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「暗算」「概算」「概数」「およその数」「店先」
学校やふだんの生活で役に立つものから、どうでもいいものまで(^^)
暗算
ビール1箱 (24本入り) 4382円!
1本いくらでしょう?
とくべつな暗算能力者でなければ店先で暗算することはできません。
概算 (がいさん)
こういうときは「概数 (がいすう。およその数) 」を使います。
1箱25本入りということにして、その分、値段のほうも四捨五入ではなく切り上げて4400円にします。
割る数と、割られる数を「両方とも」大きくすることで、よりほんとの値段に近い数字がでます。
100 ÷ 4 = 25 ⇔ ÷ 25 = 4 ÷ 100 です。
25で割るのはむずかしいけど、4倍して、100で割るのはかんたんです。
100で割る ⇔ 0 を 2 コ取る
100で割るというのは、0を2コ取るだけなので。
もちろん都合よく下に0が2コ並ぶとはかぎらないので、桁を2つ下げればいいだけのことです。
ビールの場合で言えば、おおまかに1本200円くらいなので、答えが20円とか、2000円になったら「おかしい! 」と気づいてください=^^=
4 をかけるのもむずかしい?
4 = 2 × 2 ⇔ 2回、2倍にすればいい
どちらが先でもいいです。
先にかけ算すると数字が大きくなるし、4400円と都合のいいことに下2桁が00なので、まず「00」を取ってしまいます。
44 になりました。
あとは2回、2倍するだけです。
2倍すると、「88」
もう1回2倍すると繰りあがりがあるので少しめんどう。
え~い。おまけだ!
こういうときは「44」を「45」にしてしまいましょう。
45 × 2 = 90
これなら簡単でしょ。
もう1回2倍します。
90 × 2 = 180円!
出ました!
じっさいに電卓を叩いてみてください。
183 円でした。
これだけ数字を変えたのに、ほぼ正確な数字が出ました。
25mプール。何往復したら1000m泳げる?
25 × 4 = 100 です!
片道で4回泳ぐと、100m。
1000 ÷ 100 = ?
1000 ÷ 100 = 10 なので、片道で考えると
10 × 4 = 40 回です。
往復なので、半分の 20回ですね。
1往復50m → 2往復で 100mという考えかたもあります。
概算だけでなく正確に知りたいとき (応用編)
24 × 16 = ?
ちょっとこのままではムリですね。
じゃあ、これでは?
25 × 16 = ?
これなら上でやったとおり、「 25 」が「 4 」コで「 100 」だから、
「 16 」から、代わりに「 4 」を借りてきてしまいましょう✌
( 25 × 4) × (16 ÷ 4)
👇
100 × 4
= 400
さて、「 24 」を「 25 」にしたことで、いくつ大きくなってしまったんでしょう?
(25 × 16) – (24 × 16)
= (25 – 24) × 16
= 1 × 16
= 16
だから、この増えてしまった「 16 」を上の「 400 」から引けばいいんです。
400 – 16 = 384
これくらいなら暗算でできますね。
いくつ大きくなってしまったかのところは、わざわざ計算式を書いたけど、慣れてくるとイメージでわかるようになります。
縦に1列16人並んで、横に25列並んでる人を想像してください。
この人数を計算して、余分な1列16人をあとから引けばいいだけのことです。
16人、25列書かなくてもいいから、縦横に人が並んでる絵を「○」で書くとわかりやすいです。
約数を移動するだけで
15 × 18 = ?
このまま暗算するのはむずかしいですね。
おじさんも無理です。
こういうときは、「18」を「2」で割って、その「2」を代わりに「15」にかけてあげます。
何でそんなめんどうなことを?
まあやってみてください。
(15 × 2 ) × (18 ÷ 2)
👇
30 × 9
30 × 9 = 270 ですね!
これは法則はないので、いつも「どうやったらカンタンに計算できるか? 」を考える習慣が必要です。
速度の換算
km/h ⇔ m/s
これはよく出てきます。
車のスピードは km/h
風速は m/s をよく使います。
車で時速60キロって、秒速にするとどれくらいなんだろう?
台風情報なんかで、風速25メートル以上の暴風域って、時速にするとどれくらいなんだろう?
と思うことはありませんか?
km/h → m/s
これはそのまま数字を入れて計算します。
1 km = 1000 m
1 h (時間) = 60 (分) × 60 (秒) = 3600 (秒)
$$\frac{1000 m}{3600 s}$$
$$=\frac{1}{3.6}[m/s]$$
つまり、時速を「 3.6 」で割れば、秒速が出るということです。
「 4 」で割るには、2回「 2 」で割ればいいです。
もっというと、2回「半分こ」にすればいいんです。
時速 60キロは、秒速 何メートル?
60 km/h を「 4 」で割ると、15。
およそ 15 m/s という概数がでました。
「 4 」で割って、1桁ずつ小さくした数を足していく
「 4 」で割っただけでも、充分なんだけどもっと正確に知りたいという方には、続きがあります。
具体例で、60 km/h を m/s に直す続きをやりましょう。
「 15 」という概数がでました。
あとは、「 1.5 」「 0.15 」「 0.015 」…と1桁ずつずらして無限に足していくんです。
すると、「 16.66666666…」という数になります。
まあ、電卓で計算してもこんなに小数点以下いらないですよね。
「 16.7 m/s 」か「 17 m/s 」で充分でしょう。
なぜ、1桁ずつずらして足すと正確な数に近づくの?
$$\frac{1}{3.6}=\frac{ 1 }{4 × 0.9 }$$
$$\frac{1}{0.9}=\frac{10}{9}=1.111111…$$
「 4 」で割ったあと、「 0.111111…」のところを足していくわけです。
今度は反対のパターンをやってみましょう。
m/s → km/h
台風情報です。
「明日未明、関東地方も風速25 m/s を超える暴風域に入る模様です」
風速 25 m/s は、時速 何キロ?
「 3.6 」をかけます。
でも、「 3.6 」をかけるのはむずかしいので、「 4 」をかけます。
25 × 4 = 100 [ km/h ]
正確な数字が知りたい人は
「 4 」をかけて、「1割 」引きます。
上の例なら、
100 – 10 = 90 [ km/h ]
なぜ4倍して、1割引くのか?
$$3.6=4\times0.9$$
$$0.9=1-0.1=1-\frac{1}{10}$$
これも、「 0.9 」をかけるより、「 0.1 」引く、つまり「 1割 」引くほうがカンタンでしょう。
もっというと、「 1桁小さくして 」引けばいいんです。
日常的には「4で割る」または「4をかける」で充分です。
ノット kt
日本ではふつうつかいませんが飛行機の世界では風速にノットをつかいます。
knot はロープの結び目のこと。
もとは長さの単位。
地球の緯度の 1分 に相当します。
地球の1周 40000km (40000×1000 m) ÷ 360 ÷ 60 です。
1 kt = 1852 m
約 1.8 kmとおぼえておけばいいです。
海里
日本では「海里 (かいり) 」と訳されています。
英語では nautical mile。
速さの単位としてもつかわれ、1時間に1ノットを1ノットといいます。
まぎらわしいですね。
速さとしてつかうときは
1 kt = 1852m/h です。
おおざっぱに 1.8km/h なので下の灯油の計算とおなじ方法がつかえます。
日常的には 2km/h と思っていて差し支えないです。
m/s は?
概数で 1 kt ≒ 1800 m / 3600 s = 0.5
わかりやすいですね。
半分にすれば m/s になります。
たとえば台風の中心の最低基準の風速 34 kt ≒ 17 m/s です。
マイル
アメリカは自分が世界基準だと思っているので、いまでもマイルをつかっています。
約 1.6 km です。
海里と区別するために、こちらは陸マイルということもあります。
海里は海マイル。
概数としては 1.6 ≒ 1.8 なので
1 mph (時速1マイル) ≒ 1 kt と思ってもいいでしょう。
メートル法との換算のときは 1.5 をつかいます。
アメリカでは statute mile (法定マイル) といいますが、いろんなマイルがありそれぞれ微妙に長さがちがいます。
でも 約 1.6km です。
時速 (速さ) の計算 ~ おぼえかたはこちら
灯油18リットルはいくら?
18 = 20 – 2
20倍して「 1割 」引きます
「 2 」は「 20 」をかけたものから見ると、「 1割 」なんです。
もとの値段から考えるとまちがえます。
数式にしてみると、イメージがつかめるかな。
$$18=2\times9=2(10-1)=20-2$$
18リットルいくらで売ってるとき1リットルはいくら?
20で割って、1桁ずつずらして足していくんだけど、これは暗算ではちょっとむずかしいです。
20で割るのが関の山でしょう。
風速のところでもそうだったけど、2 × 9 = 18。
この「 9 」が「 1割 」にかかわってきます。
考え方は風速と同じなので気になる人は考えてみてください=^^=
どうでもいい知識(^^)
「 3 」の倍数と余りの知りかた
ぜんぶの数字を足して「 3 」で割り切れれば、その数字も「 3 」で割り切れる。
たとえば「 528 」
5 + 2 + 8 = 15
1 + 5 = 6
「 6 」は「 3 」で割り切れるので、「 528 」も「 3 」で割り切れる。
「 3 」で割り切れないときは「余り」になる
「 529 」でやってみましょう。
5 + 2 + 9 = 16
1 + 6 = 7
「 7 」は「 3 」で割ると、「 2あまり1 」になります。
なので、「 529 」も「 3 」で割ると、「あまり1 」になります。
「 9 」の倍数と余りの知りかた
これも「 3 」でやったときと同じです。
たとえば「 738 」
7 + 3 + 8 = 18
1 + 8 = 9
「 9 」で割りきれます。
これも、「 9 」以外の数字になったら、それが余りです。
これを「九去法」といいます。
あいてがえらんだ数字をあてる! 「九去法」
「 2 」の倍数
いわずもがな。
偶数です。
1の位が、「 0、2、4、6、8 」のどれかですね。
「 5 」の倍数
1の位が、「 0 」か「 5 」。
「 6 」の倍数
偶数で「 3 」で割り切れれば。
たのしい算数・みのまわりの数学 ~ 一覧
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