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「Uターン」「ブレーキターン」「アクセルターン」「スイッチバック」「林道」「行き止まり」
バイクそのものも体がむき出しで、さらにオフロードを走ること自体が危険を伴います。もちろんオンロードでも危険ですよ。
ここに書いてあることも広い場所で安全を確保した上で練習してください。
できないことはけっしてムリにやらない!
面倒でもバイクを降りて押しましょう=^^=
くれぐれも自己責任でお願いしますよ✌
道幅がない行き止まりでUターンする方法
TT-Raid250では最小旋回半径は2.1mでした。
セロー250は驚異のハンドル切れ角51°! だけど、それでも1.9mです。
降りて押したり引いたりするのが無難だけど、ちょっとコツをつかめばUターンが楽になります✌
ブレーキターンからアクセルターン
ブレーキターンからアクセルターン。
道の端に寄ります。
リアブレーキは右足なので、右に寄って左に回るほうが楽です。
ただ、アクセルターンそのものは反対の右回りのほうが楽です。
やってみればわかるけど、左回りだと左手で車体を支えるのでクラッチ操作がむずかしくなります。
ギアを1速に入れ、クラッチを握ったままリアブレーキをロックさせます。
これで90度くらいまでは回ります。90度まわらなくても、いくらかでも向きが変わればすくない道幅で回れます。
後輪のスライドが止まらないうちに、アクセルを開けてクラッチをポンとつなぎます。
バイクはできるだけ寝かしたほうが後輪の反トルクによる旋回力が生まれます。
作用反作用の法則ですね✌
バイクが起きていると、反トルクは縦方向に働くのでウィリーしてしまいます。
アクセルターンは力学的に、水平方向のウィリーです。
バイクは倒しても人間は起きていましょう。
アクセルを戻すとグリップが回復してバイクが起き上がります。
平らか、下り坂で有効。
登り坂ではかなり勢いをつけてもむずかしいです。
失敗したら崖落ちや立木に衝突の恐れがあるところでは絶対やらないこと。
転んでも人馬ともダメージの少ないところで練習してください=^^=
ガレ場やぬかるみなどでは使えません。
動画はこちら↓
アクセルターンはむずかしいです(^_^;)
路面の状況、バイクの性格、ハンドル切れ角や、馬力、タイヤのパターン、人間の背丈、腕力、脚力とありとあらゆるもので変わります。
スリップダウンはいいほう。
怖いのはとつぜんグリップしてハイサイド食らうことですね。
バイクを倒しても体は起こしておきましょう。
そうすればバイクの下敷きになることはありません。
おじさんもこの動画は何回も撮影してそのうち何本かが使えるレベルかと(^_^;)
スイッチバック。登り坂
登り坂でUターンしたいとき。
道の真中に止まります。
端っこに止まるとハンドルを切ってバックするときに、フロントが道の外にはみ出してしまいます。
ハンドルを切ってバックします。
登り坂なのでブレーキを放すだけで下がってくれます。
ハンドルを真っ直ぐにもどして前進。
前進するときはハンドルを真っ直ぐにしないとハンドルを取られます。
フロントブレーキをかけるとフロントが沈むので、その反動を利用してバックします。
フロントサスが沈んでいるのがわかりますね。
バックするときにハンドルを切ります。これを繰りかえすと向きを180度変えることができます
前進してフロントブレーキをかけたところ。
フロントサスが沈んでいます。
向きがじゅうぶん変わったらあとは下にハンドルを向ければOK!
動画はこちら↓
ポイント
リアブレーキが踏めたほうがいいですが、崖の方には絶対、前進しないこと。
飛び出さないまでも、フロントが落ちたら引き上げられなくなります。
かならず土手 (山肌) にぶつかるほうに前進すること。
一度で回そうとせずに、すこしずつ何回もやること。
ちょっと物理
興味ない人は飛ばしてください(^^)
タイヤのグリップというのはタイヤと路面の摩擦係数によるんだけど、もう1つ大事なのが「荷重」です。
物理で習った
F=μN
恐れないでくださいね。
これは至極かんたんなことを、いかにもむずかしそうに説明する学者たちの悪いクセです(^^)
μ (ミュー) は摩擦係数。
「滑りやすさ (滑りにくさ) 係数」と言いかえてもいいですね=^^=
乾いたアスファルトなら滑りにくいので数値が大きい。砂利や濡れた路面なら滑りやすいので数値が小さいです。
N (ニュートン) は垂直抗力です。かんたんに言うとこれが「荷重」
重いものほど動きにくいと考えてください。
おなじ畳の上でも、紙の箱なら指1本で動くけど、思いタンスはてこでも動かない。
これも経験上みなさんご存知のとおりです。
F。これが「摩擦力」です。
滑りやすさ (滑りにくさ) とその上にどれだけ重さがかかってるをかけたものが、摩擦力です。
「重さは変わらないよね? 」と思うかもしれないけど、下り坂ならフロントに、登り坂ならリアにより多くの荷重がかかります。
全体の重さは変わらないんだけど、それがどっちのほうに多くかかるかです。
前に8割なのか、後ろに8割なのかということですね。
ふつうはフロントブレーキのほうがより効くということを経験上みなさんは知っていると思うけど、登り坂でバックするときはフロント荷重はスカスカなので、フロントブレーキをかけてもロックしてズルズルと後ろに下がって怖い思いをしたことはありませんか?
登り坂で止まったときはリアブレーキのほうが効きます。
なので、できればリアブレーキを踏める方向がいいんだけど、
「崖」がどちらか? が最優先にして絶対条件です!
スイッチバック。土手当て
上のスイッチバックとおなじです。
土手にぶつけてその反動でバックするので、より楽に回れます。
片側、もしくは両側が土手 (山肌) になっているときはこの方法が楽です=^^=
平らか登り坂で有効。下り坂ではバックできません。
土手の反対側、つまり崖側に停まります。
あまり崖に寄ると落ちます。ほどほどに。
ハンドルを切って土手の方に。
いったん止まってハンドルを真っ直ぐにしてから土手に突っこみます。
土手にぶつけるときはハンドルを真っ直ぐに。
ハンドルが切れてるとハンドルが取られてコケます。
土手にちょっとだけ乗り上げたらクラッチを切ってバック。そのときにハンドルを切ります。
後ろの崖から落ちない程度にバックしてから、また土手に向かって前進します。
何回か繰りかえすと向きを180度変えることができます。
ハンドルを真っ直ぐにしてから土手に突っこみます。
土手にあまり乗り上げると足が届かずに立ちごけします(^^)
じゅうぶんに向きが変わったらハンドルを切ってUターン完了!
動画はこちら↓
ポイント
土手に突っ込むときはかならず「ハンドルは真っ直ぐ」
ハンドルがすこしでも切れてるとハンドルを取られてコケます(^^)
それから突っ込むときは、車体を垂直に。
傾いてるとやっぱりコケます。
それともう1つ。
あまり乗り上げると足が届かずにコケます(^^)
おじさんはTT-Raidのとき、足が届かずよくコケました(^_^;)
究極のターン。サイドターン
と、ここまでやってきたのに、取っておきの裏技があります。
TT-Raidでは重くて、足が届かずUターンでしょっちゅう倒してました(T_T)
そこで編み出したのがこの技!
サイドスタンドが曲がる、折れる可能性があるので、あくまで「自己責任」でお願いしますね=^^=
バイクを簡単に回す方法。サイドターン
押しがけ (跨りがけ)
これはUターンと関係ありません。おまけです=^^=
押しがけ。というより跨りがけ=^^=
平らか下り坂で。登り坂はムリです(^^)
ギアはニュートラル。クラッチを切っていてもバイクは湿式クラッチで抵抗があるので押すのが大変です。何とか勢いをつけても跨っているうちに失速してしまいます。
キーをオンにします。
平らなところなら一所懸命押して走って、勢いがついたら跨ります。
下り坂ならちょっと押すだけであとは自然に下ってくれます。
アクセルは開けず、クラッチは握ったまま2速 (タイヤがロックする場合は3速) に入れてクラッチレバーをポンと放します。クラッチがつながる瞬間にシートの後ろの方にお尻をストンと落とすと後輪の荷重が増してタイヤがロックしにくくなります。このような砂利の路面でもタイヤが回ります。
立ち上がって
お尻をストン!
この瞬間にクラッチもポン! とつなぎます。
動画はこちら↓
注意! つながった瞬間にアクセルをあおったりしないように。
エンジンがかかった瞬間にアクセル全開ですっ飛んでいった人がいます(^^)
撮影場所:林道作備線。大佐が見える昼飯ポイント付近です=^^=
林道。作備線 (岡山県)はこちら
クラッチの握りかた。2本指✌
たぶん教習場では、4本使いなさいと教わったかもしれないけど、林道などの荒れた路面や、とくにアクセルターンなどするときに4本放してしまうとハンドルから手が離れてしまいバイクを支えられません。
なのでおじさんはチョキの2本がけにしてます。
クラッチを握ったところ。
レバーがグリップまで握れないので微調整が必要です。
クラッチが切れないと薬指と小指が痛い思いをします(^^)
かといって、あまりゆるゆるだとクラッチがつながらず滑りっぱなしになるのでしっかり調整してくださいね✌
動画はこちら↓
フロントブレーキの握りかた。3本
こちらも教習場では4本で握りなさいと教わったかもしれないけど、おじさんは3本で握ります。
人差し指はアクセルグリップを握ったままです。
フロントブレーキをかけたところ。
4本とも放してしまうとハンドルから手が離れてしまうのと、シフトダウンのときにアクセルをあおれないからです。
GPライダーのロッシは3本、マルケスは人差し指1本。
時期や、コーナーによっても変えるようです。
物理的に人差し指がいちばん支点 (レバーの取付軸) に近いので大きな力が必要になります。
テコの原理で支点から離れた小指側がいちばん小さな力で動かせます。
ブレーキそのものの効き、性格、レバーの長さ、形、取り付け位置、人の指の長さ、握力 (指力? ) 、ブレーキングを重視するのか、アクセルコントロールを重視するのかなどさまざまな要因があるのでこれが正解というのはありません。
自分でやってみていちばん「やりやすい」のが正解です。
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