体と心は与えられた車 ~ 自分では選べないし、乗り換えることもできない!

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「体」「心」「車」「自分のものではない」

体も心も自分のものではない

今生にあてがわれた車のようなもの。
自分で選ぶことはできません。
買い換えることもできません。

自分が気に入ろうと、気に入るまいと与えられた車に死ぬまで乗りつづけなければなりません。

車を降りるときは死ぬときです。

調子が悪いとき軽微な修理はできても、大幅な部品交換やチューンナップなどできません。

場合によっては一部の部品交換 (臓器移植手術、義手義足など) はできるけど、それは部品が手にはいればの話で、臓器や骨格の大きな損傷はそのまま死にいたるのがふつうです。

エンジンやボディ、フレームといった心臓部、骨格は交換することができません。
それらが潰えたときが、人の死です。

もしかりにそれらが交換できたとしても、そのときはもうそれは「あなたではない」です。

心も

体はともかく、心や、思考は自分のものだと思うでしょう。
でも、これも自分のものではありません。

自動実行プログラムと、揺らぎによって生まれた偶然によって動かされているだけです。

もっとわかりやすくいうと、あなたは川を流れる落ち葉みたいなものです。

自分の意志で動いていると思ってるけど、流されるままで、その流れの中ですこしだけ右や左に動いてるだけで、けっきょく川下に流されさいごは海に出ることに変わりはありません。
岩の右側を回っても、左側を回っても、通りすぎればまたもとのおなじ流れの中。
別の川に乗り換えることはできません。

あなたは車を運転するドライバー

生まれたときからこの車に乗っていて、だいたいは自分の思いどおりに動くので勘違いしてしまいますが、あなたは車を運転しているのです。
ガンダムとかエヴァンゲリオンみたいなものだと思ってもいいです。

あなたは成長とともに操縦に慣れていくのでさらに自分と一心同体だと錯覚してしまいますが、別物です。

自分のものではないので自分の力や、努力や、根性ではどうにもならない

体はある程度なら鍛えれば筋力を増すことができます。
しかし、あくまである程度です。
心肺機能もある程度は上げることができます。
ある程度。

自分が660ccの軽自動車で生まれてきたら、いくら鍛えても、頑張っても、気合を入れても、3000ccのハイパワーのマシンにはかなわないのです。
それはあなたの努力や精神力とはまったく関係ありません。
持って生まれたあなたの車の性能なのです

羽のないあなたがどんなに努力しても、精神力を鍛えても、ポジティブな考えかたをしても空を飛べないのとおなじです。

あなたが軽トラに乗って生まれてきたのなら、20トンもある鋼材を積むことはできません。
鍛えても、頑張ってもそれはできません。
根性や気合いではどうにもなりません。
心がけや生活習慣でもどうにもなりません。

たまたま20トントラックに乗って生まれてきた人がえらそうにいうけど、それはあなたの努力でも能力でもなく、たまたま頑丈な車に乗せられただけのこと。

あなたがいくら丁寧に乗っても、つかわれてる材料の質が悪かったり作りが悪ければほかの車より早く傷み、あちこち壊れて早くポンコツになります。
不慮の事故にあい、製品寿命よりはるかに早く終りを迎えることもあります。

それはあなたのせいではないし、あなたの努力や生活態度には関係ありません。

もちろんエンジンオイルを交換しないとか、減ったのに補充しないとか、溝がなくなったタイヤで走りつづけて事故るとか、それはあなたの責任です。
でも、いくらこまめにエンジンオイルを交換してもドアをやさしく開け閉めしても、材質が悪かったり作りが悪ければ早く壊れます。
それはあなたにはどうしようもありません。

もちろん頑丈な車でもかならず終わりは来ます。

健康で長生きする人はたまたま「いい車」に当っただけのこと

本人の努力ではありません。
健康で長生きする人はあたかも自分の生活習慣や精神力がそうさせているかのように吹聴するけど、あなたはたまたま「いい車」に当っただけのこと。

あなたの努力も精神力も心がけも関係ありません。

というよりじっさいには、長生きの人を見ると、

朝からステーキ。
あるいは丼飯だけで肉も野菜もなんのおかずもなく、漬物がちょっとついてるくらい。
食べたら食休みもせずすぐ動く。
タバコは吸う。
酒は飲む。
夜更しする。

およそ健康に気を使ってはいません。

それは一重に「車の性能、つくり」がよかっただけのこと。
あなたは雑に扱っても壊れない車に乗せてもらっただけのこと。

「タバコが健康の秘訣」なんていう人もいるけど、
そうではなくて、あなたの体が頑丈だからタバコを吸っても長持ちしてるだけです。

努力さえすれば何でもできるという考えはあなたを苦しめる

もし何でもできるなら、実現できないあなたは「努力不足」というレッテルをみずから貼ることになります。
人に言われなくても、自分で自分を責めるでしょう。

どんなスポーツでも世界チャンピオンは1人しかいません。
その人は世界一努力したのでしょうか?

いいえ。

もっと努力した人は数え切れないほどいるはずです。

彼はもともと高性能の車を与えられ、活躍の場にめぐりあうチャンスにも恵まれただけのことです。

この人たちはそのことを知らず、すべて自分の努力が成し遂げたものだと吹聴します。
本人もそう思いこんでいます。
傲慢と勘違い以外の何物でもありません。

もちろん人並み以上には努力したでしょう。
でも、世界一努力したわけではありません。

魚は空で暮らせないし、鳥は水中で暮らせない

それは努力ではどうにもなりません。

魚と鳥はちがう動物だから比較するのはおかしいと思うかもしれません。
人間同士ならおなじじゃないか、と思うかもしれません。

これもまたあなたがはまる落とし穴です。

「同じ人間」なんか1人もいない

それはあくまで遺伝子的に染色体の数が同じで、二足歩行をし、頭部に目が2つ、まん中に鼻があって、その下に口があるというくくりにしかすぎません。

あの人ができてもあなたができないことなどいくらでもあります。
また、あなたができてほかの人ができないこともあります。

「同じ人間」と思わず、それぞれべつの動物、存在だと思えば他人と比べて苦しむことも少なくなるのではないでしょうか。

あなたはあなたが与えられた車を可愛がり、大事に乗りつぶしましょう

あなたの車が持っていない馬力や加速力を求めてはいけません。
ほかの車より速いか、遅いかなんていう比較はおろかなことです。

かりにあなたがだれかを抜いても、あなたより速い人はかならずいます。

あなたが世界最速である確率はかぎりなく0に近いです。

また、あなたがその幸運のクジを引き当てたとしても、それは永遠にはつづきません。
いや、永遠どころか1年もてばいいほう。
つぎの瞬間にはあなたを超える人が出てきます。

そんなことに一喜一憂するのはおろかなことです。

たまたま与えられ乗ってる車がこれだと思えば、イライラしたり、嘆いたりすることもなくなるんではないでしょうか。

あなたができることは、この車の性能を最大限に引き出し、よくコントロールすることです。
あくまで車の性能の範囲内で。

さっちゃん
わたし、赤いスポーツカーがいいな🚗
ひげおじさん
ぜんぜん、わかってない💦

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