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「患者」「人間」「心」
患者は壊れた機械やオモチャではない ~ 心がある人間です❤
医者にしてみれば、毎日、数十人から百人ちかく患者を診るかもしれません。
人や物を相手にするという点では、コンビニの店員でも、修理工場の作業員でもおなじことです。
患者は壊れた機械やオモチャではない
医者にしてみれば、患者は壊れた機械やオモチャのようなものかもしれません。
故障箇所 (具合が悪いところ) 、故障や不具合の原因 (病原菌や肉体的な不具合) をさがして、それを見つけたら不具合を取り除き、修理 (治療) したり、給油などして整備したりして帰します。
患者の愁訴を聞いてほしい
患者はただ愚痴を言ってるのではなくて (中にはそういう人もいるかもしれないけど) 、自分の症状 (不具合状況) を正確に伝えることで、より正しい診断と治療 (修理) が、より早く、より正確に行われると思うからです。
車でも「どこか何か変なんだよねえ」だと、車屋さんは片っ端から車をぜんぶ見なくてはなりません。
でも、「ブレーキの調子が悪いんだけど」といえば、とうぜんブレーキ周りから調べます。
それも、だんだん効かなくなったのか、とつぜん効かなくなったのか、どこかにぶつけたかなどで原因や対処法が絞られます。
医者も看護師も患者の話を聞かない
マニュアル通り。
あるいは決めつけ。
極端な話、脚が痛いと言ってるのに足を見ずに、手を見る。
目が痛いと言ってるのに、ジオプトリーを測る眼科とか😄
まず患者の訴えをちゃんと聞いてください!
医者は患者 (物体) やデータを見ればわかると思っている
医者は患者の訴えなど聞かなくとも、患者の体 (物体) を調べればどこが悪くてどういう処置 (治療) をすればいいかわかると思っています。
足が痺れて痛くて病院に行ったのに、医者はおじさんの足を1度も見ることも触ることもありませんでした😮
いきなりレントゲンとMRIで撮影してその画像だけを見て異常ありませんと言っています。
もしかしたら目に見える外傷とか変形とか内出血があるかもしれないのに。
車だったら、燃料ははいっているか、電源は来ているかなどを見ないでいきなりバラしはじめるようなもんです。
もしかしたらただのガス欠とか、キーがOFFになっているだけかもしれないのに。
患者は人間であり心がある
患者は人間であり、壊れた機械やオモチャや車とちがい心があります。
おじさんはもう年で男でもあるので裸を見られることに関して恥ずかしいということはないけど、若い女性ならとうぜん気にするでしょう。
病院に来る人は、自分ではわからない不具合を持っているので、病気の種類や、治るのか治らないのか、治療にどれくらい時間がかかるのか、治療に際して大きな苦痛を受けるのか、治療費はどれくらいかかるのかなどという様々な不安を抱えています。
患者は医者に気を使っている
医者も病院も所詮、サービス業です。
店とおなじように、たくさんあります。
自分を持っていかなければならない
商品を買うなら通販で、どこでもいいです。
おなじ製品なら値段で比較してもいい。
でも、患者というのは「自分の体に不具合がある」ので、足を運んで自分が病院に行かなければなりません。
なるべくなら近いところがいいし、おなじ病院のおなじ先生のほうがいいです。
もちろんだれも自分から医者とケンカしようなんて思っていません。
だから先生の機嫌を損ねないように気を使っています。
でも、自分の症状はちゃんと伝えて理解してもらいたいし、その上で効果のある治療や処方をしてもらいたいと思っています。
また症状や治療についてきちんと説明してほしいし、疑問があれば質問して納得できるように答えてほしいです。
医師としては患者が来なくてもべつにかまわない
いっぽう医者からすればべつに患者が来てくれなくてもかまわないんです。
売り手市場
完全に売り手市場です。
病院はいつどこに行っても患者だらけです。
おじさんもその1人なんだけど
「なんでこんなに人がいるの?」
「ほんとにみんな病院に来る必要があるの?」
と思います。
青白い顔の人や、待合室のベンチに横になって唸っている人を見たことがありません。
おじさんはそういうことがあります。
這うようにして病院に来たのに待合室で和気藹々とおしゃべりしてる年寄りを見ると腹が立ちます。
こいつらのせいでほんとに具合の悪い人間が何時間も待たされる。
ほんとに具合が悪くて緊急を要する人だけ来てください。
話がそれたけど病院はいつも患者で溢れていて、病院側がセールスしたり、広告を打ったり、患者 (顧客) に媚を売ったりする必要はまったくありません。
はっきりいって殿様商売です。
病院の仕事がハードなのはわかりますが、山で木を切ったり炎天下の崖で草刈りしたりするほどではないと思います😅
病院や先生としては、もうすこし患者が減ってくれたほうがいいと思っているでしょう。
患者が持つ3つの不安
- 難しい病気ではないか?すぐ治るのか?それとも一生、治らないのか?
- これからどんな治療をするのか?それに伴う苦痛はどれくらい?時間はどれくらいか?
- 治療費はどれくらいになるか?
① 現在の自分の体の状態は?
微熱があるだけとか、ちょっと頭や喉やおなかが痛いだけとか、よくある風邪の症状や、日常的に起こるアレルギーの症状などなら病院に行きません。
激しい苦痛や今まで経験したことのない症状
高熱が続くとか、激しい下痢が止まらないとか、ほんとにこのままでは死んでしまうかもしれないと感じるときに病院に行きます。
もっともこうなると自力で行くのはむずかしくなりますが。
家族がいない一人暮らしの人は自分で動けるうちに病院に行きます。
また以前から背中や腰が痛むことはあっても日常的な生活に差し支えないレベルであれば病院に行きません。
それがある日突然、腰ではなく足に痺れを感じて立つことも儘ならなくなったら病院に行きます。
よくあることなら
「ああ、またこれか」
「しばらく休んでれば治るわ」
と不安を抱くこともないのですが、
今まで経験したことがない症状が突発的に起こって、しかも続くと
「変な病気じゃないだろうか?」
「治りにくい病気じゃないだろうか?」
と不安になります。
先生にお願いしたいこと
きちんと症状について説明すること
毎日、何十人おなじ症状の患者を見て、おなじことを言ってるから、医者にとっては当たりまえのことでも、患者にとっては「初めて」のことです。
医者にしてみれば、大した病気じゃないからほっとけば治るレベルか、薬を4~5日飲めば治るレベルかわかっているけど、患者にはわかりません。
ちゃんと患者に説明してください。
「家で安静にしていれば自然に治りますよ」
「薬を飲めば4~5日で治りますよ。もし良くならなかったらいつでもまた来てください」
などと言われれば患者は安心します。
今、つらい症状でも「数日で治る」「大変な病気にかかったわけではない」と安心します。
② どんな治療?時間は?
ただ家に帰って薬を飲むだけならいいけど、病院で何らかの治療を受ける場合は不安です。
それは治療や検査がほとんどの場合「苦痛」を伴うからです。
卑近な例で注射ですね💉
医者や看護師にしてみれば、注射なんて呼吸をするくらい当たりまえのこと。
でも、患者にとっては「痛み」があり、恐怖を感じる人もいます。
おじさんは子どものころ体が弱くてしょっちゅう病院に行って、注射をすると楽になるので注射が好きな変な子どもでした。
「先生、注射。注射して」
まるで麻薬患者のようです😄
先生答えて曰く
「あまり注射するのはよくないんだよ。ほんとに体の具合が悪いときだけね」
と逆にたしなめられました。
大人になってからあるとき、下手な看護師が血管に刺したら生まれて初めて激痛を感じてすぐ抜いてもらったことがあります。
べつの看護師さんが刺したらほとんど痛みは感じませんでした。
それ以来、注射は嫌いになりました。
この看護師さんは大丈夫だろうか?
あっ、看護師さんにお願いだけど、いくら慣れてるからって注射してるときによそ見しておしゃべりしないでね。
あなたにはリンゴの皮を剥くのとおなじように何でもないことでも、おじさんの体には針が刺さってるんだから。
とくに刺したあと血管の中で針を動かすと痛いです。
あれ、わかってない人多いですね。
自分たちもお互いに採血の練習もするだろうし、患者として採血されることもあるだろうに。
先生にお願いしたいこと
治療について説明すること
これまた医者にしてみれば、まいにち何十回と繰りかえされるルーチン。
でも、患者にとっては「初めて」のことです。
注射をするのか、血管注射か筋肉注射か、今すぐここで切り刻まれるのか🔪😅、麻酔はするのかしないのか、その苦痛の大きさは?その苦痛にさらされる持続時間は?などという不安があります。
心の準備は大事
注射をすると言おうと言うまいと、痛みはおなじかもしれないけど、心の準備があるのとないのとでは精神的な苦痛がちがうんです。
とつぜん有無を言わさず背中から刺されるのと、今から始めるということがわかり、それが10秒くらいで終わるのがわかっているのでは、精神的なショックがちがいます。
注射なら数秒で終わることは経験から知っていますが、医者には何十回、何百回、何千回、はたまた何万回としてきた治療や手術でも患者には「初めて」です。
やることと時間と痛み
「今からこういう治療をします」
「時間は15分くらいです」
「人によっては痛みを感じる人もあるけど、ふつうはそんなに痛くない治療です」
あるいは
「すこし痛いかもしれないけど我慢してください」
ということもあるかもしれません。
でも、「すこし痛いですよ」という説明も大事なんです。
そう聞いていればじっさい痛くても我慢できます。
でも、聞いてなければ
「この痛みはふつうじゃない。切る場所がちがうんじゃないか?ふつうは起きない問題が起きているんじゃないか?」などと不安を感じます。
それから、ほかにも何かするのか、これで終わりなのか。
複数の治療をする場合は、それぞれどんなことをして、どれくらい時間がかかるのかめんどうでも説明してください。
そんなに細かく説明する必要はありません。
だいたいイメージや時間がつかめれば患者は安心します。
信号待ちで「あと○秒」と出るか、30分でも1時間でも待たされるのかわからないのとでは精神的な負担がちがいます。
③ 治療費
これも大きな問題です。
ふつうの風邪やインフルエンザくらいなら知れています。
注射したり、薬はたいてい4~5日分くらいもらって、たいていそれで治ってまた病院に行くことはないということを経験から知っています。
でも、初めての病気や症状の場合、今日1日で終わるのか、しばらく通院しなければならないのか、場合によっては入院したり手術したりするのか、1カ月で終わるのか、半年、1年かかるのか、あるいはそれ以上か、それによって治療をつづけること自体も負担になるし、長引けば治療費がかさみます。
仕事や生活にも差し障ります。
また、レントゲンやMRIなどをつかうと治療費は高額になります。
先生にお願いしたいこと
治療期間と治療費
治療にかかる期間と、治療につかう医療器具とおよその金額を教えてください。
もちろん人によって治りかたはちがうので、あなたは4日と3時間25分で治ります、とは言えません。
「ただの風邪なので、薬飲んで4~5日ゆっくりしてれば治るでしょう」
くらいでいいです。
心の準備
腰痛、神経痛などわかりにくいものは、
「だいたい1週間くらいで治るでしょう。それで治らなかったらべつの治療をします」
とか
「今日はレントゲンとMRIをつかうので〇〇円くらいかかるけど大丈夫ですか?」
くらいの説明はほしいです。
5000円といったのに6000円だった!と怒ることはありません。
知りたいのは100円か、1000円か、10000円かという桁数くらいです。
2000~3000円くらいかな、と思っていて会計で10000円と言われたら、驚くとともにちょっと不信感もおぼえます。
最初から
「レントゲンとMRIやるから10000円までは行かないけど、それくらいかかると思いますよ」
と言われてれば、
「ああ、やっぱりそれくらいするんだ」
と驚かないし、納得します。
8000円だったら
「思ったより安かった」
とさえ思うかもしれません。
これも治療そのものとおなじで、だいたいの目安がわかっていると安心します。
ふつうの商品ならどうですか?
上に書いたことは当たりまえすぎることです。
車を修理に出すときに、どこが壊れているのか、どういう修理をするのか、いくらかかるのかもわからず車屋さんにすべてお任せしますか?
どこが壊れているのかもわからない、部品も交換したのかわからない、でも修理代は100万円しました。
問題ないですか?😄
あなたは気持ちよく100万円払いますか?
人間の場合、お金だけではなくて肉体的にも精神的にも苦痛を伴います。
また自分が動けないあいだ仕事はできないし、生活にも支障をきたします。
これが車や機械の修理とはわけがちがうところです。
耳が悪い🐰
おじさんはむかしから耳が悪いです。
障害者に認定されないくらいの中途半端な難聴です。
おじさんは難聴ですが、病院に来る患者は年寄りが多くて耳の聞こえが悪い人は多いと思うのですが。
唇を読む
おじさんはべつに読唇術を勉強したわけではないけど、耳が悪い人は知らずに人の口を注視して言葉を読むようになります。
聴覚が足りない分、視覚で補うわけです。
「〇〇さんて話すとき、人の顔をじっと見るよね」
と言われて、
「そうか。人の話を聞くときは人の顔を見るのが当然だと思うけど、耳が悪いからふつうの人より真剣に顔を見てるんだ」
と気がつきました。
顔を見るのは、唇を読むだけではなく、表情も読み取っています。
耳が悪い人によくある問題は、聞こえてないので適当に相槌を打ってると、相手が「質問」している場合があることです。
「うん、うん」
と相槌を打っていたら、とつぜん相手が黙りこんでこちらの顔をじっと見つめているので何かと思えば、相手はこちらに質問していたんです。
なのに、「うん、うん」しか言わなかったらおかしいですよね😅
だから、表情を見て、ただしゃべっているのか、こちらに質問しているのかまで読み取ります。
日本人はあまり人の目を見てしゃべらない民族なので自分が言いたいことを言ってるときはよそを向いていることが多いです。
でも、質問して答えを求めるときは相手の目をじっと見つめます。
それは完璧ではないけど、相手がそっぽを向いてしゃべっていたり、背中越しだとほんとにわかりません。
これは健常者でも相手の顔が見えない電話だと経験すると思います。
今、オンラインで日本語を教えていますが、このときもカメラが動いていれば、相手がゴソゴソやっていて、何かを調べているかノートにメモを取っているかなど想像できるのでちょっとしゃべらないで相手の様子を見守ります。
そして、相手の顔がこちらを向けばあちらの作業が終わって、こちらの話を聞く準備ができたことがわかります。
カメラが不具合で起動しなかったり、かくかく止まってしまうと、この「相手の様子を見る」ことができないのでとても話しづらくなります。
先生にお願いしたいこと
むかしから医者はカルテや患者の検査結果などのデータやレントゲン写真などに向かって、最近ではPCのモニターに向かってしゃべりますが、どうか患者のほうを向いて、しゃべってください。
そして、上に書いてきたことを患者に伝えてください。
ずっと向こうを向いてボソボソ言ってるので、ぜんぜん聞こえなくて診察が終わったことがわからないことさえあります。
後ろに立ってた看護師さんが「じゃあこちらへどうぞ」と言って、はじめて診察が終わったことがわかったこともあります😅
患者 (壊れたオモチャ) を見て、切り開いて、つなぎ合わせて「修理完了」ではなくて、症状や原因を説明して、患者が自宅でできること、やるべきこと、やってはいけないこと、食べ物、入浴、どんな症状が起きる可能性があるか、それは心配しなくていいことかどうか、どんなときにすぐ病院に行ったほうがいいかなどを説明してください。
マスク😷
感染防止の観点からお医者さんがマスクをするようになってきましたが、コロナで一気に全員がするようになりました。
これは難聴者にとっては最大の難関です。
上に書いたように、難聴者は無意識のうちに唇を読みます。
この情報が一切なくなるんです。
しかもマスクをしていればふつうの人でも聞き取りにくいはず。
モゴモゴ言って何を言ってるかわかりません。
さらにずっとPCに向かって話しかけています。
患者のほうを向いて、いつもより大きい声ではっきりしゃべってください。
大変かもしれないけどお願いします🙇
わたしは日本語教師をしています
プロフィール・レッスン予約はこちら。
表示名はToshiです。