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「ゲル」「家」「モンゴル」「遊牧民」
ゲルとは
モンゴルのテントみたいな建物を想像するかもしれませんが、モンゴル語で「家」です。
中国語では「包 (パオ) 」といいます。
だから、都会に住んでいれば鉄筋コンクリートでも「ゲル」です=^^=
ツーリストゲル
完全に旅行者用のホテルです。
ゲルの中
ストーブ
これで暖房はもちろん煮炊きもすべてこなします。
燃料は馬糞、牛糞を使います。
草原では木は貴重品です。
なかなか手にはいりません。
乾燥してるので、馬糞、牛糞がそこここに散らばっていても全然臭くありません。
菌が繁殖する前に干からびてしまうのですね。
ゲルの掟
ゲルがあったらかならず立ち寄らなければいけません。
遊牧民にとって、旅人が自分のゲル (家) を素通りするのは恥ずかしいことなのだそうです。
だから通りかかった人はゲルに寄るのが礼儀なのだそうです。
はじめはツアー客用にあらかじめ立ち寄るゲルに話をしてあるのかと思ったらそうではないんです。
馬乳酒 (ばにゅうしゅ。айраг アイラク)
読んで字のごとく「馬の乳を発酵させたお酒」です。
飲むヨーグルトみたいな感じです。
かならずこれを出されるので、発酵食品のきらいなおじさんは我慢して飲んでたんだけど、現地の人でもおなかを壊すことがあるので口をつけるだけで無理に飲み干す必要はないそうです。
じっさいこのせいかわからないけど、おじさんはモンゴル旅行、2回とも下痢しました💦
真っ暗闇を歩いてきた!
テント泊していると真っ暗闇の中を明かりも持たずに女の子が2人やってきました!
日本で言ったら中学生から高校生くらいの年頃。
夜中にモンゴルの草原の中で洋服の女の子が2人!
どういうこと?
通訳がいない!
あいにく通訳のガイドのアルタンと遊牧民のアサンバイはこれまた真っ暗闇の中、シミンアルヒという蒸留酒を調達しに出かけていました。
「人が来たらゲルに入れなければいけない」
テントだけど。
手招きして狭いテントに4人。
おたがい言葉はまったくわかりません。
「アルタンはどこまで行ったんだろう? いつもどるんだろう? 」
トランプ
まったく会話はできないのでトランプを出したら、なんと「大貧民 (大富豪) 」を知っていました!
しばらくやって飽きてきたので、ババ抜きと神経衰弱をやったら、ジェスチャーだけでなんとかルールを理解してもらえました。
相当長いことトランプをやって、いいかげん夜もふけてきたけど、いっこうにアルタンがもどる気配はない。
するとまた訪問者が!
親が迎えに!
狭いテントに4人いるのに、大人の人がまた2人やってきました。
はいれないけど、入れるのがルール!?
手招きしたけどはいってきません。
どうやら女の子2人と知り合いみたいで、何やら言いあってます。
どうやら親か保護者、その系統のかたのようです。
しばらく言いあってたけどやっと女の子たちは腰を上げテントを出ていきました。
そして、親子4人? は真っ暗闇の中を明かりも持たずに帰って? 行きました。
もう遅いので寝袋にはいって寝てると、ドドドと馬の足音。
やっと帰ってきたようです。
「トシさん。アルヒ持ってきたよ」
おじさんはもう寝たふりをして返事をしませんでした。
翌日
テントを出発。馬で2キロくらい歩いたでしょうか。
ゲルがあるので寄りました。
昨日の女の子が!
なんと昨晩、真っ暗闇の中を歩いてきた女の子がいるではありませんか!
ラジカセで音楽を聞いています。
洋服を着ていて町の子って感じです。
どうやらウランバートルに住んでいて、じじばばの家 (ゲル) に遊びに来ていたようです。
しばらくすると遊牧民のガイドのアサンバイと女の子はちょっと離れたところで並んで座って話しはじめました。
何だそういうことか!
それにしても町に住んでいても、真っ暗闇で物が見えるんだな。
暗闇で物が見える。遠くのものが見える
遊牧民は2つの意味で「目がとてもいいです」
1つは暗闇でも見える。
もう1つは遠くのものが見える。
トレッキングの途中で他の遊牧民に会うと、「何キロ先に〇〇さんがいたよ」というような会話がなされるんです。
もちろんおじさんはその会話はわからないけど、ガイドに聞くとそういう話をしてるらしいです。
暗闇でも空と地面の色はちがう!
ガイドのアルタンに夜中になんで馬で走れるのかと訊いたらこの答えが帰ってきました。
草原にはタルバガンという大型のネズミの仲間がいてあちこちに穴を掘っています。
馬もその穴に足を突っこまないように、真っ暗闇の中でちゃんと「見て」走っているんです。
穴は地面の色より「もっと黒い」そうです😁
モンゴル乗馬 ~ 遊牧民と大草原トレッキング