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「ジンジャービア」「作りかた」
ジンジャービアの作りかたなぞ巷にあふれているのでわざわざ書く必要ないんだけど、あまりにレシピ (分量) がマチマチでどれがいいのかわからないのでおじさん流を書いておきます。
基本
材料と役者
アルコールをつくる人:酵母 (イースト)
酵母の餌:砂糖
基本的にこの2つさえあれば酒がつくれます。
これは果汁にふくまれる糖をそのまま利用するワインや、デンプンを分解して糖にしてから、発酵するビールや日本酒もおなじです。
酵母には種類があるけど、基本的に糖を餌にしてアルコールをつくるやつをひっくるめて酵母と呼んでいます。
パンを膨らます酵母もおなじです。
デンプンて甘くないけど糖がたくさん結合したものなので、米をずっと噛んでいると唾液の中のアミラーゼという酵素で分解されて甘みを感じるようになります。
だから人間が噛んで、それをペッと吐いたものをつかうという方法もありやなきや
汚いと思うかもしれないけど、蜂蜜なんか蜂が口に入れて唾液と混ぜて分解したものをペッと出したものですからね
純粋な花の蜜と思ったら大間違い。
だから艹 (草冠) じゃなくて、下に「虫」
がいるでしょ。
化学変化
糖→ (
酵母が食べて分解) →アルコールと炭酸ガス (二酸化炭素)
化学変化というと聞こえがいいけど、要するに酵母が糖を食べてプップップッと…
食欲なくすか
パンがふくらむのは炭酸ガスのおかげだし、ビールやジンジャービアがシュワ~っとなるのも炭酸ガスなので、地球温暖化が気になる人はこれらのものを極力、口にしないように。
炭酸飲料もダメですよ。
あっ、あなたも生きてるかぎり、酸素を吸って炭酸ガスに変えて吐き出しているので、息を吸ってもいいけど吐かないように
ジンジャービアの作りかたでしたね。
用意するもの
- 1.5ℓのペットボトル
- ドライイースト 3g
- 砂糖 1カップ (200cc)
- 生姜
- レモン
上に書いたように、イースト (酵母) と砂糖さえあればできます。
なぜジンジャービアか?
生姜を入れるからですね。
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ペットボトル
かならず炭酸飲料がはいっていたものをつかいます。
写真のように円筒形のものです。
炭酸飲料がこれにはいっている訳は、圧力が均等にかかって破裂しにくいからです。
お茶がはいってる四角くてペコペコしたやつはカンタンに破裂するのでやめましょう。
炭酸飲料は圧力がかかるのでふつうは大きくても1.5ℓです。
ドライイースト (dry yeast)
役者はこいつです。
日本語にすれば「乾燥酵母」です。
なぜ乾燥させるのか?
生だと代謝 (呼吸や排泄) をして寿命を迎えて死んでしまいます。
酵母は酸素があれば人間とおなじように酸素を吸って二酸化炭素を吐きます。
酸素がないところでは、糖を分解してアルコールと二酸化炭素にすることでエネルギーを得ています。
これを発酵と呼んでいます。
いずれにせよ、生きてるかぎり二酸化炭素を吐くんですね
腐敗臭
ドライイーストの封を開けると腐敗臭がします。
発酵というと聞こえがいいけど、要するに腐ってるんです
微生物が分解することを「腐る」といいます。
その中で人間が食べてもいいものを「発酵」と呼んでいます。
だからおじさんは発酵食品全般が苦手です。
酸っぱかったり、腐敗臭がするから。
チーズ、ヨーグルト、酢、納豆など。
じつは醤油、味噌もそうなんだけど、このへんはいけます。
酒も発酵食品といえば発酵食品なので、にごり酒は嫌いです。
ビールやワインも飲むけど、蒸留してアルコール純度が高いテキーラ、ジンといったスピリッツ類 (蒸留酒) が好きです。
乾燥、真空保管
乾燥させて、空気を抜いて、酵母が生命活動をしない状態で売られています。
だから常温でも腐らないんですね。
それにしても酵母はすごいやつ。
開封しなければ1年くらいもちます。
クマムシみたいに休眠するんでしょうか?
芽胞という形もありますが酵母は芽胞になるんでしょうか?
開封したら、湿気 (水分) と空気がはいってしまうので酵母が目覚めて呼吸をはじめてしまいます。
空気中のすくない水分と酸素と、餌がない状態で目覚めるので病気になってすぐ死んでしまいます
まあ食べても害はないかもしれないけど、こうなるとアルコールをつくる能力はとうぜんなくなってしまいます。
だから開封したらできるだけ早くつかうか、空気をできるだけ追い出して密封します。
冷蔵庫に入れて温度を下げて、できるだけ酵母が活動しないようにします。
それでも長持ちはしないのでさっさとつかってしまうのが一番です。
分量
ちまたには小匙1/4くらいから記述がありますが、おじさんが3gにしたのは、カメリアの1袋が3gだからです。
それだけです
取っといてもどうせダメになってしまうだろうから。
そうそう小匙1/4てわからないですよね。
小匙1は5ccなんだけど、ドライイーストは水じゃないので、1cc≠1gです。
ドライイーストの場合、小匙1が3gくらいらしいです。
だからおじさんはぜんぶ入れることにしました。
水と比較して比重はもっと小さい (軽い) 気がしますが。
問題は酵母が多すぎると発酵しすぎるか?ということです。
発酵しすぎるとアルコール度数が上がるのと、二酸化炭素がたくさん出るので破裂の危険があるかもしれないということです。
入れてみたけど、とくに破裂するほど圧力がかかることはありませんでした。
餌がなければ活動できないし増えない
これはすべての生物に言えることです。
おじさんが子どものころは人口爆発とかいって20世紀末には200億人を超えるとか言ってたけど、今でも78億人。
カンタンなことです。
餌とエネルギーがなければ人間もそんなに増えられないということです。
餌とエネルギーが無尽蔵であれば200億人どころかそれ以上になっていたかもしれません。
あとは場所の問題があるけど
アルコール度数は測るものがないのでわからないけど、1杯飲んだらフラフラになることはもちろんないし、ええ心持ちになるほどでもないので大したことはないでしょう。
フランス製
カメリアのイーストは「おフランス製」です。
おじ (い) さんの人生60年でフランス製のものはこれ以外見たことがありません。
フランスといえば、フランスパンだから?
砂糖
さあ餌のほうです。
これも分量がマチマチです。
要するにこれも餌が多ければそれだけできるアルコールと二酸化炭素も多くなるということです。
また、餌がたくさんあってもそれをアルコールに変えてくれる酵母がすくなければかならずしも多くならないので、餌と酵母の両方の量が関係してきます。
食べきれなかった分は「甘み」として残るので問題ないでしょう。
これも150ccとか計るのがめんどうなので1カップ入れてみましたが、ちょうどいい塩梅でした。
生姜 (ginger ジンジャー)
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これも生姜ひとかけとか、1/2とか書いてあるけど、生姜は薬味であり、シャキット感を出すもので発酵とは関係ないので、ひとえに飲む人の好みによります。
もっと切れ味鋭いのがいいと思えばたくさん入れればいいです。
おじさんはそのためにわざわざ生姜を買ってきて、すりおろすのがめんどうなのでチューブ入りのこれにしました。
こだわる人は生の生姜を買ってきてください。
生姜は冷蔵庫に入れといてもすぐカビが生えます。
もしかしたら冷蔵庫に入れないほうがいいのかも。
冷凍庫に入れれば長持ちするけど丸ごと入れると下ろすのに骨が折れます。
チューブ入りのこれはなんでカビもせず腐りもせず持つんでしょうね?
怖いですね。
食品一般に言えるけど、異様に消費期限が長いものは疑います。
2~3日で食べ切らなければならないものは一人暮らしには使い勝手が悪いけど、安全だと思います。
レモン
これもレモン汁はダメだと書いている人もいるけど、レモン汁で何も問題ありません。
生姜とおなじくさっぱり感、爽快感を出すためのもので発酵とは関係ありません。
酵母が死んだり弱ったりする?
ちゃんと発酵したので問題ありません。
量は好みで決めてください。
はじめてのときは少なめにしましょう。
レモン汁は飲むときに足すこともできるので。
もし心配なら発酵が終わってからレモン汁を入れれば何の問題もありません。
作りかた
上の材料をぜんぶペットボトルに入れるだけです。
あっ、水は入れてくださいね
酵母が活動しやすいように冷たい水よりはぬるま湯のほうがいいです。
熱湯を入れると死んでしまうかも。
それにペットボトルが変形するし。
夏の時期なら常温でいいでしょう。
こんなものをつくるのは夏だけだろうから。
水道水は消毒剤がはいってるから酵母が死ぬ?
わかりません。
心配な方は、湯冷ましをつかいましょう。
鍋に入れて1日フタをしないで置いとくか、沸かしたらフタを開けて1分煮沸します。
これをお茶の世界では熟湯 (じゅくとう) ともうします。
沸騰してすぐ火を止めたら塩素は充分に出ていきません。
かといってあまり長く沸騰させていると、こんどは水が蒸発して白いカルシウムが析出してくるのでなにごとも程々に。
金魚用のハイポは人間にはつかわないでね
ドライイーストはペットボトルの底に張りつきやすいので、先にすこし水を入れといたほうがいいです。
このへんもじっさいにやってみないとわからないんですけどね。
じょうごをペットボトルの先にさしこんで、そこに砂糖を1カップ乗せます。
倒さないように。
その上からレモン汁と水をすこしずつかけます。
砂糖がはいっていかなかったら、箸でつついて落とします。
半分くらい水を入れたらしっかりフタをしてバーテンダーのごとくシェイクします。
固形物が見えなくなるまでよく振り混ぜます。
それでも酵母くんは粒粒で残るかもしれないけど、心配しなくても水を吸って息を吹き返し、餌を食べはじめるので心配いりません。
ここまで書かなくてもいいか
発酵
酵母くんは生きものなので、人間とおなじくらいの温度が好きです。
暑すぎず、寒すぎず。
温かいほうが活発に動きます。
夏なら直射日光が当たらないところに常温で置いときます。
直射日光が当たると暑すぎると思います。
爆発するかも
万が一破裂したり、フタが吹っ飛んでもいい場所に置いときましょう。
台所の流しなんかだと台所中ジンジャービアまみれになるおそれがあります。
できれば外がいいですね。
集合住宅ではベランダに置いといてほかの家に被害が及ばないように。
気温が25℃を下らない熱帯夜だったら、夜に仕込んで朝まで放置しとけばパンパンになります。
ペットボトルがカッチカチになったらちょっとガス抜きしてから冷蔵庫に入れます。
冷蔵庫に入れると酵母くんは寒くて、動きが鈍くなります
人間といっしょです。
フタはいきなり全開にせず、プシュ~といったら音がしなくなるまで待ちます。
いきなり全開にするとシャンパンシャワーのごとく中身が吹き出して半分くらいなくなります
どうしても固形分が底に沈むので、おじさんは飲む前にペットボトルをひっくり返して軽くゆすってからフタを開けます。
濾し取り
生姜やレモンの皮など固形物を入れる人は濾すそうですが、口の中がゴソゴソするのが気にならない人はそのまま飲んでも問題ありません。
濾してる間に、炭酸ガスは逃げていくし温まるのでおじさんはそのまま飲んでました。
日本の生ビールは生ビールではない
日本の生ビールというのは「加熱処理していない」ということでほんとうの意味での「生」ではありません。
酵母を入れっぱなしだと発酵しすぎてしまうので、加熱して殺す代わりに、フィルターで濾します。
ビールの旨味もいっしょに濾し取られてしまいます
だからまずいんです。
銀河高原ビールなどは醸造してそのままなので、酵母もいっしょに飲みます。
だからうまいんです。
料理は実験だ!
レシピ
レシピというのは化学実験の材料とその量。
入れる順番とか、入れてかき混ぜて、火にかけて温度をいくつにして、何分とかいう手順をまとめたものです。
材料の配分をいろいろ変えて、反応時間 (たとえば常温で発酵させる時間) を変えてみたりして、その結果をまとめ、いちばんいいものを選びます。
だからこのブログを見てこのとおりに作らないでいろいろやってみてください。
そして、いちばんよくできたものをおじさんに教えてください
あとは好みでクローブなどの苦味を入れてもいいです。
諸注意
入れもの
発酵すると炭酸ガスでふくらむのでかならず炭酸飲料のペットボトルをつかうこと。
発酵させるときは、万が一破裂しても被害が最小限になる場所に置くこと。
できれば家の外。
1日1回は息抜きを、なんて書いてあるサイトもあるけど、1日1回飲めば大丈夫です
また繰りかえしつかうときは中を軽くゆすいで、テキトーなところで新しいペットボトルに替えましょう。
雑菌が繁殖します。
アルコール
アルコールができるので、車の運転をする前には飲まないようにしましょう。
たぶんそんなに強くはないと思うけど。
飲酒運転でつかまってもおじさんは責任を取れません。
アルコール濃度によっては「密造酒」製造になってしまうかもしれないけど、アルコールの濃度を測る機械がなければ測りようがありません。
まあ、ジンジャービアをつくって捕まった人や、ジンジャービアを飲んで暴れた人の話を聞いたことがないので大丈夫でしょう。
たぶん。
カンタンなメモ書きのつもりが長くなってしまった。
でもこれがおじさん流。
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