「NZTD」「税関申告」
はじめに
ネットを見るとNZeTAとNZTDがごっちゃになっていて、おなじものだとか、どちらかは要らないとかいう書き込みがありますが両者はまったく別物で両方とも必要です。
かんたんに言えばこうです。
NZeTA:観光ビザ
NZTD:税関申告書
ビザはどういう目的で入国するかとその許可。たいていは観光でしょう。
税関申告は税金がかかる宝石などの高価なものだけでなく、動植物や食べもの、薬など持ち込みに制限があるものについて申し立てることです。
ちなみに申告するものがなくても「申告するものがありません」という申告をしなければなりません。
NZTD
New Zealand Traveller Declaration
ニュージーランド旅行申告書
アメリカ英語ではtravelerですが、ニュージーランドはイギリス英語なのでtravellerです。
ほかにもauthorizeはauthoriseです。

3日前にならないと申請 (申告) できない
こちらは登録だけはいつでもできるけど、申告するのは3日前にならないとできません。
能書きには1日前になるまで送信するな!と書いてあるけど送信できます
変更は入国審査を通るまでいつでもできる
だから細かいところはわからなくても粗方作っておいて、近くなって変更があれば修正すればいいでしょう。
入国審査を過ぎて変更したい場合
入国管理官に口頭で言えばできるそうです。
食べもの、薬など持ち込むときはチェックしておきましょう。
こんなものは申告する必要がないと判断するのはあくまでニュージーランドの係官ですから。
いちいち申告しやがって、と怒られることはないと思います。
でも申告せずに引っかかったら最悪入国拒否されるかもしれません。
持ち込み品
これもネットに転がってるのでここには書きません。
ニュージーランドは農業国
虫や菌がはいってきて農業に被害を与えることにとても神経を尖らせています。
だから、アウトドア用品 (釣り道具とか) や泥のついた靴まで気にします。
これも申告項目にあるので申告してください。
肉、魚などは論外。
ただのおやつと思っても厳密には卵や牛乳をつかってるとダメです。
するとほとんどダメだと思うけど、開封してなければそのへんは目を瞑ってくれるようです。
あくまで目を瞑ってくれるだけ。
薬も市販の風邪薬などはスルーだそうですが、病院で処方された薬は英語で説明できるようにしておきましょう。
暗記するのではなく、紙に書いて薬といっしょに入れとくのがいちばんです。
かかりつけの医者に英語の処方箋を頼んだら、
「雛形がなけりゃそんなもんよう書かん (書けるわけなかろう) !」
とえらい剣幕で逆ギレされました
いや、逆ギレでもない。
先生に相談すれば海外旅行で処方箋を書いてくれという患者も今まで1人や2人はいるだろうと思ったけどお門違いでした。
まあ麻薬系の成分がはいってなければ没収されることはなさそうです。
あと1週間の旅行だったらせいぜい10日分くらいで大量に持ち込まないことです。
必要以上に持っていると誰かに売るのかと疑われます。
薬局で
薬局で薬の成分や効能について英語で書いたものを頼んだら印刷してくれました。
申告漏れ
もし申告漏れがあって見つかると、没収、罰金400NZD (4万円ぐらい) 、場合によっては牢屋行き
とにかくしておきましょう。
おじさんが申告したもの
food, outdoor gear
キャンディ。ティーバッグ。防寒ブーツ (新品でまだ履いてないけど申告しておくにかぎる) 。
アウトドアでの履物は、泥がついてるとニュージーランドにとって害がある病原菌や虫が付着している可能性があるからです。
じっさいオーストラリアで発生したハゴロモがニュージーランドに持ち込まれて繁殖してしまったらしいです。
これだけ人や物が行き来してるのに止めるのは不可能ですね。
日本では羽衣などと奥ゆかしき名前がつけられましたが、農業害虫です。
passion vine hopper nymph ヤマアラシ?ハリネズミ?虫?
おじさんがキャンディやティーバッグなんかわざわざ持って行ったのは、今回おじさんが行ったところが、今おじさんが住んでいるところに匹敵するかそれ以上にド田舎で辺鄙なところで現地調達ができないかもしれないと思ったからです。
ほんとアマゾンの奥地かというくらいの田舎。
それからもう1つニュージーランドの物価がめちゃくちゃ高い、というより円がめちゃくちゃ安いので、日本の3倍から4倍の値段します。
ほんとです。
ふつうに軽い食事をしようとしたら最低3000円です
高級料理じゃないですよ。
薬
3カ月分以上とか、他人のための薬は申告する必要があるけど、自分用は申告する必要がありません。
だから申告はしなかったけど、検査場では見せたほうがいいでしょう。
こんな雑魚は用がない、と言われればそれでOKです。
ちなみに風邪薬や頭痛薬などは現地調達できるけど、潰瘍性大腸炎のような特別な持病の薬は手にはいらないのですこし余裕を持って多めに持っていきましょう。
予定は1週間の滞在でも、飛行機が飛ばない、乗り遅れたなどで滞在が延びてしまうことがあります。
田舎に行くと病院や薬局さえないところもあります。
べつにアマゾンの奥地でなくても。
それから肌身離さず。
預け荷物はロストバゲージの可能性が大いにあります。
冗談ではありません。
持ち込み禁止品があった場合は没収
むかしは保安検査で何か不審なものが見つかるとその場で開けて、持ち主に確認して、持ち込み可能なら預け荷物か機内持ち込みの手荷物のどちらかに移動したり、その場で捨てることもできたけど、今は自動荷物預け機です。
もし怪しいものが出てきたら持ち主に断ることもなく係官の判断で没収、つまり捨てられます。
現地に着いてからスーツケースを開けたら、あれがないこれがないということもありえます。
まあ貴重品はぜったい預けてはいけませんね。
PCと同期していない
このへんがポンコツアプリです。
スマホで文字をタイプするのはめんどうなのでPCで作っておいて、出先ではスマホで変更などしようと思ったら、PCとスマホで別の参照番号が登録されてしまいました。
じっさいはどうかわかりません。
でも、PCで作っておいて、出先でスマホでやろうとしたら、同期してないのでもう1度全部やり直さないといけないかもしれません。
それならまだまし。
問題は「その番号はすでに登録されています」とかいうエラーでスマホからはログインできないパターンです。
だからめんどうでもスマホで登録しました。
申請した (submitted) 2024-10-31
スマホアプリで申請しました。
泊まるモーテルの住所の入力でちょっと戸惑ったけどなんとかなりました。
unit, number, streetその他の項目が出てきてどこに入れたらいいかわからなかったけど、postal code (郵便番号) とtownのところ以外はひとまとめに入力したら問題なく受けつけられました。
空白があっても大丈夫です。
さて実態は?
入国審査
薬
NZeTAと並び今回はじめてのことでとても不安でした。
とくに薬の没収が怖かったんです。
ニュージーランドには1週間滞在するけど、前後の国内の移動も合わせると10日以上。
その間に薬が切れて禁断症状が出たらどうしよう。
薬物依存症か
いやまったくそのとおり薬物依存患者です。
潰瘍性大腸炎を患っていてアサコールが切れて出血と下痢がはじまったらグライダーに乗るのはもちろんのこと、まともに旅行ができません。
おじさんはこのために国内でも遠出をすることがすくなくなり1泊でもするのは大冒険といってもいいくらいでした。
それが海外旅行をするというのだから清水の舞台から飛び降りるか、燃え盛る火にあえて手を突っ込むかくらいの気持ちでした。
その恐怖とリスクを越えてもでもニュージーランドに行ってグライダーに乗りたかったんです。
ところが今回は入国審査で例外的なことが起きて薬はノーチェックになりました。
ていうかいちおう見せたんだけど、管理官はそれには目もくれずひたすら「food?」を繰り返しました。
それほど食べものには神経をとがらせているということです。
申告どおり、飴とティーバッグを見せたけどチラッと見て、さらに「food?」です
That’s all. これで全部です。
nothing else. 他にはありません。
これであっさり通過できました。
例外的なことというのは入国審査が長蛇の列で乗り継ぎ時間は3時間も余裕があったのに、2時間待っても通過できないくらい列が動かなかったので、門番に航空券を見せて「乗継便に間に合わない」と懇願したら、居住者の申告なしの列に通してくれたんです。
これについては別の記事で書きます。
このときおじさんは大慌てで管理官のところにスーツケースを置いてダッシュで立ち去ろうとしたら、管理官に「バッグ忘れてるよ」と言われてはじめて気がついたくらいです。
潰瘍性大腸炎。Ulcerative Colitis (UC) , IBD ~ トップページ
スマホは要らない
これもNZeTAとおなじくパスポートに紐づけしておそらく移民局のデータバンクにデータが保管されているのでスマホやアプリを見せる必要はありません。
当然ながらスマホにアプリがはいってなくてもOKです。
もちろん何か変更があったときのために旅が終わるまでは入れといたほうがいいです。
たいした容量は食わないので。
上に書いたようにPCとスマホは同期していないのでPCで申告してもいいけど、出先で変更できるようにスマホにアプリを入れてスマホで申請しておいたほうが安心です。
税関申告とは関係なくなるべく申告品は持たないほうがいい
これは入国審査の長蛇の列のためです。
申告なしのほうがとうぜん空いています。
それでも外国人 (ニュージーランドとオーストラリア以外の国の人) の列は長かったけど。
そう。
ニュージーランドなんだけどなぜかオーストラリア人はニュージーランド人とおなじ扱いなんですね。
カメムシのポスターが
なんと壁に1m四方くらいに拡大されたクサギカメムシの写真が貼ってありました。
こんなやつらがはいってきて迷惑してる。
持ち込むな!ということです。
いるんか。
ここにも。
いや、これも別の記事で書くけど、ニュージーランドにクサギカメムシがいました。
アオカメムシじゃなくて焦げ茶色のクサギカメムシね。
日本からやってきたのか?
分布は東アジアらしい。
発祥地はわからない。
でも岡山にはこれだけたくさんいるのに千葉の親戚の家に行ったらやっぱり見たことないと言ってた。
アオカメムシは見るらしい。
NZTDと関係ない話になってきた。
紙の申告書
そういえば機内で紙の申告書を配っていたのでまだ紙も有効かもしれないけど、旅行前に家でやっておいたほうがぜったい楽です。
スーツケースを開けた形跡はない
おじさんは重たいスーツケースなど嫌いなので今まではリュックの大きめのやつに車輪と取っ手がついたものを使っていました。
とても重宝しました。
まだ使えます。
でも今回はとても荷物が多かったのでしかたなしにスーツケースを買うことにしました。
もう2度と使うこともないと思うけど。
スーツケースを買ったからまた海外旅行に行きたい
スーツケースには番号の鍵がかけられTSAという国際的な合鍵で開けられるようになっています。
盗難防止のためでなく、とくに海外の作業員の荷物の扱いはひどいので衝撃で口が開いたら困ると思って、タイベルトを2本かけました。
ニュージーランドに行くときも日本に帰るときも開けた形跡はありません。
もし開けたとしたらあのめんどくさいベルトをまたていねいに縛り直したということになります。
むすび
ということで、申告はスマホのアプリでやっておきましょう。
3日前にならないとできない。
そのあとは何回でも書き換えられる。
入国審査場でスマホのアプリを見せることはない。
町の観光をする人は現地でたいていのものは買えるのでできるだけ食べものは持っていかない。
入国審査で時間を取られないためです。
乗り継ぎがなくかまわないという人はどうぞ持って行ってください。

