草刈り ~ 注意事項・メンテナンスその他 (上級編)

brush cutter 草刈り機。軽トラ荷台。上級

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「草刈り」「注意事項」「メンテナンス」「上級」

上級編

いよいよ上級編です。
ここでは特殊な刈りかたや、ふつうの作業では知らなくても問題ないことなど書きます。

特殊な刈りかた

蔓草で覆われているとき

蔓草が雑草の上を這い回っているとき、ふつうの刈りかたで歯を水平にして左右に振ると、蔓草が絡まって草刈り機がまったく動きません。

brush cutter 歯を立てて。横引き

蔓草はとにかくほかの植物の上へ上へと伸びてそれ以上登れなくなると横に広がっていくので表面を覆っていることが多いです。
歯を垂直に立てて雑草の表面を左右に撫でます。
すると上を覆っている網状の蔓草が切れます。
それからいつものように刈ります。

こうすると雑草がほぐれてくれます。

とくに法面など急斜面で

上とおなじように歯を立てて横に振る方法もいいですが、歯を水平にして前後、あるいは上下に動かすと、蔓草が絡まずに切れてくれます。

brush cutter 歯を水平。前後に動かす

蔓草は引っ張りにはメチャクチャ強いですが繊維自体は弱いのでちょっと歯が当たっただけですぐ切れます。

笹や背の高い草

笹や背の高い草は根元から刈ると倒れた笹や草がとても邪魔になります。
その先、歩けなかったり、混雑してるときは刈っても倒れないでそのまま立っていたりします。
満員電車で人が倒れない (倒れられない) ようなもんです。

そのときは半分くらいの高さで薙ぎ払います。
二度手間だし、刈ったものが残りの草の上に乗るので刈りにくくなる面もありますが、細かくすることで刈った草が地面に沈んでくれます。
伸びすぎたものは1/3とか1/4くらいにしてもいいです。

笹は長いものをそのまま倒すと斜面ではいい滑り台になって自分がその上に乗ると崖下に滑り落ちていくこともあります。
また、立ってるものは切り刻めるけど、倒してしまうと地面に歯が当たるし倒れた笹は動いてしまうので切りにくくなります。

歯 ~ わざと芯をずらす

新品ならもちろん真ん中に取りつけて左右にズレないようにします。

使い捨てなら問題ないけど、歯を研いでつかうとチップが飛んだり、欠けたり、場所によって擦り減りかたがちがったりして、重心がズレてきます。
車のタイヤの偏摩耗みたいなもんですね。

eccentric 偏心2

この写真は極端ですが、歯はあくまで穴の定位置に嵌めて、ジズライザー (取りつけプラスチック板) や、取付金具の微妙な遊びを利用してあえて芯をずらします。

ホイールバランスを取るみたいな感じです。
ただ、見た目でどちらに重心が寄ってるか見るのはなかなかむずかしいです。

ふつうに取りつけてエンジンをかけて歯を回して何事もなければそのままでいいです。
ひどい振動が出たら、芯をずらしてみます。
チョーク (この場合は白墨のほう) などで印をつけて、前後左右にずらしてみます。
それで振動が収まればいい具合にホイールバランスが取れました。

いくらずらしても振動が収まらないようならその歯は捨てましょう。

振動は人間にも負担だし、機械も傷めます。
歯をケチってあなたの体に振動障害が出たり、機械のベアリングや軸、ひいてはエンジンなどを壊したらもっと高くつきます。

新品なのに振動が出る

ちなみに新品をちゃんと取りつけたのに振動が出る場合は、まず各部のネジの緩みや脱落がないか確認しましょう。
ネジに緩みなどなければ機械そのものが問題なので専門店に見てもらい、使用年数と修理代を天秤にかけて古いものなら買い替えたほうがいいでしょう。
とくにエンジンから歯先に回転を伝えるロッドやベアリングが摩耗または損傷してる場合はその部分が熱くなってきます。
こういうものは一気にロッドやベアリングが破壊することがあるので使うのをやめましょう。

法面の草刈り ~ 振り下ろす?振り上げる?

基本は上から下

説明がちょっとむずかしいですが、自分が山に向かって左を向いてる状態です。
左足が斜面の下になります。

基本は上から下に振り下ろします。
地球には引力があるので草刈り機も刈った草も上から下に下ろすほうが楽です。

でも、これはあくまで基本です。
バカの一つ覚えにならないように。

おじさんは教えられたとおり上から下に振り下ろしていましたが、長いことやってると下から上に振り上げるほうが楽なこともあることに気がつきました。

上から下の欠点

行きはよいよい帰りは怖い。
たしかに重力にしたがって上から下は楽です。
でも、草刈りは一振りで終わるわけではありません。
振り下ろしたらかならずまた上に持ち上げなければなりません。

草刈り機だけについて言えば、上から下へ振り下ろそうが、下から上に振り上げようが、上下の距離と回数は変わらないんです。
ただ、刈った草が下に自然に落ちてくれるのと、草刈り機で持ち上げるので差が出ます。

地面を叩いてしまう

もう1つの欠点は振り下ろすと法面の下の地面、場合によってはコンクリートを打ってあったりして、それを思いっきり叩いてしまいます。
石やコンクリートのかけらが飛んだり、歯は欠けるし、欠けたチップが自分に飛んできて痛い思いをしたりします。
そのため気持ちよく振り下ろせず自分で草刈り機の行き足を止めなければならなくなりかえって疲れます。
法面の中腹で斜度が一定のところなら振り下ろしてもいいでしょう。

下から上に振り上げる

自分が山に向かって右を向いている状態です。
右足が斜面の下になります。

草が自重で垂れているとき

草は伸びてくるとだいたい自分の重みで下に垂れ下がります。
上から振り下ろすと表面を撫でるだけでなかなか切れてくれません。

こういうときは下からすくい上げると刈りやすくなります。
ただし刈った草を草刈り機といっしょに持ち上げると、それは余計な力を使うことになるので長い距離を振り上げずに、ちょっと振り上げて刈ったら草刈り機を下に落として刈った草もいっしょに下に落としてやります。

また、草刈り機は右から左に振ったときだけ「刈る」と思いこんでいる人が多いですが、左から右に振るときも刈れます。
斜面では歯の右側をつかって「振り下ろす」ことになります。

brush cutter 基本的な刈る方向

この写真の右側、刈る方向2をつかいます。

振り上げのコツ

なるべく刈った草を持ち上げなくていいようにいくつかコツがあります。

斜め上か斜め下

真横だと草を持ち上げるようになります。
草刈り機を自分より斜め上か斜め下で動かすと、草の重さがあまり草刈り機にのしかからずにすみます。

振り上げは上を撫で、振り下ろしで根元を刈る

草刈り機を持ち上げるときは草を持ち上げないように草の表面を削り取る感じで、振り下ろすときに草刈り機の重みに任せて草の根元を刈ります。

振り上げは押し、振り下ろしは引き

振り上げるときに同時に草の奥のほうに歯先を突っこむように入れて、振り下ろすときは手前に引きます。
こうすると真横に動かすより楽に草刈り機が動きます。
振り下ろしながら、手前に引くと、刈った草も草刈り機の歯に乗っていっしょに斜面を落ちてきます。

草刈り機を真横から上で使う

これは草を引きずり下ろすのとまたちがう刈りかたです。
草刈り機を重力に任せて下ろしてしまうと引き上げるのが大変です。
だから、自分の斜め上だけで使うのです。
真横から斜め上くらいの範囲で動かせば草刈り機を下から支えているのであまり疲れません。

物を持つときってぶら下げるより担いだほうが楽でしょ。
ただ、機械が上にあるので育ちすぎた草というより木に近いものも自分の頭に落ちてくるので気をつけてください。

斜面と歯の角度の物理学

これに気づいている人も少ないでしょうね。
気づいていれば「振り下ろすのが常識」なんて言わないでしょうから。

とくに急斜面を刈ると基本、常識と言われてる「振り下ろす」つまり「山に向かって左を向いている」ほうが刈りにくいと感じるはずです。
なぜでしょうか?

山に向かって左向きのとき

草刈り機は体の中心にありません。
右利き用に体の右に棹があります。

山に向かって左向きに立つと、草刈り機は自分より斜面に近いところにあります。

草刈り機が斜面に密着

brush cutter 法面。振り下ろす

棹と斜面がほとんど平行ですき間もなく、くっついた状態です。

歯は棹に対して上向きに角度がついている

本来、地面を刈るように歯の回転面は棹からすこし上向きになっています。
平地ならこれでいいのですが斜面で横向きにしたときは、歯先が斜面から離れ、カバーが斜面に当たってしまいます。
カバーで斜面をなぞるばかりで歯はちっとも斜面の草に当たりません。

山に向かって右向きのとき

山に向かって右向きに立つと、草刈り機は自分より斜面から離れたところにあります。

brush cutter 法面。振り上げる

斜面に対して棹の角度が大きく取れるので歯先を斜面に当てることができます。
カバーも当たりません。

これが右向きのほうが刈りやすい物理学です。

左向きのときは苦しまぎれに歯先をすこし左 (斜面の下) に傾けるといくらか刈れますが、やはりとても窮屈な姿勢です。

草刈り機は体の横ではなく、前にある

草刈り機を両手で持つとどうなるでしょうか?
ふつうの人なら草刈り機は体の前、おなかの前にあります。
歯は体の左側になります。

歯を体の前に持っていこうとすると両手を体の右の腰あたりに持っていかなければならないので不自然な姿勢です。

斜面では?

つまり斜面では、
山に向かって左向きに立つと歯は斜面の下に、
山に向かって右向きに立つと歯は斜面の上に向くのが自然です。

基本であるはずの左向きだといよいよ歯を斜面の上に振り上げるのが大変だということがわかりますね。
これもこの記事を読むだけでなくじっさいに斜面に立って草刈り機を持ってみればよくわかると思います。
目から鱗が落ちるとはこのことです。

左向きで歯を上に持ち上げようとすると体が雑巾絞りのようにねじれてしまいます。
短い時間ならいいけど、日がな一日斜面の草刈りをしてると体がねじれてしまいます😄
胴体もねじれるし右手は背中の後ろあたりに持っていかなければならないのでとても疲れます。

なんかわからないけど疲れるのではなくて、疲れて当たりまえです。

右向きだと歯を斜面の下に下ろすのが大変ということもおわかりいただけることでしょう。

体の向き (足の配置) を変えればいいのでは?

これはごもっともです。
左向きで歯が下にあるなら胴体をねじるのではなく、体ごと、つまり足をついているところを右に回転させて斜面の上を向けばいいんじゃないの?

ごもっともです。
平地なら。

じっさいにやってみたら?

斜面でやってみてください。
それも急斜面で。
上を向く、つまり両足を開いて爪先を上に向けるわけですが、こうすると踵が浮いてしまいまったくグリップしません。
しかも急斜面で爪先立ちしている状態。
かりに滑らなくてもバランスを取るのがかなりむずかしいです。
百歩譲ってバランスが取れてもこの状態で数十秒いたらふくらはぎがパンパンに張ってきます。
滑りやすい斜面で草刈り機を振り回すのはまず不可能です。

足を上下に開けば?

これも文字で書けば良さそうですがやってみてください。
やればわかります。
上下に開くと下の足はさらに爪先になってしまいます。

右向きは?

右向きも同様です。
右に体を回転させると今度は、両足の爪先が斜面の下に向きます。
こちらのほうが足首の角度としては楽ですが、とてもよく滑ります😄
まさにスキーでゲレンデに立ち直滑降をやる姿勢です🎿

また靴底は前から後ろに蹴るために後ろ側のほうが引っかかるように作られているので、前向きはさらに直滑降を引き起こします。

急斜面では「横向き」で足を開くのがベスト!

急斜面でいちばんグリップが得られ安定を保てるのは「横向き」なんです。
両足を開けば安定します。
万が一滑ったときもその姿勢を維持できます。

さっちゃん
ようわからん!
ひげおじさん
いますぐスマホを置いて草刈り機を持ってみい!エンジンもかけず斜面に立たんでええけえ草刈り機を持ち上げてみい。どっちが楽かすぐわかる!それから何も持たずに斜面に立ってみい!
さっちゃん
あたし草刈りやらないも~ん!

太い木を切るとき

育ちすぎた草や木を切るときはあえてキックバック範囲と方向をつかいます。

brush cutter 太い木を切るとき

左から右に向かって先端が木に当たるように一気に振り抜きます。
とうぜん歯は自分の後ろに飛んでいくので、くれぐれも後ろに人や軽トラがいないのを確認してからやってください。

こうするとけっこう楽に太い木が切れます。

基本どおり右から左ではなぜダメなんでしょうか?
歯が引っかかって止まってしまうからです。
じっさいに食い込んで歯が取れなくなったり、そうでなくても何度も当てないと切れず、当たるたびに手にすごい衝撃が来ます。
手にすごい衝撃が来るということは、草刈り機にも衝撃が来ているということです。
あまり何度もやっていると、棹が曲がることがあります。

しつこいようですが、後ろを確認してからやってくださいね。

歯の並び ~ 線状と千鳥

歯の並びには2種類あります。

線状 (一直線) に並んでいるもの

saw disc 線状

ふつうの草刈りならこれでいいです。
こちらのほうが安価です。

千鳥🐤

saw disc 千鳥

千鳥足のように交互になっています。
これは育ちすぎて太くて固くなった草というか、細い木くらいになったものを切るのにいいです。

歯はおなじ方向を向いていると切れる方へ曲がっていくからです。
交互になっていればまっすぐ切れます。

アサリ

また、アサリがあることで歯の円盤の部分が木の本体に当たらず摩擦が減るので切りやすくなります。

さっちゃん
アサリ🐚?
ひげおじさん
鋸や草刈り機の歯が、平面より左右に飛び出していることをいう

鋸やチェーンソーの歯

saw 鋸。千鳥。アサリ chain saw blade チェーンソーの刃

鋸やチェーンソーの歯は千鳥でアサリがついていますね。

刃研ぎ機

grrinder グラインダー。刃研ぎ機

邪道ですが、歯を研ぐ道具もあります。
グラインダーを固定し、歯を乗せる台がついているものです。
もっと専用になると、歯を一つずつ送るレバーがついているものもあります。
ただ、そうなると千鳥の歯は研げません。
千鳥の歯は一つずつ歯を飛ばして研ぐのでけっこう面倒です。

草刈り機の歯がもったいないというより、使い捨てだとあっという間にゴミが増えてその処分が大変です。
嵩張るし、金属ゴミとして捨てなければならないし、全身刃の塊なのでダンボールやウエスなどに包んで捨てないと危険です。

歯の角度

直角に研ぐよりナイフのように、線状のものは地面に接するほうを鋭利に、千鳥のものは外側を鋭利になるように研ぐと切れ味が増します。

土手楽

斜面。土手楽着用

急斜面を歩くのは大変だし転落の危険があります。
じつは草刈りの事故で多いのは歯によるケガではなく、転落です。
しかも、半身不随とか、死亡につながる危険なものです。

これを履いたから絶対安全ということはないけど、かなり歩きやすくなり滑り落ちにくくなります。

土手楽 ~ 斜面の草刈り、歩きかた

🐝アブとハチ

アブには1日に何度も齧られます。
1年に1回はハチに刺されます。

おじさんはわりとアブに齧られてもひどく腫れることはありません。
でも、不愉快です。
最近は甘噛みする奴も出てきて、草の棘が刺さったかな?と思ってるとアブだったりします😅

地味なウシアブからスズメバチ風に彩色したアカウシアブがはびこってきましたが、アブとハチのちがいはすぐわかるようになりました。

アブとハチの見分けかた

ジャイロ効果 (おまけ) 

ほんとどうでもいい話ですが、草刈り機にはジャイロ効果が働きます。
ただ、このことを知ってると草刈り機と格闘しなくていいかもしれません。

コマの原理

高速で回転しているものの回転軸を曲げようとすると、力を入れた方向から90°進んだ方向に曲ります。
これがコマが倒れないで回りつづける原理です。
地球ゴマという外枠の中にコマがはいっているおもちゃを持ってる人は、外枠をつかんでいろんな方向に動かしてみてください。
自分が力を入れたのとちがう方向に動くので、まるで生きてるみたいに感じます。

これが草刈りをしていると人間に負担をかけます。
歯の回転面を曲げない、つまり回転面に対して水平か、垂直方向に動かす分には問題ないんだけど、もともと草刈り機の歯は棹に対して斜めについています。
そして、人は自分を中心に円を描くように草刈り機を回します。
だから、自分では真横に振ったつもりでも棹はいつもねじれるような力が働きます。

これは質量と回転数に比例するので、大きな歯でエンジン回転を上げ、大きく振ると、より大きな力が働きます。
草刈り機が生きてるように感じます。
ねじれるのでそれを押さえるために握りしめなければなりません。
これも短時間ならあまり気にならないけど、長時間やっていると腕の筋肉がパンパンに張ってきます。

これは草刈り機の重さや草を刈るために力を入れているのではなく、知らずに草刈り機のねじれと戦っているのです。

これがジャイロ効果であると知ったら、あまりねじれる力が大きくならない範囲と方向で動かすようにしましょう。
そうすればいくらか疲れが減ります。

ジャイロ効果 ~ 飛行機にかかる力

ひげおじさん
へえでも、やっぱり草刈りはえれえ💦
さっちゃん
斜面に立ってるだけで大変ね!
クマ
夏暑くて、冬寒いし😄

草刈り ~ 注意事項・メンテナンスその他 (初級編)

草刈り ~ 注意事項・メンテナンスその他 (中級編)

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