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「mortal」「死すべきもの」「人間」
the mortal 死すべきもの=人間!
mortal モータル
英語で「死すべきもの」「かならずいつかは死ぬ運命にある」という意味です。
the mortal, mortalsで「人間」「人類」を指します。
なんと西洋のほうがブッダの世界観を持っています。
各国語
スペイン語 mortal モルタル
ポルトガル語 mortal モルタウ
フランス語 mortel モルテル
イタリア語 mortale モルタレ (i mortali 人類)
<ラテン語 mortālis モルターリス<mors モルス (死ぬこと)
mortar (モルタル。砂利のはいってないコンクリート) とは字面も発音も似てるけどまったく関係ありません。
こちらの英語の発音は「モーター」です。
ドイツ語
ドイツ語はゲルマン系の言葉なので、字面はまったくちがうけど考えかたや意味はおなじです。
Sterbens-seele シュテアベンス ゼーレ。死すべきもの (魂) =人間
die gewöhnlichen Sterblichen ディー ゲベーンリッヒェン シュテアプリッヒェン。ふつうは死ぬもの=人間
<sterben 死ぬ
ドイツ語のsterbenは、英語ではstarveになっています。
starveは現在は「餓死する」という意味になっていますが、古くは「凍死する」という意味でした。
ロマンス語 (英語とラテン語の関係)その1~ノルマン・コンクエスト
人はかならず死ぬ。当たりまえ!
人だけではなくあらゆる生きものは、いつかかならず死にます。
生きものだけでなく、すべてのものはいつか滅び消えていきます。
たとえば宇宙とか、原子でさえも。
でも、それは当たりまえのことです。
永遠のものなどない
「祇園精舎の鐘の音。諸行無常の響きあり」ではじまる平家物語。
諸行無常
すべてのものは常ならぬ。
日本人は悲観的に、ネガティブに捉えがちですが、
「永遠に変わらないものはない」
「すべては変化する」
という意味で、かならずしも否定的な意味だけではありません。
つまり、「死ぬ」ことがめずらしくないように、「生まれる」こともめずらしくありません。
「生まれれば」いつか「死にます」
宇宙もいつか終焉をむかえますが、いっぽう新しく生まれてくる宇宙もあります。
西洋人は仏教が広まっている日本人よりはるかに達観していますね。
mortalは、もちろん「人間」という意味だけではなく、ほんらいの「死すべきもの」「かならずいつかは死ぬ運命にある」という意味でもつかうので彼らはそのことをよく認識していると思います。