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「電子レンジ」「下から」「温まる」
電子レンジは「下」から温まる!
![](https://higeojisan-lab.com/wp-content/uploads/2017/01/higeojisan.png)
![](https://higeojisan-lab.com/wp-content/uploads/2017/01/sacchan.png)
ナンセンスな2段重ね
![double レンジ。二段重ね](https://higeojisan-lab.com/wp-content/uploads/2020/11/f06337834c88bd7deae1b746e3c29ab9-300x200.jpg)
最近このような商品を見かけます。
知らない人は買ってしまいますが、この記事を読めばこれがつかえないということがわかるでしょう。
amazonなどのレビューを読んでください。
一様に
「温めるのに今までより時間がかかる」
「下は温まるが、上がいつまで経っても温まらない」
「全体の時間を伸ばすと、下は熱すぎて、上は冷たいまま」
「けっきょく1つずつ温めたほうが早かった」
などと書かれています。
迷信。都市伝説
中から温まるとか、上から温まるとか、まことしやかに言われています。
ネットで見るとだいたいこんな絵が出てきます。
![wave](https://higeojisan-lab.com/wp-content/uploads/2020/11/wave-300x214.png)
この絵を見るかぎり、「上」や「外側」から温まりそうなもんです。
実際には?
むずかしい物理の話は抜きにして、みなさんは電子レンジをつかっていてこんな経験はありませんか?
底が熱くて、上が冷たい!
コンビニ弁当でも、茶碗のご飯でも、温め時間が足りないと、
「底は熱いのに、上は冷たい!」
まだ、足りないからもうちょっと温めよう、ってことよくありますよね。
上から温まるならぜったいありえない!
中からでも、熱は上に伝わるから上のほうが熱いはず。
でも、じっさいには「下のほうが熱い」です。
つけたすと「真ん中が熱くて、まわりは冷たい」です。
焦点は底にある
なるべく真ん中の底に置け!
四角は電子レンジの箱を前から見たところ。
赤いところが電磁波の焦点です。
![focus](https://higeojisan-lab.com/wp-content/uploads/2020/11/focus-300x214.png)
電子レンジには「ここに置け」という印がついてます。
要は「真ん中の底」です。
![microwave focus](https://higeojisan-lab.com/wp-content/uploads/2020/11/microwave-focus-300x225.jpg)
食品が電子レンジの箱の空中に浮いてることはありえないので、メーカーは焦点を底 (いちばん下) につくります。
みなさんが食品を入れたとき、かならず底についているはずだからです。
ガスコンロとおなじ
ガスコンロとおなじで、弁当や茶碗やタッパーの底、電子レンジの箱の底から温められます。
コンロとちがうのは、底が熱を出しているわけではないということです。
電磁波が食品の分子を振動させて熱に変換するのですが、その電磁波は「真ん中の底」に集まるように設計されています。
![from bottom](https://higeojisan-lab.com/wp-content/uploads/2020/11/from-bottom-300x214.png)
あとは温められた底の熱が食品を伝わって上に移動していくんです。
だから、底のほうが熱くて、上は冷たいんです。
上のほうや端っこは温まらない
![midair](https://higeojisan-lab.com/wp-content/uploads/2020/11/midair-300x214.png)
これもみなさん経験済みだと思いますが、足の長い容器や皿に入れたり、端っこに置くとなかなか温まりません。
冷凍食品をいっぺんに入れると、真ん中においたものだけが温まって、端っこに置いたものはぜんぜん温まりません。
最低のタッパー
![container concave bottom](https://higeojisan-lab.com/wp-content/uploads/2020/11/container-concave-bottom-300x225.jpg)
![container concave upside](https://higeojisan-lab.com/wp-content/uploads/2020/11/container-concave-upside-300x225.jpg)
能書きには凹んだところからまわりに熱が伝わっていくので「早く」温まります、とありましたが、上に書いたとおりでいちばんおいしい「ホットスポット」が外されてるので、いつまで経っても温まりません😅
上げ底のフライパンみたいなもんです。
おまけに物があまりはいらず、洗うのはめんどうで、乾きにくいと3拍子揃っています😡
メーカーは想像でなく、じっさいに使ってみてから世に出してほしいものです。
検証してないか、温まらないことがわかってしまったけど、在庫を抱えたくないのでそのままウソを承知で店頭に並べたとしか思えません。
おじさんは騙されて買ってしまったけど、これはただの入れものになりさがり、温めるときにはつかってません。
低いW数のほうがいい
1000Wなんてレンジもありますが底だけ熱くなって上は冷たいままです。
上も温めようとすると、底が異常に熱くなります。
火力が強くてもけっきょく底だけが「焦げる」ことになってしまいます。
これが中華鍋で炒めものとか、鍋でシチューとかなら、かき混ぜるし上下の対流が起きるのでいいのですが、電子レンジは上下が動かないので、地道に下の熱が上に伝わっていくのを待つしかありません。
上下をひっくり返す
なので、おじさんは冷凍のたこ焼きを温めるときなどは、1分チンしてから上下をひっくり返してもう1分チンします。
これはホットケーキを焼くとき、とちゅうでひっくり返すのとまったくおなじ理屈です。
油ものに注意!
炒めものの残りをタッパーに入れて冷蔵、冷凍しておくことがありますが、解凍、加熱するときに気をつけないと油の温度が上がりすぎて、プラスチックの容器が溶けることがあります。
牛乳などの加熱に注意!
鍋に入れてガスコンロで加熱するときは対流や振動で底に熱が溜まることはないのですが、電子レンジはかぎりなく「静か」です。
取り出そうと振動を与えた瞬間に吹きこぼれることがあるので気をつけましょう。
じっさいの商品は平べったい!
じっさいのレトルトや冷凍食品はこのように平べったいです。
メーカーは底のほうしか温まらないということを知っているからです。
![retort pouch レトルト](https://higeojisan-lab.com/wp-content/uploads/2020/11/013e225d9e8b04f8dc207b1e7420a3a2-300x225.jpg)
ちゃんと書いてあります。
![retort pouch レトルト。注意書き](https://higeojisan-lab.com/wp-content/uploads/2020/11/0660a386c2f3f4f77b2cff946a4701f7.jpg)
- 加熱時は袋を皿にのせないでください。
- 必ず1袋ずつ調理してください。
- 加熱時間は機種によって異なります。
- 700W以上の高出力レンジの場合は、ワット数を500W・600Wに下げて温めてください。
この記事を読んだ方ならもうおわかりですね。
皿に乗せるとその分、背が高くなって温まりにくくなります。
製品によっては皿に乗せるよう指示しているものもあります。
それは汁がこぼれたり、万が一包装が溶けたりしたときにレンジが汚損するのを避けるためです。
思いっきり「1袋ずつ調理してください」と書いてあります。
2段重ねなんて愚の骨頂です。
高出力のものでも、わざわざ「500か600Wに下げてください」とも書いてあります。
結論
温めるときは、足の高い茶碗や皿を避けて、タッパーなど底に密着する容器をつかうこと。
電子レンジの底から離れれば離れるほど、温まるのに時間がかかります。
W数の切りかえがある場合は、500~600Wがいいでしょう。
1000Wは使いみちがありません。
![](https://higeojisan-lab.com/wp-content/uploads/2017/01/sacchan.png)
![](https://higeojisan-lab.com/wp-content/uploads/2017/01/higeojisan.png)
![](https://higeojisan-lab.com/wp-content/uploads/2017/01/sacchan.png)
今日おにぎりを30秒レンチンすると下だけ暖かい、おかしいなと思って裏返しにしてチン・・・
5年位前のもので買い替えも考えていましたが、そういう仕組みだったのですね。
危なく買い替えるところでした
リノさん
コメントありがとうございます。
厚みがあるものはひっくり返して再加熱する。
ホットケーキやステーキとまったく同じです✌