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「オンラインレッスン」「どんな?」
オンラインレッスン偵察
日本語教師としてはじめるのにオンラインレッスンを受けたこともないので、どんな感じで授業をするのか、システムのつかいかたとか体験しておこうと思いました。
さすがに日本語歴約60年のおじさんが日本人教師の授業を受けるのはムリがあるので、英語の授業を受けてみました。
ひたすらただのフリートーク!
英語が母語というだけで先生になれる?
やはりといおうか、予想どおりといおうか、ひたすらフリートークでした。
italkiとpreplyでそれぞれ1回ずつなので、これですべてを決めるにはあまりにもデータが少なすぎますが、「やっぱり」という印象が否めませんでした。
教材なんか用意する先生はいない。
ホワイトボードさえつかわない。
「試しに使ってみたいんだけど」といったら
「それは英語の勉強とは関係ない」と断られました😅
日本で英会話を教えていて、奥さんも日本人で、何十年も日本に暮らしてるのに日本語をまったくしゃべれないアメリカ人を知っています。
しゃべれないんじゃなくて、しゃべる気がないし、覚える気もない。
だって、英語しゃべってりゃまわりの日本人が「英語をしゃべる」というだけでチヤホヤして、みんな自分に合わせて英語でしゃべってくれるから。
英語わからないやつとはべつに口利かなくてもいいし。
ここが彼らと日本人の決定的なちがいで、われわれ日本人がアメリカに行って英語をまったく解さず、日本語しかしゃべれなかったら生きていけません。
アメリカにかぎらず、日本を出たらどこの国でもそうです。
英語母語話者は英語がしゃべれて当たり前と思っている
われわれは英語がわからないから英語のレッスンを受けるのに、授業はとうぜん英語です。
そして、「この人は英語がわからないんだ」という意識はほとんどありません。
これ、逆の立場だったらどうでしょう?
まったく日本語がわからない外国人に、日本語だけでまくし立てたら授業になりません。
日本の直接法
日本語学校の直接法では、あらかじめ、ひらがななどの文字、教室でつかう用語 (A4一枚に収まるくらいの量) などを生徒のそれぞれの母語に合わせて覚えさせてから授業にはいります。
でないとまったく日本語がわからない生徒に
「それでは授業をはじめます。キムさん。教科書の3ページを読んでください」
といっても
「…」
で先に進みません。
教材を用意するのは日本人だけ?
これもすべてを見たわけではないのでわからないけど、おそらく日本人だけじゃないかと。
もちろん全員がやるわけではありません。
やらない人のほうが多いでしょう。
でも、テキストを用意したり、ましてイラストや、生写真 (ネットの画面の共有ではなくて) や、フラッシュカードなんかつくって、つかうのは日本人だけでしょう。
フリートークで1時間はきつい!
italkiのトライアルは30分でしたが、preplyは1時間です。
はじめてのitalkiでも何を話したらいいのか?先生がうまくエスコートしてくれるのか?まったく通じなかったらどうしよう?と不安で、はじまる前は用もなく部屋の中を歩き回っていました。
preplyの先生はほとんど自分から話題を出したりせずに、こちらが汗かきながら話題をふるくらいでした。
こちらがネタがつきて黙ると、あちらも黙ったまま。
preplyの初回は先生は「タダ働き」というシステムにも問題があるかもしれません。
とりあえず1時間つながって、さっさと終わらせたいという気持ちもあるのかもしれません。
まあ、それでは次回、この先生に予約することはけっしてないけど。
1時間がとても長かったです。
この先生はレッスン数が多いし、先生の経験もあるというので選んだんだけど、レッスン数とプロフィールに書いてあることはかならずしも先生の質には比例しないようです。
事前にメッセージで要望を伝えたにもかかわらず
無理難題をふっかけたわけじゃありません。
自分も教える立場なので、準備に1カ月かかるような内容を要求したわけでもありません。
わたしは読み書き話すはできるんだけど、「聞く」のが苦手なのでその部分をお願いします。
ということと、
はじめてなのでホワイトボードや、zoomその他の通信手段を試してみたい、ということ。
しかし、始まるや否や「リスニングは教えることができない」と即却下。
「映画やテレビを見ろ」と。
たしかにそのとおりだけど、それならしてきたし、今もしてるし、教えてもらえないなら貴重な時間とお金をかけてオンラインレッスンを受けたりしません。
「ホワイトボード?つかったことないね!」
オンラインレッスンを受けようと思ってるあなたへ
ということでとくに英語を習いたいと思っている人はオンラインレッスンはやめたほうがいいです。
勉強は自分でして、「聞く話す」のところだけはフリートークですます。
独学でわからない文法などを、オンラインレッスンで聞いて英語で答えられても、さらにわかりません。
また、上記のように「ただの英語母語話者」には説明できないでしょう。
日本人が「行けば」と「行ったら」のちがいを説明できないように、かれらはifとwhenのちがいを説明できません。
だって母語話者は「文法を知らずに、考えずに」しゃべっているから。
「ちがいとか、なぜって聞かれてもね~」となります。
それができるのが「教師」で、ただの母語話者との大きなちがいです。
すでに中級以上のレベルでリスニングに問題のない人なら会話が成立するけど、そんな人はますますオンラインレッスンなど受ける必要はありません。
アカデミックな授業を受けたいのなら、それなりの学校に通ったほうがいいです。
むしろ英語以外の、日本語のようなマイナーな言語を教える先生は「相手がわからない」ということを英語圏の人よりは理解していると思います。
ただ、授業でつかう共通語は「英語」である確率がとても高いです。
もし、カタコトでもいいから日本語で教えられる先生がいればベストです。
自分が教える立場で
ある意味気楽
これも英語母語話者が英語を教えるのと、日本語母語話者が日本語を教えるのでは事情がちがうので一概にいえませんが、正直なところ、
「こんなんで先生できるんだ!」
とすこし安心しました。
もちろん、英語母語話者があんなんだから自分もそれでいいとは思いません。
でも、ガチガチに緊張して、1時間のレッスンのために1カ月もかけて教材や教案を用意する必要はありません。
ていうか、できません。
それを求められたのが日本語学校で、「そんなのムリ!」と思ったからオンラインの個人レッスンに軌道を修正したので。
「なんか」ネタは持っていたほうがいい
「なんか」とは曖昧ですが、フラッシュカードとはいわなくても、ネット上のネタが詰まってるサイトなどを把握して「日本語教材」という名前でもつけてお気に入りにまとめておきましょう。
「一から特定の教科書に沿って教えてください」という生徒はともかく、オンラインレッスンでは生徒のレベルとニーズは千差万別です。
そのすべてに、準備しておくことは不可能です。
さんまさんみたいに1時間息つぎもしないでしゃべりまくれる人はいいです。
自分もしゃべる。
生徒にもしゃべらせる。
その他のネットニュースを見せたり、それについて考えさせたり、感想や意見を述べさせたりする時間も必要です。
程々に
ブッダの説く中道です。
そのニーズの生徒に当たる確率なんか1億分の1なのにそのための教材を用意しておくなんて愚の骨頂。
かといって、まったくなにも用意せずにフリートークだけで終わらせて、生徒の質問や要望にも応えなければ、次はありません。
フリートークでいいならお金払ってやる必要はありません。
無料の交換レッスンとか、おじさんは疎い (うとい) ので探せばあると思いますが、世界中の人と自由におしゃべりできるサイトなどに登録すればいいでしょう。
あくまで自己責任でおねがいします。
そういうサイトは出会い目的がメインであったりするので。
とくに女性の方は。
怪しいサイトでなく、オンラインレッスンのサイトでも出会い目的の人がいるので気をつけてください。
わたしは日本語教師をしています
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表示名はToshiです。