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- 1 スマホになぜクリップがくっつくの?
- 2 クリップを磁石にしてみよう!
- 3 やってみよう!
- 4 針をコンパスにしてみよう!
- 5 砂鉄をあつめてみよう!
- 6 解説
- 7 コンパスの針はなぜ北を向くの?
- 8 「磁化」と「帯磁」
- 9 そもそも鉄はなぜ磁石にくっつくの?
- 10 じゃあ磁石はなぜずっと磁石のままなの?
- 11 キュリー温度
- 12 強磁性体と常磁性体
- 13 樹海ではコンパスがつかえない?
- 14 リングワンダリング (環状彷徨)
- 15 「地磁気の逆転」地球の磁場はときどき南北がいれかわる!
- 16 地磁気は宇宙線から生命を守っている。「磁気鏡」「オーロラ」
- 17 大陸移動説をうらづけるもの
- 18 磁石につくものと、つかないものを調べてみよう!
- 19 いろんな磁石
- 20 家にある磁石をつかったものをさがしてみよう!
- 21 こぼれ話
- 22 おじさんオススメの記事
- 23 注目の記事
- 24 話題の記事
- 25 人気の記事
「磁石」「磁化 (帯磁) 」
「コンパス」「キュリー温度」
スマホになぜクリップがくっつくの?
スマホにはスピーカーがはいっていますね。
スピーカーには磁石がはいっています。
スピーカーに電気を流すと磁力が発生して、
もともとはいっている磁石とくっついたり、はなれたりして板が振動して
音を出します。
スピーカーがはいっているテレビやオーディオのきかいには、みんな磁石がはいっています。
クリップを磁石にしてみよう!
用意するもの
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磁石 (冷蔵庫にくっついてるマグネットクリップでもいいよ)
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クリップ (小さくて軽い鉄ならなんでもいいよ! )
やってみよう!
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磁石にクリップをくっつけます。 (30秒くらい)
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ゆっくり磁石をはなします。クリップが磁化されたのでくっついたままです。
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N極で磁化したクリップにS極のほうを近づけるとおちます。
針をコンパスにしてみよう!
用意するもの
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磁石 (冷蔵庫にくっついてるマグネットクリップでもいいよ)
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針 (おかあさんにかしてもらって)
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水を入れた皿
やってみよう!
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磁石に針をくっつけます。 (30秒くらい)
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針を水をいれた皿にうかべます。
①針を磁化。水にうかす 。(1分)
②磁化した針。箸で回しても北を向く。 (39秒)
③浮いた針を磁石で動かす (27秒)
④針を水に沈めて磁石で吸い取る (15秒)
⑤紙の上に磁化した針を置いて磁石で転がす (43秒)
⑥磁化した針でクリップを釣る (7秒)
砂鉄をあつめてみよう!
鉄粉など磁石につくものを入れた油が電磁石に吸い寄せられる動画↓
ベルリンの技術博物館。Science Center Spectrumにあります。
液体の砂鉄といった感じですね。
解説
磁石の基本的な性質
N極とS極はくっつこうとします
N極とN極、S極とS極ははなれようとします
コンパスの針はなぜ北を向くの?
地球は大きな磁石です。
地球の中に大きな「棒磁石」がはいっていると思ってもいいです。
北が「S極」。南が「N極」です。
えっ? 反対じゃないかって?
そう思いますよね。
ややこしいんだけど、コンパスの針の北をさすほうを「N極」、南をさすほうを「S極」と決めたので、
コンパスの「N極」をひきよせる地球の北極は「S極」、コンパスの「S極」をひきよせる地球の南極は「N極」なんです。
わかりにくいですね(^^)
さらに赤道から日本のあたりではコンパスの針はだいたい地面と平行だけど、
北極や南極に近づくと、地面のほうを指します。
絵をみてね!
「磁化」と「帯磁」
ほぼ同じとかんがえていいでしょう。
科学の世界では「磁化」といい、
時計やテレビなど、磁化してほしくないものが磁化したときは「帯磁」といいます。
そもそも鉄はなぜ磁石にくっつくの?
鉄の中にはたくさんの小さなコンパスがはいっていると思ってください。
ふだんはみんなバラバラのほうを向いているので磁石のはたらきはありません。
そこに磁石をちかづけると…
小さなコンパスたちがいっせいに磁石と同じ向きにならび、鉄も磁石になります。
これを「磁化」といいます。
磁石をはなしてもしばらくはコンパスたちが同じほうを向いているので磁石のはたらきをします。
時間がたつと、もと向いていたほうに戻ってバラバラの向きになってしまいます。
じゃあ磁石はなぜずっと磁石のままなの?
鉄の温度を上げていくと、中のコンパスたちが動きやすくなります。
そしてそのときに強い磁力をかけると (強い磁石をちかづけると) その磁場の方向にコンパスがならび、磁場をかけたまま冷めるとコンパスたちはその向きのまま固定されます。
「磁力」磁石の力。
「磁場」磁石のまわりの磁力がはたらいている空間。「磁界」ともいいます。
キュリー温度
この鉄の中のコンパスたちが自由に動き出す温度を「キュリー温度」といいます。
強磁性体と常磁性体
コンパスたちの向きがそろっていて動けない状態のものを「強磁性体」。
コンパスたちが自由に動けるようになった状態のものを「常磁性体」といいます。
「強磁性体」から「常磁性体」に変わる温度を「キュリー温度」といいます。
鉄では770℃です。ちなみに溶ける温度はもっと高くて1538℃です。
樹海ではコンパスがつかえない?
よくこんな話を聞くけどウソです(^^)
富士山に限らず火山から溶岩が流れ出すと、冷えて固まるときにそのときの地磁気 (地球の磁石) の方向に磁化されます。
上で勉強した「キュリー温度」ですね。
そしてそのあと地殻変動などで岩がうごくと地磁気とちがう方向になってしまいます。
この岩にコンパスをちかづけると、今の北の方角とはちがう方向を指してしまいます。
でも心配いりません。
地面の岩によほど近づけないかぎりコンパスが影響を受けることはないので。
樹海といっても道があるので5キロくらい歩けばかならずどこかの道に出るはずです。
ところが、別の理由で迷子になることはあります。
リングワンダリング (環状彷徨)
人はまっすぐ歩いているつもりでも、右足と左足ではかならず歩幅がちがうので右か左に曲ります。
空しか見えない道もない林の中で歩いていると、自分ではまっすぐ歩いているつもりでも曲がっていて、大きな円をえがいて同じところをぐるぐる回ってしまいます。
「あれ? さっきもここ通った気がするんだけど…」という状況におちいります。
「地磁気の逆転」地球の磁場はときどき南北がいれかわる!
理由はよくわかっていないけど、地磁気の南北がときどきいれかわることは知られています。
それは広い範囲にわたって今の地磁気の南北と逆向きの部分があるからです。
最後にこれが起きたのは今から77万年前だそうです。
地磁気は宇宙線から生命を守っている。「磁気鏡」「オーロラ」
これは別の記事で書こうと思っていますが、地磁気が宇宙線 (宇宙からやってくるいろんな粒子) をはね返して地上に降りそそぐのを防いでいます。
オーロラは宇宙線が地球の大気にぶつかって光を出すものです。
磁力線の性質で宇宙線は北極と南極に集まり、「磁気鏡」によって宇宙にはね返されます。
地磁気が逆転するときは地磁気が弱まるので宇宙線が地上に降りそそぐことになります。
でも、今の人間の祖先は200万年前くらいに現れたというので、地磁気の逆転で絶滅することはなさそうです。
ただ、宇宙線の影響でガンや、突然変異などが起ることは考えられます。
それによって生命は進化してきたのかもしれません。
そもそも地球が46億年前に誕生してから生命の源である有機物ができたのもこの宇宙線のおかげなので。
地球上の雷とか、彗星に乗ってやってきたという説もありますが…
大陸移動説をうらづけるもの
太平洋や、大西洋のまんなかにマグマが表面に上がってくる「海嶺」という海の底の山脈があって、
マグマは海底に上がってくるとそのときの地磁気の方向に磁化されます。
ちょうどカセッテテープやビデオテープの磁気ヘッドの役割をしています。
固まった海底は左右に広がっていって、磁気ヘッドの海嶺では次々に新しいマグマが磁化されていきます。
海底の磁気分布を調べると何十万年かごとに南北がいれかわっていることがわかったと同時に、海底も移動していることが証明されたのです。
大陸移動説のきっかけ ~ 地図のパズル
磁石につくものと、つかないものを調べてみよう!
磁石につくおもなものは次の3つです。
鉄。ニッケル。コバルト。
化合物としては、ネオジム磁石などがあります。
家にあるもので、磁石につくか、つかないか色々ためしてみてね!
故障の原因になることもあるよ!
いろんな磁石
家にある磁石をつかったものをさがしてみよう!
例:
モーター。スピーカー。ビデオラックの扉。マグネットクリップ。ドーナツ型磁石。ビデオテープ。カセットテープなどなど。
こぼれ話
昔の50円玉は磁石につきました。
「ニッケル」でできていたからです。
日本で現在、磁石につく硬貨はありません。