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「たり」「断定」
「なら / たら」に行く前に「たり」についても書かなければならないんだけど、じつは「たり」が2種類あるということがわかりました。
いっぽうは現代の過去形の「た / だ」の元になった「たり」ですが、もう1つ、現代語のやはり「だ」 (紛らわしい😅) に相当する「たり」があります。
両者のちがいは、
前者が動詞に接続する。
後者が名詞に接続するということです。
現代語なら、
前者は「見た」「聞いた」「読んだ」の「た / だ」
後者は「これは花だ」「俺は男だ」の「だ」です。
たり
格助詞「と」+「あり」
→とあり→たり
と変化しました。
これも「なり」とおなじように現代では「だ」に置き換えられていますが、「たり」が「だ」になったのではなく「である」が「だ」に変わりました。
「だ」「じゃ」の語源 ~ 古語とのつながり ~ やまとことば
名詞+たり
名詞に接続します。
繰りかえしますが、動詞に接続するのはべつの「たり」です。
現代語なら、
「花だ」「車だ」「これだ」の「だ」です。
活用は
未然形:たら
連用形:たり / と
終止形:たり
連体形:たる
已然形:たれ
命令形:たれ
未然形に「たら」がありますが現代のいわゆる「タラレバ」の「たら」は動詞に接続するほうの「たり」の活用なのでおまちがいなく。
ほんとにややこしい😅
こちらの「たり」は漢文訓読などにつかわれ、日常会話でつかわれることはありませんでした。
だから形もあまり崩れていませんね。
物も言葉もよくつかわれるものほど擦り切れて形が変わっていきます。
タラレバの元になったほうの「たり」は活用が暴れまくっています。
例文
現代でもたまにかっこつけた言いかたでこう言います。
「男たるもの一度決めたことは最後までやる!」
いえいえ、そんなに肩肘張らないで😄
「けふは人のうへたりといへども、あすは我が身のうへたるべし」
現代語訳:
今日は他人の身の上のことだけど、明日は我が身だろう。
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