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「オンライン」「日本語教師」「感想」
徒然なるままに書きます。
生徒の質
みんなよく勉強してる!
せっかくレッスンを取ってくれたのになんですが、
「私が教えることないんじゃないの?」
「独学でそこまで勉強できるなら何もお金払ってレッスンを受ける必要ないんじゃないの?」
と思うくらい、みなさんよく勉強しています。
教材は?何で勉強している?
日本人みたいに教科書を買ったり、高い授業料を払って英会話教室に通ったりするのではなく、もっぱらネットの教材と、ビデオ、ユーチューブを駆使して勉強しています。
日本語の勉強をはじめたばかりといいながら、ひらがなはすべて覚えていて、カタコトで日本語を話します。
何よりこちらの言うことがわかるのがすごいです。
リスニング。聞き取る能力
わたしも英語を筆頭に、スペイン語、ドイツ語、モンゴル語なども勉強しましたが、「読み書き話す」は独学でそこそこいけます。
問題は「聞く」力が圧倒的に弱いことです。
「話す」ほうはあらかじめ考えてから自分のペースで話せばいいけど、「聞く」ほうは相手のペースと、相手の気分次第でどんな話題が出てくるのかわからないので準備できません。
日本人同士でもそうだけど、誰かがおしゃべりをしていて急にそこにはいると何を言ってるかわからないことがあります。
話題、何について話しているのかわかると、格段に話は聞き取りやすくなります。
無限ともいえる言葉と音の照合をする必要がなく、使われる言葉がかなり絞られるからです。
「スーパーの肉が安い」という話のときに、アインシュタインの相対性理論は出てこないんです😄
スーパー、肉、安い、買い物、お金、食べもの、チラシというように使う言葉がかぎられていて、あるていど予測できます。
話がそれたけど彼らはとにかく日本の映画、ドラマ、アニメなどを見まくって「聞く」力をつけています。
見習わないと。
われわれ日本人は身近に外国語を話す人がいる確率がとても低いので、外国語に触れる機会が少ないけど、外国にいる日本人はもっと少ないので彼らにはもっと不利な環境です。
でも、いまはネットで外国語に触れることがいくらでもできます。
生活レベル、知識レベルが高い
はじめる前はほかの人のブログなんかを見て
「外国人だから時間にルーズ」
「遅刻や無断欠席が多くて困る」
みたいな書きこみが見受けられ、心配していましたが今のところそのような人はいません。
仕事を聞くとソニー、三菱商事、大学の研究者なんて言葉がつぎつぎと出てきます。
考えてみれば、そもそも「けっして少なくないお金と時間と労力をかけて外国語を勉強する」人たちです。
パチンコ、麻雀、競馬しか興味のない人たちとはレベルがちがいます。
安すぎる
そのような人たちですから、逆に「先生の授業料は安すぎる!」と言われました。
よし!安心して値上げするぞ!
日本の経済について
「きょうは何の話をしましょうか?」
と尋ねたときの答えです。
わ、わたしは日本語の先生で経済学者ではありませぬ😅
いきなりそんな高度な話題を持ち出されるとは。
社会科はもっとも嫌いな教科でした。
タジタジとなるのを抑えて、
「日本の経済ですか?範囲が広すぎるので絞りましょう」
と冷や汗をかきながら、こわばった笑顔でいいます。
ビデオは顔が映るからごまかせませんね。
その生徒はいつも日本経済新聞の記事を読んでいるというので、その中から選んでもらいました。
中国軍がテスラの乗り入れを禁止するという記事でした。
テスラって何?
モスラの仲間🦋?
カッコつけてもしょうがないので「テスラって何ですか?」とこちらが聞く始末。
電気自動車で自動運転をするためにカメラや位置情報を得る装置などがついていて、その情報をアメリカの政府に送るおそれがあるからだそうです。
たぶん送ります。
いや、まちがいなく送ります。
ああ、みなさんはご存知ですね。
でも、結果的に質問して相手に日本語で答えさせるのは日本語の練習になりました (と日記には書いておこう) 。
生徒は生徒で楽しんでくれたようです。
生徒は国も知識も職業もさまざま
またまた言い訳になりますが、相手はじつにさまざまな背景を持っています。
だから、そのすべてに対して準備することはできません。
商社で働いている人もいれば、大学で数学の研究をしている人もいます。
その人にマーケティングや数学で対等に話ができるわけがありません。
広く浅く見聞を広げておいたほうがいいですが、わたしはスーパーマンではありません。
すべての分野で高い知識レベルを持っていたら、もっとほかの仕事をしていたでしょう。
教科書は嫌いな人も
わたしは外国語を勉強するときには教科書を買ってきてはじめから律儀にやります。
ヨーロッパの言葉はだいたいアルファベットなので問題ありませんが、他の文字をつかう言語なら文字を覚えるのが最優先です。
たとえば日本語ペラペラでもローマ字しか知らなかったら読める本はほとんどないし、日本に来ても困ります。
まあ、文字を勉強しない人に語学の達人はいませんが。
上に書いたようなよく勉強してしゃべれる人は、こちらが舌を巻くくらいの教科書 (本でなくてネットの教材でもかまいません) を利用しています。
文字と文法はぜったい必要!
文字をおぼえたら文法を勉強します。
これは外国語を勉強するのに必須です。
聞き流すだけでおぼえるなんてウソです。
聞くだけで文法を勉強しない人
かりに読み書きを練習せずに耳だけで会話をおぼえた人の言葉は、まちがいが多いです。
まちがっても気がつかないからです。
とりあえず意思疎通はできてしまいます。
スキーだったらとりあえずどんな斜面でも降りてこられるけどフォームはめちゃくちゃというやつです。
根本的なまちがいを知らずにずっとそれでしゃべっている人がいます。
会話ではまちがっていても意味が通じればだれもそれを指摘しません。
「大きいのところ」とか「それは面白いだと思うます」とかいうパターンですね。
意味はわかりますよ😄
ある外人は「います」を「いません」といいます。
否定形を肯定形と混同しているのではなく、耳で聞いただけなので「います」のつもりで「いません」と発音しているんですね。
平たく言えば訛ってるんだけど、「います」と「いません」では正反対の意味になってしまいます😄
また、教科書などで文法を勉強するのは嫌いで、とにかく日本語を話せるようになりたいという人は、けっきょく言葉が何一つ出てこないし、こちらの言うことも聞き取れないし、しかたがないので英語で答えたり、書いたりするとグーグル翻訳で意味を理解するけどちっとも日本語が上達しません。
上達以前のままですね。
短いフレーズを教えても、どの部分が何という意味かもわからず、どういう文法的な組み立てをしているのかわからないと、応用ができません。
わたしは別の記事で「単語単独で覚えるより、フレーズで覚えるのがいい」と書きましたが、それはあくまで文法的な知識があって部品を入れ替えるだけでつかえるという意味です。
変わり種
偽名
ある日リクエストがはいりましたが、その生徒の母語がオック語という60年生きてきて1度も聞いたことがない名前。
調べたらロマンス語系でカタルーニャ語に近いと。
名前はフランス人ぽい。
しかもほかに話せる言語は英語中級で、日本語は0!
住んでいるのはアジアの国。
どういうこと?
こりゃまず意思疎通に難儀するなと思ったけど、何より疑問なのはこの人はなぜ日本語を勉強しようとして、おじさんを選んだのか?
しかも日本語0なのにディベートがしたいと。
そりゃあムリじゃろ!
戦々恐々としてレッスンに臨んだんですが、フタを開ければ「偽名」
母語はテキトー。
個人情報を載せたくなかった
たしかにプロフィールは世界中の人がオンラインで見ることができます。
だから、本名やその他個人情報は載せたくなかったんだそうです。
いやあなたはそうかもしれないけど、おじさんはオック語を勉強しなければならないかと思いました😅
オック語についていろいろ調べました。
じっさいは発音は今ひとつですが日本語が通じました😄
臨機応変
ということで外国人に日本語を教えるのはこの言葉につきます。
カリキュラムと有無を言わさず教科書に沿って授業を進める日本語学校の先生と、何が来るかわからないオンライン教師はちがいます。
機に臨み変に応ず。
そもそも人生が台本のないぶっつけ本番の舞台。
すべてに備えておくのではなく、何が来てもそのときに対応する。
わたしは日本語教師をしています
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表示名はToshiです。