努力はムダと感じた瞬間 ~ この世は運が牛耳っている!そして不公平なもの!

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「努力」「ムダ」「運」「不公平」

努力はムダ

まず断っておきますが、「努力すればしただけ報われる」というのは虚言です。

努力さえすれば報われるのであればみんなもっと努力するでしょう。
そこには

「努力しても報われない」
「運に左右されるほうが大きい」
「かならずしも能力ある人が認められるわけではない」

という悲しい現実があります。

成功談はまったく当てにならない

スポーツで活躍したとか、起業して大儲けしたとか、そういういわゆる「成功者」の話や書物に触れる機会が多いでしょう。

ただ運が良かっただけ

かれらはまるで

「自分の能力」
「自分の努力」

でそれを手にしたかのように謳いますがとんでもない思い上がりです。

かれらは運が良かっただけです。

あなたより能力があり、あなたより努力したけど浮かばれなかった人は山ほどいます。

しかし、成功しなかった人の話は世に出ないので知らないだけです。

サッカー部

おじさんが小学生のときです。
当時は野球が主流でもちろんJリーグなどありませんでした。

おじさんは棒でボールを打つより、足で蹴るほうがおもしろかったのでサッカー部にはいりました。
なにより楽しいので一日も部活を休んだことはありません。
だれよりもまじめに練習をしました。

小学校6年生のときに対抗試合がありました。
おじさんは背の順でいつもいちばん前。
かけっこでもいつも3番か4番。
4人中で😄

練習熱心より図々しい奴

おじさんは「パス、パス」と言われるとボールを渡してしまいます。

親や教師から「人のためになること」「人に譲ること」「人に遠慮すること」「でしゃばりはよくない」という教育を受け、それを律儀に守ったためそういう人間になってしまいました。

しかし、その結果待っていたのは…

補欠

いやな言葉と役回りです。
要するにレギュラーにはいれないということです。
要するに戦力でないということです。
誰かが倒れたときだけ出られる予備。

補欠はおじさんをふくめ3人でした。

レギュラーになったのは練習にもぜんぜん来ないで試合の直前になってやってきて、人からパスをもらうけど人にはパスを与えない図々しい奴でした。

まあ、顧問の先生もその程度の人だったということだけど。

それでもおじさんは試合を応援しました。

負傷者出る!

ラッキー!

いやいや、人の不幸を喜んではいけない。
でも、補欠が出られるのは負傷者が出たときだけ。

3人のうちの1人がはいることになりました。
そこはジャンケンとかではなく先生が選びました。
おじさん以外の人を。

そして、またもや負傷者!

選ばれたのはまたしてもおじさんでない人。

そして3人の補欠のうち2人は出場を果たし、1度も試合に出ることなく終わったのはおじさんただ1人。
対抗試合は2度となく卒業しました。

「まじめ」「努力」の空しさ、無意味さを学びました。

日本の航空界の貧しさ

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ここからはおじさんのじっさいの経験です。

おじさんは大学のとき韜晦大学の航空部にいました。
韜晦大学は検索しても出てきませんので。念のため。

グライダーを知らない人はごめんなさい。
ハンググライダーではありません。

エンジンがついてないけど、風防があり、コックピットがある飛行機です。

銅賞

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エンジンがないのでふつうは紙飛行機のように滑空して降りるだけです。
でも、上昇気流があると高度を上げることができます。

鳶が羽ばたかずにどんどん上がっていくのを見たことはないでしょうか?
空に興味のない人は見ないですね🐦

そのためには上昇気流の中にはいってそこにいつづけなければなりません。
それには技術も必要ですがもちろん運も必要です。

2時間滞空 (空にいつづけること) すれば「銅賞」という賞がもらえます。
それなりの技術を身に着けたよということです。

しかし、これもインチキでじつは1時間を2回やればもらえるんです。
意味ないじゃん。

おじさんはこの1時間×2で銅賞をもらいました。

といってもおじさんがインチキなのではありません。

1時間しか飛ばしてもらえなかったからです。

部員の数が多すぎ

とうじ部員は30人もいました。
だから朝からウィンチ曳航をやって60発上げても、1人2回しか飛べないんです。

それも1回5分。
たったの5分ですよ!

そんな環境で1人で2時間貸し切りなんてできません。

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だから、おじさんは昼休みに、それも鋼管羽布張りの複座機で1時間飛びました。

2回ともASK13という複座機です。
Ka-8というやはり鋼管羽布張りの単座機がありましたがおじさんは空いてる機体がないので複座機に1人で乗りました。

まだ飛べるけど降ろされる

気象条件としても、技術的にもまだ飛べます。
2時間は飛べるでしょう。

でも、複座機は訓練につかうので1人で2時間貸し切りというわけにはいきません。
だから、1時間飛んだら無理やり降ろされるのです。

わざわざダイブ全開で。

ここに日本の航空界の貧しさがあります。

山岳滑翔と5時間トライ

おじさんは1時間×2という不本意な方法 (自分の能力ではなくて、機材と部員数という外部の問題) でとりあえず銅賞を取りました。

つぎは「銀賞」というのがあります。

「5時間滞空」と「獲得高度5000m」です。

気象条件がよくても1時間しか飛ばしてもらえない。
これじゃ無理だな。

なにか他の方法はないかと模索していると部室の「青焼き」から古い資料が出てきました。

「青焼き」ってむかしの印刷方法の1つです。

山岳滑翔 (斜面上昇風)

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ふつうの滑空場は日本ではほぼ100%河川敷にあって、上昇気流は地面が温められたことによるものです。
サーマルといいます。

thermal (サーマル) って熱のことです。

これが5時間つづくことはなかなかありません。

それに対して斜面上昇風というのは、山の斜面に風が当たって行き場のない風が上に行くものです。
季節風などで一定の向きで吹いていれば、ずっと上昇気流があるわけです。
極端な話、夜でもあります。

古いデータですが、グライダーの滞空記録は33時間くらいだったと思います。
とうぜんパイロットは2人。
トイレはないのでオムツです。

おじさんは「これだ!」と思い、当時はインターネットなどなかったので、いろんな書物で独学で勉強して、できる滑空場にコンタクトして、そこを借りる手配から、宿の手配、貸しぶとん (こんなもの今の人は知らないだろうな) の手配!、グライダーやウィンチなどの機材の運搬などあらゆる手配をして実現にこぎつけました。
ネットがないのですべて電話です。

もちろんおじさん1人の力ではできません。

教官はいなければならないし、ウィンチマン、リトリブなどが必要です。

しかし、山岳滑翔の研究、座学、滑空場や宿の手配はほとんどおじさん1人でやりました。

ひとえに

おじさんが5時間飛びたかった

からです。

ウィンチの陸送もおじさんがやりました。

冬の碓氷峠。

とつぜんの降雪。
チェーンを積んでなかったので途中のガソリンスタンドで買って巻きました。

運転席の三角窓が割れるトラブルで真冬の雪が降る碓氷峠を冷たい外気を浴びながら運転しました。

そこまでやって飛ばしてもらえなかった!

日没があるので5時間飛ぶにはできれば午前中の早い時間からのほうがいいです。

風向がよくても1日1回1人しかできません。

はっきりいって30分とか、1時間とか、ふだんの河川敷の合宿でサーマルで飛べるどうでもいい人たちが飛んで、おじさんは5時間トライのためずっと待ってました。

そんな人はわざわざここに来ないで!と思いました。

やることがないので近くの山に登ったり。

まず教官!?

これはまったく寝耳に水でした。

5時間トライができそうなかっこうの気象条件の日がやってきました!

すると、そこに来ていた教官がまだ5時間飛んだことがないので飛ぶというのです。
それも本人じゃなくて「〇〇がまだ飛んでないから飛ばしてやってくんねえか?」というのです。
ずるいです。

さすがに教官じゃ「ダメ」といえないですよね。
じつに卑怯なやりかたです。
依頼を装った命令です。
ジャイアンのように「俺様が飛ぶんだよ。文句あっか!?」のほうがまだ潔いです。
ほんとに。
人の善意や弱みにつけこむのがいちばんいやらしいやりかたです。

これは予定にはいっていませんでした。

5時間飛びました。
めでたしめでたし。
えっ?そうなの?

つぎに4年生!?

1週間ほどの合宿中に2回めのチャンスがやってきました。

5時間トライをするのはすでに2時間飛んでいた人なので、おじさんと4年生の山○先輩の2人がいました。

正直言って、この山○先輩は「何もしていません」

おじさんがすべて調べ上げて、段取りしてこの合宿を実現したのです。
もちろんおじさん1人ではできません。

でも、この山○先輩は「何もしていません」

準備するわけでもわけでなく、1人自家用車で直接、滑空場にやってきました。
黄色い車でしたね😄

どっかのお坊ちゃまです。

おじさんは3年生でした。

4年だから絶対というわけではなかったんだけど、「おじさんは3年生だから来年がある」と思い譲ってしまいました。

そこで「俺が計画して準備して段取りしたんだから俺が飛ぶ権利がある」とは言えませんでした。
心ではそう思ってました。

何も「努力してない」こいつが人のお膳立てでなんで飛ぶんだ!?とも思いました。
いまでも思います。

そして、心ならずも譲り、山○先輩は5時間飛びました。

そして合宿終了!

翌日、合宿最終日。
機体をばらして帰らなければなりません。
午前中すこしばかり様子を見ましたが風はなく、撤収することになりました。

何の成果もなくウィンチ陸送

おじさんはただ他の人たちに山岳滑翔をさせてあげるために、自分の時間と労力をかけ、この合宿を実現させ、機材の運搬をして、ウィンチ、リトリブをして、何も得られませんでした。

山○先輩は自家用車で帰りました。

いちばんの悔しさはトライできなかったこと!

これがトライしたけど4時間で降りてきてしまいました、というなら諦めもつきます。
自分の技量もあるけど、多分に「風」の影響があります。

まあ、はっきりいって技量より99%「風」です。

風さえ吹いてればよほど下手っぴでないかぎり、5時間でも10時間でも浮いてられます。

おれはいったい誰のために骨を折ったのか?

自分が5時間、それも山岳滑翔したいから、資料をひっくり返し、インターネットのない時代に本で勉強して、滑空場と宿を手配し、陸送もして、ウィンチもリトリブもしたのに、

まったく努力も勉強もしてない人が自家用車で来て飛んで、自家用車で帰っていった!

きっとこの人は5時間のありがたみもわかってないにちがいない。

来年はなかった!

4年生は学業、就職と忙しいので、幹部は3年生が務めます。

3年生が動かないかぎり山岳滑翔は実現しないのです。

誰一人感謝も尊敬もしていない

誰もおじさんに感謝もしていないし、尊敬もしていません。
ただの「いい人」。
いや、そこまでの認識もないだろう。
棚からぼた餅くらいの感覚でしょう。

もちろんおじさんは感謝や尊敬されるために合宿をやったのではありません。
ただひとえに自分が山岳滑翔をしたかったから。
それだけ。

そして結果はお膳立てして、骨を折って、ぜんぶ人に持っていかれたということ。

努力はムダ!

このことは50歳すぎても忘れることはできず、おじさんは「努力することのむなしさ」をひしひしと感じているのです。

人生はコスパ悪すぎ。そして不公平

努力したぶん返ってくるものではありません。

というより、努力したら見返りがあると思わないほうがいいです。

運が良かっただけの人

あなたたちは運が良かっただけです。

あなたより何十倍も何百倍も努力して報われなかった人が数え切れないほどいます。

あなたは自分の能力でも、努力でもなく、たんに運と、あなたのまわりにいる数え切れないほどの人の努力と尽力で今のものを手にしたということを忘れないように。
あなたの力ではありません。
あなたの陰で泣いている人がいることを知ってください。

ひげおじさん
いやあ、ムリだろうな。こういう連中はだれのおかげで自分がいるかなんて考えたことなどないからな!
さっちゃん
まあまあ、そのうちいいこともあるよ、って言えない年だね💧
ひげおじさん
そうなんじゃ。若ければ、またそのうちにって思えるけど、もうすぐ人生終わりじゃし!
クマ
譲って後悔するなら、ここぞというときは人と対立しても突っ張ったほうがいいってことだね!

2024年11月 ニュージーランドで山岳滑翔

このままでは死んでも死にきれないので、61歳にしてニュージーランドへ行き、山岳滑翔をしてきました。
リベンジにはなりません。
自分の金と自分の金をつかって行ったのだから。

ただこのまま1度も山岳滑翔をしないで人生を終わったらきっと成仏できないので、行って飛んできました。

世界一役に立たないおじさんのニュージーランド旅行記 ~ wave flight mountain soaring 山岳滑翔

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