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「血」「水」「濃い」「諺」
血は水よりも濃い
「血」は家族のつながり。
それは水よりも濃い。
家族の絆は何にも代えがたい、ということです。
英語では
Blood is thicker than water.
そのまんまですね。
血は水よりも薄い!?
英語圏でも上に書いたような意味で使われています。
ところがもとはもっと長い文章で、省略したために意味が変わってしまいました。
The blood of the covenant is thicker than the water of the womb.
長いですね。
順を追って見てみましょう。
blood:血
covenant:契約。発音は[kʌvnənt]カヴナント゜
thick:濃い。thicker than ~より濃い
water:水
womb:子宮。発音は[wú:m]。ウームです。
covenant
契約といえば contract, agreement がふつうです。
covenant は特別な言葉です。
とくに旧約聖書に出てくる
the Land of the Covenant 約束の地
Ark of the Covenant 聖約の箱
などのように、「ユダヤ人と神の契約」でつかわれます。
旧約聖書
旧約という言いかたは、キリスト教徒があとから新約聖書をつくったので、それに対して「旧い (ふるい) 」ということでつけたものです。
「約」は「契約」です。
だから「訳」ではありません。
ユダヤ教徒には「旧約聖書」がすべてなので、他人から「旧い」などと言われたくはないもんです。
何をもってユダヤ人かイスラエル人かはおじさんには理解できないので、専門家にお任せします😅
最近では「ヘブライ語聖書」とか「ユダヤ教聖書」などと呼ばれるようです。
小乗仏教
仏教でもおじさんが子どものころは「小乗仏教」と「大乗仏教」なるものがありました。
「小乗仏教は自分だけ助かる」心の狭い仏教だと習いました😄
これもあとから出てきた「大乗仏教」派の人が、かってに見下してつけたもので、現在はつかわれていません。
現在では「上座部仏教 (テーラワーダ) 」と呼ばれています。
上座部は長老の意味。
また南伝仏教ともいいます。
日本に伝わったのは中国のお坊さんが持ってきた北伝仏教ですね。
しかし日本に伝わった仏教はただ「念仏を唱えてお縋りする」だけ、あるいは墓と葬式とだけ結びついたものになってしまいました。
ブッダがやりたかったことは死者を弔うことでも、それでお金を集めることでもありません。
ブッダはやさしくも厳しくもあり、「信仰を捨てよ。わたしにも縋るな」とさえ言っています。
自灯明法灯明にそのすべてが込められていて、何物にも縋ることなく自分を頼りに生きろ!と言っています。
ブッダは「苦」の原因を突き止め、どうしたら「苦」をやっつけることができるのか。
死んでから天国に行くのではなく、生きてる間に幸せになろうという、もっと現実的、日常的、生活に即したリアルな生き方を研究して、みんなにその方法を教えていたんです。
ただの呪文みたいなお経は、サンスクリット語 (文語) ではなく、じつはパーリ語という口語で庶民にわかりやすく書かれた処世術です。
現在のお寺では、人の心を救うような活動はまったくしていませんね。
おじさんは修学旅行で説教を聞いて、そのときはいいなと思ったけど、今思うとその坊さんは「とにかく頑張れ」ということしか言っていなくて、ほんとに心が痛み、弱っている人を救うものではありませんでした。
寂聴さんは、ほんとに苦しんでいる人の心をやさしく包んでくれます。
おっとだいぶ話がそれたけど、これがおじさんのブログ😄
womb
子宮です。
上に書いたように、発音はウーム。
仲間に tomb (墓) トゥームがあります。
これはギリシャ語 túmbos から来ているのでこんな発音なのかもしれないけど、詳細は英語圏の人に聞いてください。
たぶん彼らも知らないだろうけど😄
あと comb (櫛) コームがあります。
こっちはなぜかクームじゃないんですね。
昆布じゃないですよ。
the water of the womb で羊水のことです。
赤ちゃんが浸かっている水のこと。
専門的には amniotic fluid です。
覚えなくていいです😄
羊水=血=家族
だから後ろの「水」のほうが、じつは「家族」とか「血のつながり」を表しているんです。
契約の血
順番が前後したけど、前のほうの「神との契約の血」のほうが「家族の絆の水」より「濃い」と言っています。
言葉どおり
血>水
なんだけど、
血が家族の絆ではなく、水のほうが家族の絆を表しています。
それより強いのが「神との契約」です。
家族より「他人の」神さまとの約束のほうが強いということですね。
あっ、これはおじさんが言ったんじゃなくて、むかしのキリスト教徒かユダヤ教徒が言った言葉なんで誤解なきよう🙏
遠くの親戚より近くの他人
神との契約とはちがうけどこんな言葉もあります。
いざというとき、困ったとき助けてくれるのは「血のつながった家族」ではなく「近くにいる赤の他人」のことが多いです。
これはおじさんもよく経験しています。
むすび
ということで「血は水よりも薄い」
「血」は「家族」ではなく「神との契約」ということでした。
でもおじさんは今の使いかたはまちがってるなどと言うつもりはまったくありません。
言葉は生きている。
言葉は時代とともに変わっていくもの。
わたしは日本語教師をしています
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