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「明順応 (めいじゅんのう) 」
「暗順応 (あんじゅんのう) 」
暗いところから明るいところに出ると、はじめはまぶしくて何も見えないくらいでも、時間がたつとだんだん慣れてきて、見えるようになります。
これを「明順応」といいます。
はんたいに、明るいところから暗いところにはいると、はじめは暗くて何も見えないけど、時間がたつとだんだん慣れてきて、見えるようになります。
これを「暗順応」といいます。
明るいところでは、瞳 (ひとみ) が小さくなって光を入れる量を少なくします。
暗いところでは、瞳 (ひとみ) が大きく開いて光をたくさん入れます。
どういうわけか
「明順応」は早く (まぶしさにはすぐ慣れる)
「暗順応」はおそいです (くらやみには、なかなか慣れない) 。
瞳は、左右べつべつに動く!
右目と、左目の瞳はそれぞれべつべつに動きます。
だから、かた方の目をつぶって明るいところへ出ると、
開いてる目は「明順応」して瞳が小さくなるけど、
つぶっている方の目は「暗順応」のまま瞳が大きく開いたままです。
すると、こんどはまっくらになったときに、
「明順応」して瞳が開いてしまったほうの目は何も見えないけど、
つぶっていた方の目は「暗順応」のまま瞳が開いているので、
こっちの目を開けると、くらやみでもすぐ物が見えるんです。
海賊がよく片目に眼帯をしているのは、急に暗いところにはいってもすぐ物が見えるため…という説もあるけどほんとかどうかはわかりません(^^)
飛行機が夜に出発するとき、あかりを暗くするわけ
「魔の11分」
とよばれ、飛行機は
「離陸 (りりく) から3分」「着陸 (ちゃくりく) までの8分」
に事故がおこる確率がとても高いのです。
理由は簡単!
地面が近いから。
高い空を飛んでいるときは、急に飛行機が下がってもぶつかるものがないので、飛行機そのものがとつぜんバラバラになるようなことがなければ事故になりません。
あるとしたら、ほかの飛行機とぶつかることですが、確率はとても低いです。
それにくらべて、離着陸 (りちゃくりく) のときは、地面が近いのでちょっとでも飛行機が下がれば地面にぶつかってしまいます。
墜落 (ついらく) でなくてもエンジンの調子が悪くなって空港の外に降りなくてはならなくなることもあります。これを不時着 (ふじちゃく) といいます。
万が一、不時着したとき、暗闇でもすぐ動けるように前もって暗くしておくそうです。
「離陸」より「着陸」のほうが危ないのはなぜ?
[離陸」はエンジン全開で地面から離れようとするのに対して、「着陸」はエンジンをしぼって地面に近づいていくからです。
盲点
よくあるのが下のような絵です。
- 右目をつぶるか、手でかくして、左目で右の●を見ます。
- 画面に近づいたり、はなれたりすると、どこかで✚が見えなくなるところがあります。これが「盲点」です。
※ スマホでご覧のかたは横向きにして、●と✚の巾が広くなるようにしたほうが見やすいです。
こうしてみると、「盲点」ってけっこう大きいことがわかります。
ふだんは両目で見ているので、反対側の目が補っているんですね。
① じっさいは水晶体 (すいしょうたい) という目のレンズで光は曲がるけど、ややこしくなるのでここではまっすぐに書いてあります。
② 視細胞のように、光を感じとるものを「光受容体 (ひかりじゅようたい) 」といいます。
中心視野 (ちゅうしんしや) と周辺視野 (しゅうへんしや)
錐体細胞 (すいたいさいぼう) と桿体細胞 (かんたいさいぼう)
色はわかりやすくするためにつけたので、じっさいにこの色をしているわけではありません。
中心窩 (ちゅうしんか)
網膜のまん中の黒っぽい凹んだところです。血管がないので黒っぽく見えます。
中心視野 (視界の中心) をここで見ています。
ここには「錐体細胞」が多く集まっています。
錐体細胞 (すいたいさいぼう)
「色」を見るのはとくいだけど、暗いと「見えません」
円錐 (えんすい) の形をしているのでこの名前がつきました。
黄斑 (おうはん)
中心窩の外側をとりまく部分です。色素のため、黄色く見えるのでこうよばれます。
周辺視野 (まわりの視界) を見ています。
ここには「桿体細胞」が多く集まっています。
桿体細胞 (かんたいさいぼう)
「色」はわからないけど、暗いところでも「見えます」
桿 (さお) のような形をしているのでこの名前がつきました。
そらし目
暗闇では、視界の中心はよく見えないので、わざと視線をずらして「周辺視野」をつかうと見えることがあります。
夜空で暗い星や星雲を見るときに、そこを見てしまうと見えないんだけど、視線をずらすと見えることがあります。
ためしてみてね!
プチ実験 (やってみよう! )
① 手に穴があく!
- 右手にトイレットペーパーの芯 (なければ手で丸をつくってもいいよ) を持って、左手をひらいてくっつけます。
- 左手は左目からすこしはなして、右目でトイレットペーパーをのぞきます。両目とも開けるんだよ!
- すると左手に穴があいて向こうの景色が見えます!
② ソーセージが出てくる。
- 両手の人差指をくっつけて遠くを見ます。
- 指と指のあいだにソーセージが!
ウインク (かたつむり) できる人はこのまま片目をつぶって、右目だけ、左目だけで見るとちがいがわかるよ!
実験ゲーム
2つのグループに別れます。
1つのグループは真っ暗な部屋に先にはいります。
5分くらいしてから、もう1つのグループが中にはいります。
もちろん明かりは点けません。
最初から中にいた人はあとからはいってきた人が見えるけど、あとからはいってきた人は中の人も部屋の様子もまったく見えません。
こっそり近づいてほっぺたや首筋を撫でてあげましょう😄
しばらくするとあとからはいってきた人も見えるようになってくるので、こんどは交代してやってみましょう。
部屋の中は机や椅子など障害物はいっさい置かないでやってください。
くれぐれもケガしないように気をつけてください。
こぼれ話
「つむる」のか「つぶる」のか?
広辞苑では「つむる」を引くと、「つぶる」に同じ。と書いてあります(^^)
漢字はどちらも「瞑る」です。
同じようなものに、「さみしい」と「さびしい」がありますね。
ほかにも「けむり」と「けぶり」 (煙)
「かむる」と「かぶる」 (被る)
「かむる」とはいわないかもしれないけど、
「ほおかむり」は聞いたことがあるかな?
「かんむり (冠) 」「こうむる (被る・蒙る) 」も「かむる」からできた言葉です。
「かたつむり」は「まいまいつぶり」ともいうしね。
「マ行」と「バ行」はどちらもくちびるを一回とじてから、ひらいて発音します。
ちがいは「マ行」は鼻から空気を抜きながら発音するのに対して、
「バ行」は鼻から空気を抜かずに「破裂」させます。
だから、かぜ引いて鼻がつまってるときは、「マ行」が「バ行」になってしまいますね(^^)
「バビブベボ」になるよ(^^)