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「草刈り」「注意事項」「メンテナンス」「初級」
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機械に付属の取扱説明書を読んでください。
あくまで一般的な草刈り機について書いてあります。
おじさんはKioritzとは何の関係もありません。
この機種は軽くていいです。
初級。入門編
超初心者の方へ。
そんなことは知っとる、というかたは中級編へどうぞ。
燃料
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混合ガソリン
+
で、2ストローク (サイクル) 用のオイルを混ぜたガソリンをつかうことがわかります。
最近は、ほとんどガソリン:オイル=50:1です。
念のため説明書で確認してください。
ただのガソリンやオイルが少ないものをつかうとエンジンが焼けて壊れます。

ガソリンを入れたらしっかりフタを閉めましょう。
ただし、程々にね。
締めすぎればネジ山を破壊してしまいます。
しかも相手はプラスチックなので。
フタを閉めたら逆さにして燃料が漏れないか確認します。
エンジンのかけかた
燃料を入れたらプライマーポンプを押します。
プライマーポンプ
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5回くらい押します。
とくに決まりはなく、1度かけたあとなら必要ないし、しばらく使ってなかったときは中に空気が溜まっているのでガソリンが満たされるまで押します。
パーコレーション
また、夏の暑いときに日向に置いておくとパーコレーションを起こすことがあるので、そのときもガソリンが満たされるまで押します。
パーコレーションとは燃料の通り道のまわりが暑い (熱い) とき、ガソリンが気化してしまう現象です。
ビートルなど古い車ではたまにあります。
チョーク choke
chokeは「首絞め」「窒息」という意味です
より正しい発音は「チョウク」です。
チョークだとchalk。つまり白墨という意味になってしまいます。
エンジンが冷えているとき
「閉」または「ON」にします。
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中の状態
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エアクリーナーからエンジンへの穴が閉じています。
これで空気がはいらなくなります。
まさに「窒息」状態です。
これで燃料がたくさん出ます。
→混合気が濃くなります。
エンジンをかける前の注意
スロットルがアイドル (全閉) の状態であることを確認。
もし歯が回っても安全であることを確認。
できれば地べたより、歯は浮かせておいたほうがいい。
草刈り機本体は持ち上げるより、地面その他にしっかり押さえつけたほうがいいです。
スイッチON
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スイッチをON (始動) にします。
機械によっては
1:ON
0:OFF
の表示のものもあります。
海外のチェーンソーや電気製品などはこのパターンが多いですね。
STIHLのチェーンソー
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上から0、1
半分チョークに、全チョークです。
日本の製品は日本語で書いてもらったほうが親切です。
リコイルスターター

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ここではつまんでいますが、しっかり握ってください。
スターターハンドルを何回か引いて、ブルンといったらチョークをもどします (開にします) 。
これも程々ですが、紐をちぎらない程度にしっかり引ききりましょう。
中途半端に引くと、エンジンがかからなかったときピストンがもどり、ハンドルが引っ張られて手を傷めることがあります。
ちゃんと引ききれば引っ張られることはありません。
目一杯引いた状態からゴムパッチンのように手を放すのはスターターの紐やバネを傷めます。
エンジンがかかれば引っかかることはないのでやさしくもどしてあげましょう。
バイクもキックペダルを踏み抜かないと、エンジンから跳ね返されて稀に足を骨折することがあります。
いわゆるケッチンというやつです。
エンジンが温まっているとき
1度エンジンをかけてからあまり時間が経っていないときはチョークを
「開」または「OFF」にします。
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中の状態
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空気穴が開いているのでたっぷり空気を吸いこみます。
→混合気が薄く (標準に) なります。
チョークを使うかどうか、何回くらいスターターハンドルを引いたらかかるかは、機械の性質と気温・湿度によります。
ずっとおなじ機械を使ってると癖がわかってきます。
慣れてくると、チョークをONにして、ブルンといった瞬間にすかさずチョークをもどせばそのまま回りつづけます。
かぶる
チョークをONのままエンジンがかからないと、燃料が出すぎて「かぶる」という状態になります。
燃料と空気はちょうどいいバランスがあるので濃すぎてもエンジンがかかりません。
燃料が出すぎたのか、まだ足りないのか、このへんの判断はむずかしいけど慣れてくるとわかるようになります。
かぶったらチョークをもどして、スターターハンドルを何度も引けば、中の濃い混合気が出ていってそのうちかかります。
いちいちプラグを外す必要はありません。
保護グッズ
肩紐

かならずしましょう。
めんどくさいといってしない人が多いですが、斜面で転倒したり、キックバックを受けたときに全開で回っている歯が自分に当たって切り刻まれる可能性が大いにあります
それもできるだけ短くしましょう。
動きにくいからといって長くしていたらしていないのとおなじです。
動きやすいということは、草刈り機の歯も自分に届きやすいということです。
自分で草刈り機を持ち上げなくてもいい長さ
安全のためであることはもちろん、草刈り機を自分の腕の力で持たなくていいためにあります。
短すぎて窮屈で動きにくければ本末転倒です。
ただ動きやすいからと長くすれば肩紐をしている意味がありません。
してないのとおなじです。
安全のためだけでなく、草刈り機を持ったときに両腕の肘が軽く曲がるくらいがちょうどいい長さです。
肘が伸び切った状態だと、あなたは作業中にずっと草刈り機を自分の力で持ち上げていなくてはならないのでとても疲れます。
カバー
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これもかならずします。
というか、本来ついているんだけど邪魔だといって外してしまう人がいます。
また、それが仕事人とか、カッコいいとか勘違いしてる人がいます。
カッコ悪いです。
はっきりいって「わたしはバカです」と大声で人に知らせているようなもんです。
柔らかい草と土だけならいいけど、そんなところはありません。
石、小枝、さらには欠けたチップが高速で飛んできます。
とてもよけられるスピードではありません。
カバーにヒビがはいったり欠けたりしたら新しいものに交換します。
ホームセンターなどでも売っています。
だいたい2カ所、ボルトで留まっています。
頭は+や凸六角、凹六角などです。
保護メガネ
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保護メガネ ~ 草刈りその他
中でも目はいちばん大事なところです。
足くらいなら痛いですむけど目に当たればあなたは2度と物を見ることができなくなるかもしれません。
草刈りどころじゃありません。
仕事も生活も儘ならなくなります。
安全長靴
足はいちばん物が飛んでくる確率が高いところです。
短めのものをつかったことがありますが、膝下に破片が飛んできて何度も痛い思いをしました。
膝下まであるほんとうの長靴にしましょう。
そして、爪先にはガードがはいっているものを。
斜面などで動きにくいときに草刈り機を手前に引きすぎて自分の爪先を刈ってしまうことがあります。
肩紐を短くすることであるていど防げます。
また、草むらには蛇がいるのでその点でも長靴がいいです。
地下足袋はこれまた「職人じゃ」と勘違いしてる人が多いですが、爪先のガードがないので歯が当たれば爪先を切ってしまいます。
また、ゴム長靴ほどの強度と厚みがないので蛇に噛まれれば足まで貫通するし、笹を刈ったあとなど切り株が側面から刺さります。
雨が降ってなくても下が濡れていれば足はビショビショ。
長靴でもおなじことは起きますが、足袋は斜面に下向きに立ったときとくに親指の先が痛くなります。
耳栓
耳が聞こえなくなってもいい人以外はしましょう。
おじさんは生まれつき耳が悪いですが、不便ですよ。
メガネは1万円くらいで買えるけど、補聴器は最低でも10万円からです。
5万円くらいのものは使いものになりません。
しかもメガネとちがって電池がいる。
電気製品なので雨や水に弱い。
しかも寿命は5年くらいと言われています
マスク
ホコリを吸わないためですが、破片から顔を保護する意味もあります。
できれば顔全体を保護するヘルメットがいちばんいいですが、それはけっこうなお値段がするのでしないよりは紙や布製のマスクをしましょう。
手袋
言わずもがな。
軍手は滑るので滑り止めのついた手袋がいいです。
棘やアブやハチに刺されることもあるので手の甲も厚手の革のほうがいいです。
長時間やる人は防振手袋もいいです。
持ちかた
肩紐は左肩に。
機械は体の右に。
左手が前で、右手がスロットル部分に来ます。
ギターを弾いてる人はわかりやすいと思うけど、左手がネックのほうで、右手が胴のほうです。
歯を回す
回転速度と安全レバー
スロットル (アクセル)
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いろんなタイプがあります。
安全レバー

むかしはスロットルを開けるとその位置とその回転数で回りつづけるものしかありませんでしたが、何かあったときに回りつづけているのは危険です。
考えてみてください。
車やバイクのスロットルは手を放すともどるでしょう。
草刈り機はスロットルを手で開けながら作業すると手が疲れるし、草刈り機を動かすたびにスロットルが動いてしまうのでスロットル固定のものが多いです。
ただ、最近は安全レバーを握らないと回らず、転倒したときなど手を離せばアイドルにもどるようになっている物が多いです。
このレバーはグリップといっしょに握るので力は要りません。
刈る方向

基本は右から左
基本は右から左です (刈る方向1)
でも返す刃でも切れます
左から右はもどすだけという人がいるけど、いえいえ歯は全周についているので左から右も刈れます (刈る方向2)
でも、これだと右に向かうときはすでに刈ったところを通るので「もどるだけ」になってしまうのもむべなるかな。
だから、おじさんは低くて柔らかい草のときは、左に刈るときはすこし向こう側を刈り、右にもどすときはすこし手前を刈ります。
のの字、8の字
歯の動きとしてはc, e, ひっくり返った「のの字」、あるいは8の字を描きます。
こうすると効率がいいしもう一ついいことがあります。
抵抗が減る
歯先だけで刈るととうぜん草の抵抗を受けます。
でも、前後の歯が草の中にはいると、右と左におなじ力がかかるので抵抗が少なくなります。
じつはもう一ついいことがあります。
カバーに草が詰まりにくい
右にもどすときに、カバーの中の草が外に出てくれるんです。
左のときだけ押しつけるように刈っていると、すぐカバーの中に草が詰まり、そのつど歯を止めては草を手で取らなければなりません。
前後も
バカの一つ覚えで「右から左」といわず、時と場合によっては前後に押したり引いたりして刈ることもあります。
エンジンを止める
スイッチを切っても歯は惰性でしばらく回りつづけます。
もちろん手で触ったり、回ってる歯で、人や自分や停めてる軽トラを切ったりしないように。
エンジンを止めたあと、足元の草に歯を当てると早く回転を止められます。
エンジンが止まらなかったら
- スイッチのON、OFFを繰り返してみる
- チョークをON (閉) にする
- スイッチとエンジンをつなぐコネクタを外す
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コネクタ
歯の交換
「歯」と書くか、「刃」と書くか?
どちらでもいいです
鋸や草刈り機のように「歯」のように並んでいるから「歯」といったり、
切る刃物だから「刃」といったりします。
外す
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だいたい規格でM7 (レンチは13mm) の六角ボルトで留まっています。
逆ネジ!
ただし、草刈り機の刃の回転方向からボルトが緩まないように、ふつうのネジと逆に溝が切ってあります。
右に回す (時計回り) →緩む
左に回す (反時計回り) →締まる
なので、まちがえないように。
外すつもりで左に回すとどんどん締まっていき、あなたが怪力ならネジを切ってしまいます
付属の工具で

2つ穴がありますが悩まず「合うほうが正解」です。
まあ、見たらだいたい大きさがわかるけど小さいほうが13mmで歯のボルト用です。
大きいほうはプラグ用です。

回っていなくても刃物なのでウエスでつかむか、丈夫な革手袋などをつかって左手で歯を押さえます。
右手でレンチを持ち右に回すと緩みます。
取り付ける向きがわからなくなる
最初は外したはいいものの、新しい歯を付けるときどっち向きに付けるかわからなくなります。
外した歯をそのままの向きでそばに置いておきましょう。

分解した図

左から
歯
ジズライザー (商品名)
歯を押さえる部品。もともとついてる場合もあるけど、すり減ってきたら交換すること!
ケチって、あるいは面倒くさくて、あるいは「そんなの知ったこっちゃねえ」とそのまま使いつづけると、ボルトの頭がすり減って丸くなりボルトが外せない→歯が交換できない!という運命に陥ります。
芯出し金具
これはなくてもガタガタしなければ必要ありません。芯が安定しないで動く場合には入れます。
だいたい7mmのものを使いますが、機械によってちがうのでいちばん合うものを選んでください。
ボルト
M7 (レンチは13mm) であることが多い。
もし、ボルト頭を丸めてしまった場合はM7のボルトを買います。
ただし逆ネジです。
それから長さもおなじものを買わないと、ぜんぶ締めても締まらないことになります。
最悪、ボルト頭のサイズはちがってもいいけど、別の工具が必要になります。
取りつける
これが最初は難関です。
向きがわかりません。
回転方向を考えて回転する先に刃 (チップ) が来るように取りつけます。
上から見た写真

取りつけるときは裏返し!

まちがえやすいのは、取りつけるときには機械をひっくり返しているので向きが逆になることです。
逆につけてもギザギザの歯が高速で回れば草はあるていど引きちぎられるのですが、チップがすぐ飛んでしまいます。
最初のうちは歯を外したらそのまま裏表を変えずにそばに置いて、それとおなじ向きにつければまちがえません。
偏心に注意!

歯がちゃんと穴に嵌まってないと中心からズレた状態で固定されます。
写真のように右側だけはみ出てるようならズレています。
取りつけるときはちゃんと穴に嵌めるんだけど、ボルトを締めているうちにズレることがあります。
ボルトを締めたら軽く手で回してみるのもいいですね。
ズレていればすぐわかります。
それに気づかずエンジンをかけて回せば機械を持っていられないくらいに左右にブレるのですぐわかります。
エンジンを止めて直しましょう。
Q&A
歯が外れて飛んでくことはないの?
ボルトが緩むことはあります。
でも、ちょっとでも緩むとものすごい振動で草刈り機を持ってられないくらいになるのでそのまま回しつづけることはありません。
すぐスイッチをOFFにすれば大丈夫です。
緩まない程度に締めたほうがいいんだけど、締め過ぎは禁物です。
締めすぎればネジ山やボルトの頭をなめてしまうことがあります。

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