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「夜間飛行」「ドライ・レイク」「麻薬捜査」「拳銃」
night flight (夜間飛行訓練)
飛行訓練の規定で夜間飛行をすることが決められています。
いちども夜に飛んだことがないのに免許もらって、いきなり1人で夜間飛行はこわいですからね。
きょうは2機で、それぞれ教官と生徒1人ずつの2組で夜間飛行をします。
おじさんはいつものミックと。
もう1人の生徒は主任教官のビルと。
ビルがミックに釘をさします。
「No aerobatics! (アクロバットはなしだぞ!) 」
「Except for loops and barrel rolls! (宙返りとバレル・ロール以外はね!) 」
ミックが返します。
夜の着陸
学校とはべつの飛行場に着陸します。
まっ暗闇の中の着陸ってどうなんだろう?
地面が見えないから距離感がわからないんじゃないかな?
と思っていたけど、
滑走路の照明は、なんと自分の飛行機から遠隔操作で点けることができて、思った以上に楽に降りられました。
むしろ今までの着陸のなかでいちばんきれいな着陸だったんではないでしょうか。
月夜のループ
まっ暗で、上も下もわからないところで宙返りしたらどうなるの?
と思ったけど、
その夜は月が明るくて、これまた予想以上にきれいに回り、はじめて自分の後流にはいりました!
宙返りを正確にして、宙返りをはじめたところにもどってくると自分がかき乱した空気の中を通り、そのとき機体がブルブルっと震えるんです。
ドライ・レイク
No aerobaticsといったビルもドライ・レイクには降ります。
2機と教官2人、生徒2人が飛行機から降りて夜のドライ・レイクをうろついていると、遠くから車のヘッドライトらしきものが4つこちらに向かってくるのが見えました。
われわれとおなじく夜中にドライ・レイクにやってくる物好きがいるんですね。
その車が飛行機のすぐ近くに停まりました。
拳銃
なんだろう?とわれわれが飛行機にもどると、拳銃をかまえている制服姿の男女の姿が!
近づくと制服に防弾チョッキらしきものも着ています。
制服を着ているのでギャングとかではなさそうだけど。
教官とその男が何やら話しはじめました。
会話の内容はまったくわかりません💦
拳銃を向けられているのだから手を挙げたほうがいいのでしょうか?
教官は手を挙げてないので様子を見守るしかありません。
教官がIDを見せ、制服の男が無線で照会すると、怪しいものではないとわかったようで、拳銃は降ろされました。
麻薬取り締まり!
かれらは麻薬捜査官でした。
飛行機で国境を超えてメキシコからアメリカに麻薬を密輸するグループがいるようです。
そのため見張っていたら予想通りというか、飛行機が降りてきたので駆けつけたのです。
拳銃は降ろされましたが、麻薬犬が2頭、飛行機のまわりをクンクン嗅ぎ回りました。
麻薬はなかったようです。
みんなにはナイショ!
麻薬捜査官はここで見張っていることは世間に (とくに密輸グループには) 知られたくないし、教官はドライ・レイクに降りたことがバレたら学校はクビ、免許もなくなるかもしれないので、「おたがいに今夜のことは秘密だ」と約束して、かれらは去っていきました。
教官はわれわれ生徒にもいいました。
「今夜のことはだれにも言うなよ!学校の生徒にも言うなよ!日本に帰ったら言ってもいいぞ!」
と念を押されました。
アメリカで拳銃を向けられたのは後にも先にもこのときだけです。
あっ、アメリカ以外でもね。
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