 空焼き2分

2 空焼き2分

3 空焼き5分

3 空焼き5分

4 空焼き10分

4 空焼き10分

5 空焼き25分

5 空焼き25分

この中華鍋は40年つかっています🍳
中華鍋のほうが熱容量が大きいので時間がかかりました。
縁のほうはなかなか熱が伝わらないので傾けて炙りました。

さっちゃん
これでテフロン鍋は要らないわね
ひげおじさん
じゃあ

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