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「耳コピ」「採譜」
メロディ、ベース、コードがはっきりしていること
まず大前提として、メロディ、ベース、コードがはっきりしている曲でないとむずかしいです。
むずかしいというより不可能といったほうがいいかも。
メロディのないラップや、ほとんどコードづけのない曲は無理です。
鼻歌
あなたがその曲を鼻歌で歌えればかなりやりやすいです。
曲の好きなところで、好きな音程で、何度でもリプレイできるからです。
これ以上、便利な再生機はありません。
一時停止、頭出しができる機器
メロディは鼻歌でできるけど、ベースや、コードは曲を聞かないとわかりません。
聞きたいところを何度でも再生できる機械があるといいですね。
むかしはカセットテープでやっていましたが、頭出しはむずかしいし、巻きもどしもめんどうでした。
今はデジタル機器ですぐ頭出しができるのでパソコンなどで再生するのがいいでしょう。
五線譜 (紙)
書き取るにはとうぜんこれが要ります。
不用紙にフリーハンドで線を5本引いてもいいです。
楽譜ソフト
無料の楽譜ソフトがあります。
でも、これはとても使いにくいです。
フリーハンドの何倍も時間と手間がかかります。
場合によってはオートコレクト機能のせいで、何遍やっても自分の思いどおりにならないこともあります。
清書して印刷するときには見た目がきれいですが、自分で耳コピして演奏する分には必要ないでしょう。
たとえ無料でも耳コピした楽譜を公の場に出せば著作権侵害に当たります。
たとえばバンドやオーケストラ、あるいはピアノ曲などをギター用にアレンジして世に出すには、著作権を持っている人に許可を取る必要があります。
コード進行は著作権の問題はないようです。
おじさんはブログに楽譜ではなく理論を説明するために音符を載せるとき、MuseScoreというアプリをつかっています。
あくまで体裁のためで、とても使いにくく時間がかかりイライラします😅
楽器
正しい音程が出る楽器が欲しいですね。
コード (和音) を取るには、ピアノか、ギターがいいです。
弦楽器でもバイオリンだと頑張って2音。
管楽器だと1音しか出せません。
ピッチ
楽器のチューニング (調律) が合ってないと取れません。
標準的な曲のデータならA=440Hzで録音されています。
A=443Hzのものもあるけど数は少ないです。
いずれにせよ曲のピッチが上がっていたら、自分の楽器もそれに合わせないとすべての音が微妙にずれていて耳コピはとてもむずかしくなります。
それを考えるとやはり自分ですぐチューニングできるギターはいちばん耳コピに適した楽器といえます。
ピアノは調律を変えるのが大変です。
ギターの超マニアックなチューニング方法 ~ チューナーでは満足できない人へ
メロディ
いちばん取りたいのはこれだと思います。
まず、音程を書いていきます。
4分音符か、8分音符か、休符はどれくらいかなどはあとでいいです。
とりあえず玉だけ書いていきます。
わからないところは何度も巻き戻していると先に進まないので空白を空けて先に進みます。
つぎの音がわかると、その間や前の音がわかることもあります。
ベース
ざっとメロディを取ったら、ベースを拾っていきます。
ベースがわかるとコード (和音) を特定する手助けになります。
ベースがルート (根音) とはかぎらないけど、コードのヒントになります。
コード (和音)
メロディとベースがあるていどわかると、コードがわかります。
これも端から律儀に取らずにわからないところは飛ばしてつぎを取ると、コードの流れからその間のコードがわかることがあります。
メロディ、ベース、コードはかならずしもこの順番でなくてもいいです。
わかるところから取っていきます。
先にコードがわかることで、メロディラインやベースがわかることもあります。
コードに正解はない!
ちなみにコードに正解はありません。
おなじ曲でも人によって味付けは変わります。
似たような構成音の代替和音がつかわれることもあります。
その曲の雰囲気を踏襲したいなら、いくつかの候補の中から近い響きのものを選びましょう。
仕上げ
メロディの正確な長さを音符にしていきます。
ただ、4分音符+4分休符なのか、2分音符なのかはこだわらなくていいです。
小節内に4拍子なら4拍子の寸法で収まればOKです。
テクニック
ギターならでは
長調ならハ長調 (C major) 、短調ならイ短調 (A minor) とはかぎりません。
でも、ギターの場合、たとえばニ長調 (D major) の曲ならカポを2フレットにつければハ長調 (C major) で弾けます。
そのままドレミファで歌えばいいんです。
C#なんてシャープが7コつく (つまりすべての音が半音上がる) ので5線譜に書くのが大変になります。
迷わずカポ1でCで取ります。
メロディ
じっさいにはD majorの曲でも、主音Dを「ド」で歌い音を取ると楽です。
これを「移動ド」といいます。
音階の取りかた
長調の場合
ドレミファソラシと7つの音があります。
主音
まず、その音階の主音「ド」をさがします。
これは終わりの音、落ち着く音なのでいちばんわかりやすいですね。
その曲を聞いて、自分でドだと思う音を声に出してみます。
そして、楽器でも弾いてみます。
主和音
「ド」がわかったら誰でもすぐ出せる和音が主和音。
C majorなら、Cです。
「ド、ミ、ソ、ミ、ド」と言ってみましょう。
半音
音階には半音が2カ所だけあります。
「ミファ」と「シド」ですね。
このどちらかだけど、「シド」は主音で終わるのですぐわかります。
そうでないほうが「ミファ」です。
導音 leading note
「シ」は導音と呼ばれます。
この音を聞くと、とても「ド」に行きたくなります。
「ド」に行かないと落ち着きません。
主音の半音下の音を導音といいます。
5度の音 (支配音)
こう書くとむずかしそうですが、C majorなら「ソ」です。
「ドミソ」の「ソ」です。
「ソ→ド」という進行は「シ→ド」とおなじくらいわかりやすいです。
慣れるとその音階の「ソ」がすぐ出てきます。
コード進行だと、G→Cですね。
GはG7になることが多いです。
5度の音「ソ」は「支配音」と呼ばれ、主音の「ド」を差し置いて音階を牛耳る影の支配者です。
呼び出しの音
ピンポンパンポ~ンは
ド、ミ、ソ、ドです。
さあこれで、ドミファソシがわかりました。
あとはレとラです。
レ
これは「ド」の隣なのですぐわかりますね。
ラ
これは「ド→シ→ラ」と降りてくればわかります。
これらは慣れてくると「ド→シ→ラ」とたどらなくても一発でわかるようになるのですが、はじめのうちはわからないので順番にたどっていきます。
さあこれで全部の音がわかるようになりました。
短調の場合
短調も基本的におなじなんだけど、「ソ」はしばしば「ソ#」になるので注意が必要です。
ただ、この場合は「ソ#→ラ」で終わる感じがするのでわかりやすいと思います。
これは長調のときに出てきた「導音」です。
「ソ」のままだと主音「ラ」との間に全音の開きがあるので、半音上げて「ソ#」にするんです。
コード進行はE→Amになります。
EはE7になることが多いです。
これを「和声的短音階」といいます。
ときどき「ファ」も「ファ#」になる曲があります。
これを「旋律的短音階」といいます。
「ソ」が「ソ#」になると、「ファ」と「ソ#」の間が「増2度」になって開きが大きくなってしまいます。
それはそれでいいのですが、それを埋めるのが旋律的短音階です。
それに対して、フォークソング、ポピュラー、ロックで非常によくつかわれるのが「自然的短音階」です。
この場合、いっさい#はつかず「ソ→ラ」で、G→Amという進行をします。
短調は長調よりちょっとむずかしいですね。
じっさいには長短混在
長調なら、主和音 I (1度) 、下属音 IV (5度下=4度上) 、属音 V (5度上) で、C→F→G→Cという進行が基本です。
短調なら、I→IV→Vで、Am→Dm→E7 (またはG) →Amという進行が基本です。
でも、じっさいはC→Am→Dm7→G7→Cというような進行がよくつかわれます。
さらにはC→E7→Amというパターンも。
さらにC→E7/G#→Amというパターンも。
このへんは数こなして覚えていくしかありません。
音楽というのは聞いて共感するものなので自然な流れがあり、あまり突拍子もないコード進行はありません。
あまりにも個性的だと、それは個性的なのではなくただの「音痴」になってしまいます。
あるいはただの音の羅列といってもいいです。
Dm7とFは構成音が「レファラド」と「ファラド」で極端な話、どっちでもいい和音です。
構成音が似たものは代替和音としてつかわれます。
この2つを分けるものはベースです。
ベースが「レ」ならDm7。
ベースが「ファ」ならF。
ただ、Dm7/Fなんてのもあり、これは99%Fです。
和音の響きのちがいは何千回も、何万回も弾いて、聞いて感じてください。
コード進行だけならネットに載っている場合もある
ここまで書いて何ですが、コード進行だけならネットで調べられます。
ただし、世間に知られている最近のポピュラーな曲にかぎります。
ものすごくマイナーな曲や、古い曲は見つからないことが多いです。
また、無料なので「まちがい」も多いです。
明らかなまちがいもあるし、この記事に書いたように「コードに正解はない」ので、まちがいではなく解釈のちがいによるものもあります。
いくつかのサイトを見て、あくまでそれらは参考にして、自分なりに「心地よい」コードをさがしましょう。
おじさんがオススメなのはchordifyというサイトです。
たとえばBenjiのような大昔の映画のコードも載っています。
ただし、まちがいもあります。
音源がそのまま乗っていて今どこにいるか視覚的にわかるのでいいです。
不完全小節の処理ができないので、とちゅうから小節の頭がずれたりしますがこれもあくまで参考にしてそのまま鵜呑みにはしないようにしましょう。
ふだんから練習
カンタンな曲。
きらきら星とか、ドレミの歌とかを、ドレミで歌ってみます。
もちろん楽譜なしで。
そうすると隣同士でなく音が飛んでいても何の音かわかるようになってきます。
ソルフェージュ
ドレミで歌うことをソルフェージュといいます。
もともとフランス語でsolfège。
何のことはない、sol (ソ) とfa (ファ) をもっともらしく名詞にしただけです😄
日本ではドレミというけど、フランス人はソファっていうんですね。