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「師匠」「弟子」「教えない」「損して得取れ」
師匠は奥義を教えない?
師匠は弟子に奥義を教えないといいます。
すべてを教えません。
なぜでしょうか?
あとは自分で考えろ!などというのは言い訳。
ほんとは別の理由があります。
しみったれたケチな根性
すべてを教えれば弟子は自分とおなじ知識とおなじ能力を身につけてしまいます。
もはや自分は師匠ではなくなります。
自分は頼りにもされないし、尊敬もされないし、弟子は自分のもとを離れていきます。
それどころか自分のライバルになって、ほかの弟子を奪われてしまうかもしれません。
さらにはライバルどころか自分をはるかに超えて、自分を足元に置く存在になるかもしれません。
だから、すべてを教えずいつまでも自分の下で自分を尊敬して、自分を超えない存在でいさせたいのです。
しみったれた、ケチくさい根性です。
聖人君子なら自分を超えて、もっと卓越した能力を発揮する弟子を誇りに思いましょう。
親もこれをしている
おじさんは自分の子どもが自分を超えて自分を必要しなくなることを望んでいます。
それが親の務めです。
子どもが自立して自分の力で生きていき、自分を超えたら万々歳です。
いつまでも自分の手下にしておこうなんて愚の骨頂です。
損して得取れ!
わたしは超初心者が来たとき、文字を覚えることと、日本語の教材のありかを教えます。
ネットには無料の素材が山ほどあります。
そもそも無料で情報を提供しているサイトを隠すなんて愚かなことです。
自分が教えなくてもいずれ生徒はその場所を見つけます。
そのときどう思うでしょうか?
こんなサイトがあるのに隠してお金を取っていた!
あなたに対する不信感と軽蔑しかありません。
その生徒は2度とあなたのところにもどってきません。
それどころか、あの先生はやめたほうがいいよと他の人たちに言いふらすでしょう。
あなたにとって何一ついいことはありません。
情報を与えることは一時は「損」と感じるかもしれませんが、結果的に「得」になるのです。
これこそ商売人の「奥義」です。
もどってくる
以前、ほかの記事で書きましたが、「有用な情報を与える」ということこそが、相手にとって「最大の魅力」になるのです。
なぜか?
あそこに行けば有用な情報が得られる!自分の欲しい物が手にはいる!
問題にぶつかったとき、疑問が解決しないとき、その生徒はかならずあなたのところにもどってきます。
だって、あなたのところに来れば、「問題解決」「有用な情報が得られる」「望むものが手にはいる」と刷りこまれているからです。
あちこち探し回って骨折り損のくたびれ儲けになるより、あなたのところに来れば一発で解決するんです。
畑に種を蒔く
畑を耕して種を蒔くのは大変な作業です。
でも、秋には実りあなたに恵みをもたらします。
稚魚を放流する
おなじように稚魚を放流する。
えっ?どこかに行っちゃうんじゃないの?
でも、大きくなってもどってきます。
無駄骨に終わることもある
ここまでいいことばかり書いてきたけどかならずもどってくるとは思わないでおきましょう。
撒いた種のことは忘れる。
放流した稚魚のことは忘れる。
かならず報酬を得られると思ってるとそうでないときにがっかりします。
自然のことなのでかならず収穫できるとはかぎりません。
人の心も確かなものではない。
行ったっきりになるかもしれません。
いや、そのほうが多いでしょう。
でも、幾人かはもどってきてくれます。
しかも仲間を連れてきます。
それより、嘘をついて手元に置いておこうとするほうがかぎりない軽蔑を受け、不信感だけを募らせ、離れていきます。
長い目で
伐採、植林
山に木があります。
切って市場に持っていけばいくらかの金を手にしますがそれで終わりです。
木はすぐには大きくなりません。
だから、切ったら植える。
そうすれば、30~50年先にはまた収穫してお金に変えることができます。
畑の作物のように1年では収穫できません。
だから、一見ムダに見える、損してるように見えるかもしれないけど、新しい苗を植えつづけることが必要です。
長い目で見れば自分の利益になります。
わたしは日本語教師をしています
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