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「未来少年コナン」「カリオストロの城」「天空の城ラピュタ」
未来少年コナン
コナンというとほとんどの人は「名探偵コナン」のことだと思うでしょう。
あれはあれでいいのだけど、おじさんはぜったい「未来少年コナン」です!
さいしょの案は「未来少年コナンとラナ」だった
今でいう「ダブル主演」
コナンとラナはどちらがメインでどちらがサブではなく、2人ともメインです。
原作
なぜ原作が必要だったのかわかりません。
ただ宮﨑駿さんが選んだのではなく「押しつけられて」しかたなしにだったようです。
アレグザンダー・ケイの「残された人びと」という本ですが、コナンとラナという名前だけで、内容はまったくちがいます。
はじめから宮﨑駿さんのオリジナルでよかったんではなかったんでしょうか?
原作が有名で広くみんなに知れ渡っているならともかく、だれも知らない本です。
アニメでつかわれてはじめてその存在が知られたのではないでしょうか。
おじさんもアニメのコナンを見てはじめて原作を知り、読んでみましたがとにかく最終戦争のあとの暗い雰囲気と描写だけでおもしろくもなんともありませんでした。
コナンもラナも元気がなく希望も夢もないキャラクターでした。
はっきりいって読まないほうがいいです。
宮﨑駿さんの世界 ~ 冒険活劇
ロマンスということばのもとになった「ローマの騎士道物語」といってもいいです。
「魔法使いや魔女に囚えられ、城に幽閉されたお姫さまを、王子さまが助けて結ばれる」
という鉄板の物語です。
romance
読んで字のごとく「ローマの」という意味でした。
ローマで書かれた騎士道物語がかくのごとしだったので、いつしか「恋愛小説」「恋愛事件」というような意味になりました。
ロマンス語というれっきとした言語があります。
残念ながら「恋愛に用いることば」ではありません💦
永遠の美少女ラナ
いい年こいたダイス船長がメロメロになる美少女です。
いわゆるロリコンていうやつですね。
そういうおじさんもラナが好きでした!
絵が得意ではないおじさんが、一所懸命に練習したのはメーテルが最初。
そして、ラナ。
それからきまぐれオレンジロードの鮎川まどかです=^^=
唯2のDVDは「未来少年コナン」と「トムとジェリー」
唯一といえないので、唯2です。
50年以上生きてきて、買ったDVDはこの2つだけです。
なんど見てもおもしろい!
理由は「なんど見てもおもしろい」からです。
はじめて見て、この先どうなるのか?というおもしろさもあります。
でも、この2つは「結果がわかっていてもおもしろい」のです。
動きとやり取り
動きとやり取りがおもしろいから。
動き
アニメーションのいちばんの面白味は「動き」です。
それがないなら「紙芝居」か「文字」でいいのです。
じゃあ実写でいいのでは?
たしかに現在ではCGでどんなことでもできるので実写でもできるけど、それはもはや「実写」ではないですよね。
CGの技術はすごいな!と感心するけど、やはりリアリティがなく、嘘くさいのです。
ジャッキー・チェンは特撮、CGをつかわないので、その迫力、リアリティは体に感じられます。
ほんらいアニメーションは実写ではできない動きや設定を表現する1つの手段でしたが、その中にも「リアリティ」がないと見ている人は「嘘くさい」と感じて、感情移入できなくなってしまうのです。
これは宮﨑駿さん自身がいってます。
しょせん虚構の世界なんだけどそこにリアリティがないと見る人を惹きつけることができない。
そのためにはアニメーター泣かせの指示を出します。
やり取り
登場人物の軽妙なかけあい。
ことばの遊びなど。
表情の変化やリアクションが富んでいると、それはなんど見てもおもしろいのです。
さまざまなエピソード
ブスラナ
コナンがひと目見て好きになる美少女でなければならないのに、第1話でブスラナが出てきて宮﨑駿さんはショックを受けました。
それから原画をすべてチェックするようになりました。
1話のラナは前髪パッツン。
そのご、ふんわり、サラサラヘアーで、風になびく髪になっていきます。
ラナに対する思い入れ
「怒ったときでもかわいく描くこと」
宮﨑駿さんの絵コンテにはこのように書かれています。
NHK特番に救われた
宮﨑駿さんの要求するレベルが高くて、放映に間に合わなくなりました。
なんども真っ白い画面が放映される悪夢を見たそうです。
NHKだったのでときどき特番がはいって助けられたということです。
原作での名前
物語がアメリカ対ロシアの設定なのでインダストリア関係の人物や物の名前がロシア語です。
モンスリーはマンスキーだった。
ファルコはチャイカという名前だった。
ロシア語でカモメという意味です。
ファルコはfalcon (ハヤブサ) からつけたのでしょう。
ネバーエンディングストーリーにはファルコンという犬🐶のような顔をした龍🐲?が出てきましたね。
コマ落とし
一般的にアニメーションは1秒に24枚の絵を書いて動かします。
1分だと24×60=1440枚。
30分番組だと1440×30=43200枚。
これを毎週、書かなくてはなりません。
オープニング、コマーシャル、エンディングがあるのでもうすこし少なくなりますが。
未来少年コナンはNHKでの放送だったのでコマーシャルがありません。
これはアニメ制作会社、アニメーターにとっては不利な状況でした。
コマーシャルの代わりに間にパタパタ (キャラクターが3枚の板で動く) を入れて、尺を稼ぎました。
将来、民放で再放送になったときのためという話もあるけど、それは編集すればいいことなので、やはり少しでも書く枚数を減らしたかったというのが本音でしょう。
コマ落とし
そして、もう1つつかわれたのが「コマ落とし」
24枚律儀にぜんぶ書かないで、2コマに1枚とか、3コマに1枚にするのです。
2コマに1枚にすれば、1秒に12枚。
3コマに1枚にすれば、1秒に8枚ですみます。
とうぜんパラパラ漫画のように動きがギクシャクしてしまうのですが、コナンが画面に向かって走ってくるときにコマ落としにすることでより近づいてくる動きの変化を表しやすいという効果もありました。
でも、手数を減らしたいというのが本音でしょう💦
のこされ島が新大陸に!
じつはこれ、ダイス船長役の永井一郎さんのアドリブです。
台本には「のこされ島に錨を下ろせ」と書いてあったんだけど、永井一郎さんが「新大陸に錨を下ろせ」といったんです。
リハでこういったところ、監督が「よし!それいただき!それで行こう!」とセリフが変えられました。
永井一郎さんはサザエさんで波平さんの声を担当していました。
小原乃梨子さん
コナンの声です。
ドラえもんののび太の声を担当していました。
耳のいい人はのび太の顔が思い浮かんだといいますが、おじさんはその事実を知ってもコナンはコナンでした。
足の指
コナンは足の指を手の指のように動かすことができます。
おじさんも足指で物をつかむ練習をしました。
リアリティ
コナンがラナを抱きかかえて三角塔から飛び降りる
ぜったい生身の人間ならありえないんだけど、着地したときにコナンの足がしびれ地面にはりつき、ガニ股で走っていくことでリアリティを感じます。
ギガントの浮上
ギガントの離陸シーンは語り草になっています。
大きなものはゆっくり動く
ちょっと話は逸れるけど、おじさんたちは子どものころ「ウルトラマン」に夢中になっていました。
円谷プロの「特撮」です。
ウルトラマンや怪獣を大きく見せるにはどうすればいいか?
だれでも考える。
町の建物を小さくつくれば着ぐるみの人が大きく見えるじゃないか。
たしかに動かなければそれでいいです。
ところが、じっさいに小さなビルを建てたセットでウルトラマンと怪獣が戦うシーンを撮影してみると、
「着ぐるみを着たウルトラマン役と怪獣役の『人』が、小さくつくった模型のビルを壊している」ようにしか見えなかったんです。
それはなぜか?
大きなものはゆっくり動く
ということを知らなかったんです。
ウルトラマンの身長は40mくらいの設定です。
たとえば30mのビルが破壊されて倒れるとします。
30mの高さから物が地面に落ちるまでは何秒かかかります。
でも、模型の1mくらいのビルだと一瞬で床に転がります。
人は経験的に高いところのものは低いところのものより地面に落ちるのに時間がかかることを知っています。
だから、いくら精密につくった模型でも、「おもちゃのビルを壊してる」としか見えなかったんです。
高速度撮影してスロー再生する
なので、円谷プロはウルトラマンと怪獣が戦うシーンを撮影してからスロー再生しました。
すると、ほんとに30mくらいあるビルが倒れているように見えたんです。
だから、ウルトラマンや怪獣の動きはゆっくりですよね。
これもウルトラマンがジャンプしてすぐ着地したら「人間」にしか見えないんです。
ゆっくり飛び上がってゆっくり着地すると40mある「巨人」に見えるんです。
フィルム代がかさむので3分にした
ウルトラマンの胸にはカラータイマーがあり、「地球上では3分しか活動することができない」という設定でした。
でもほんとうは、ウルトラマンと怪獣の格闘シーンでは高速度撮影をするためのフィルム代と、まいかい破壊される町のセットにお金がかかり、予算の関係で「3分までにしようね」ということになったんです。
ギガントもできるだけゆっくり動かした
アニメーションなのでスロー再生する必要はありません。
できるだけゆっくり動かしました。
そして、そのまわりをファルコがチョロチョロ飛び回る。
これでギガントはとてつもなく巨大な構造物に見えたんです!
もとはギリシャ語
ラテン語
Gigantēs 巨人族<Gigās 1巨人
英語のgiantはうしろのgが脱落してます。
でも、形容詞はgiganticです。
G (giga ギガ、109) もここからつくられた単位です。
ギガントの翼を走るコナンたち
翼の上をふつうに走ったらせっかくのギガントもハリボテになってしまいます。
風圧を考慮してコナンは翼の前縁を走ります。
そして、ちょっとでも翼の上のほうに行くと風で流されて、翼の上をうしろに飛んでいきます。
映像研には手を出すな!
このアニメでは冒頭「未来少年コナン」のギガントの上を走るシーンが出てきます。
この物理法則にかなったリアルな動きを絶賛しています。
題名は「のこされ島のコナソ」です。
宮﨑駿ワールド
残念ながら「未来少年コナン」はあまり視聴率が上がりませんでした。
こんなにおもしろいのに!
緑と茶色を混ぜたようなシャツに焦げ茶色のパンツ。
主役としては人目を惹きつける色ではありません。
おまけに1話でブスラナが出てきてしまい💦
受け継ぐもの
宮﨑駿さん
未来少年コナンが受け入れられなかったので、その後も焼き直ししたものをつくっています。
おじさん的には、未来少年コナンっぽい物語がどれも好きなんですが。
とくに
「ルパン三世 カリオストロの城」と「天空の城ラピュタ」
その物語の流れはこうです。
女の子が流れ着く。現れる。降ってくる。
- 悪者に追われ、すぐさらわれる。
- 男の子がお城に助けに行く。
- 女の子はふつうの女の子ではなく特別な家柄で特別な事情を持つ。
- みな両親がいない。
ヒロインの女の子はみな、可愛くて賢くて性格がよくて、王子さまがピンチのときは王子さまを助ける強さも持っています。
お嫁さんにしたいキャラクター第1位です!
世間の女性からは
「こんな女、いねえ~よ。男のわがまま!」
という冷たい声が聞こえてきます😅
アニメの10代の主人公は親がいないのがお決まりです。
なぜなら親がいれば、
「そんな危ないことしちゃだめ!」と親に止められてしまうでしょう。
自由奔放に飛び回るには親が邪魔なんです💦
いやけっして親を否定してるわけじゃないですよ。
物語の設定上、邪魔なんです。
さまざまな飛行機械。空飛ぶ乗り物が登場します。
ジェット機ではなくプロペラ機。
アクロバットもそうなんだけど、ジェット機よりプロペラ機のほうがおもしろいです!
ラナ
世界を破壊し、これからの世界の運命を分ける太陽エネルギーの鍵を握るラオ博士の孫。
船 (バラクーダ号) から逃げてのこされ島に流れ着く。
クラリス
公女
冒頭、なぜか車で追われてる。
カリオストロの秘密を握る指輪を持っている。
シータ
王女
飛行船から落ちる。飛行石の力で墜落をまぬかれ、パズーのもとに降りてくる。
ラピュタの鍵を握る飛行石のペンダントといくつかの呪文を持っている。
相当するキャラクター
ルパン三世 カリオストロの城
コナン→ルパン
ラナ→クラリス
レプカ→カリオストロ伯爵
天空の城ラピュタ
コナン→パズー
ラナ→シータ
レプカ→ムスカ
コナンは1978年、カリオストロの城は1979年に公開されています。
カリオストロの城は宮﨑駿さんの初監督作品。
ぜったいコナンのリベンジだと思います。
ルパンが屋根の上を走っていって止まらなくなり、ジャンプするシーンなどどう見てもコナンです😄
同じシーン
おそらく偶然ではなく、わざと。
パズーとシータは壊れる木の橋にぶら下がります。
三角塔からコナンがラナを連れて逃げるとき雨樋のようなものが折れてぶら下がるシーンを思い出しました。
どちらもけっきょく落ちます。
パズーとシータは飛行石によって助けられ、コナンはラナを抱えて素足で着地します!
最後のほうでムスカがラピュタから光線を放ちます。
パズーがぶら下がっているんだけど、三角塔でコナンが砲塔につかまってぶら下がっているシーンにそっくりです。
園丁ロボットが投下されるパイプ。
コナンで三角塔に張り巡らされたシューター。
幸せの予感
池辺晋一郎さんの主題歌や挿入曲もよかったですね。
おじさんはエンディングのこの曲が好きです。
歌詞がちがうバージョンがあるみたいですが、シングル盤はこの歌詞だったと思います。
アシガール
アニメーションでもないし、宮﨑駿ワールドでもないんだけど、アシガールを見ていて「コナンだ!」というシーンやセリフがいくつも出てきます。
作者またはドラマの制作者がコナンファンなのでは?と思いました。
AshiGirl 「アシガール」の考察~「未来少年コナン」との共通点~時間旅行~ひげおじさんのつぶやき