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「真浄寺」「狐の詫び証文」「木山寺」「善覚」
はじめに
山奥の寺です。
道中狭い道を通るので通行には充分気をつけてください。
そして地元の方を優先してください。
路上駐車などしないように。
できるだけ乗り合わせて1台で行ってください。
狐の詫び証文
なぜこの寺に行こうと思ったかというと、ここに狐の詫び証文が保管されているという話を読んだからです。
しかしGoogleマップで見ると「閉業」と書いてある😮
えっ、廃寺になったの?
建物は残ってるのか?
手入れする人もなく草茫々で辿り着けないかも。
Googleマップで見るとすごい山ん中。
不安を胸に辿り着いたらなぜか車がたくさん停まっていて、中からは太鼓の音と読経の声が。
入口
鐘楼堂
この日はこともあろうに施餓鬼供養をしていて車がたくさん停まっていました😮
仁王門
仁王
いつもながら檻に入れられてる感じ😅
雲慶 作と能書には書いてあるけど、運慶じゃないんだね😄
謎の文字
那羅延天金剛
密迹天金剛
仁王 特別講座
もともと左右二対なので「二王」
金剛力士 (こんごうりきし) ともいう。
ヴァジュラパーニ
サンスクリット: Vajrapāṇi、パーリ語:Vajirapāṇi、「金剛杵を持つもの」 の意。金剛手
別名:ヴァジュラダラ(Vajradhara)
金剛杵 (こんごうしょ)
これは木山寺のものです。
金剛
梵:Vajraの訳。最剛、堅固の意。
非常に硬い金属またはダイヤモンドを指す。
もともとインド神話のIndra (インドラ) が下す雷電のこと。
それを借りて、ブッダの教えが煩悩を滅ぼして悟りを開く様にたとえた。
那羅延天 (ならえんてん)
阿形 (あぎょう)
Nārāyaṇa (ナーラーヤナ) の音写
もとはバラモン教・ヒンドゥー教の神 ヴィシュヌ (Viṣṇu)
そもそもバラモン教・ヒンドゥー教は仏教の敵である。
じっさい今から2500年前ブッダはインド北部かネパールあたりからインドにはいり南下して仏教を広めたが、古来よりあり今も残るカーストに反対してかなり攻撃されたようだ。
そりゃあ今の日本の政治家といっしょ。
バラモン (祭祀階級) が最高位の自分の地位を見す見す手放すわけがない。
それを人類みな平等なんて言われた日にゃあ見過ごすわけには行かない。
全力でブッダを叩く。
ちなみにブッダは第2位のクシャトリア (武家) だったんだけど階級に分け隔てなく応じた。
けっきょく仏教はすぐ追いやられ近隣のタイ、ミャンマー、スリランカなどに逃れ、現代のインドで仏教徒はほとんどいない。
その仏教が敵の神様を取り入れて護法善神にしたとは少々、滑稽な話である。
仏教はそもそもガウタマ・シッダールタという人間の教えであって宗教ではない。
神様もいない。
密迹金剛 (みっしゃくこんごう)
吽形 (うんぎょう)
密迹の語源についてはわからない。
執金剛神 (しゅこんごうじん)
二王は二対だが、執金剛神は1人。
ギリシャ神話のヘラクレスがモデルとか。
wikipediaより引用、加筆
本堂
施餓鬼供養
おじさんはまんが悪いので、何年も前から行こうと思ってた山奥の寺に行ったらたまたま施餓鬼供養をやっていました。
閉業じゃないんかい!
いや、それとも運がいいのか?
おそらく住職 (常駐) はいなくてこの日だけ本堂を開けたんだと思います。
読経しているのもほかの寺から来られた坊さんでしょう。
餓鬼 (がき) は六道の1つ。
いくら食べても腹が膨れない。
その餓鬼に食べものをあげるという行事です。
東南アジアでは今でもよくやっているようですが、日本でじっさいに見たのは60年生きてきてこれが初めてです。
ほんとにやるんだ😮
能書
天台宗から日蓮宗に改宗したそうな。
何がちがうんやろ?
天台宗
最澄が持ち帰った。
いわゆる法華経で南無妙法蓮華経 (なむみょうほうれんげきょう) だ。
法華宗ともいう。
ちなみに南無阿弥陀仏 (なむあみだぶつ) は浄土宗。
これも浄土真宗とかあるけどおじさんは知らん。
日蓮宗
おなじ法華宗。
だから石塔に南無妙法蓮華経と書いてある。
岡山県は真言宗がとても多い。
南部は日蓮宗が多い。
どうでもいいけどみんな仲良くしてね。
おなじ宗教で宗派争いなんて醜いよ。
じつは真言宗も宗派がたくさんある。
ブッダは1人しかいないからね。
ブッダが今の仏教を見たら嘆き悲しむだろう。
こんなはずじゃなかった。
日蓮聖人?
鬼瓦
石塔
番神堂
これも初めて見ました。
日蓮宗特有のものです。
仏教はそもそもブッダという人間の教えで神様はいないんだけど後世にいろんな神様と結びつけられました。
三十番神といって、1か月30柱の神様が交代でみんなを守ってくれるという信仰です。
31日は?
昔は太陰暦で29日と30日しかなかったから。
薬師如来も十二神将という神様が守っています。
渡り廊下の天井
狐の詫び証文🦊
狐の詫び状ともいいます。
じつは日本各地にこの伝説はあります。
古来、狐は人間の近くに現れるけど馴れるでもなく、神の使いと考えられたり、化かされると考えられたりしました。
木山寺
真庭市落合にある木山寺には寺なのに鳥居があり、稲荷神社があり、本堂には白狐がいます。
75匹?の狐の眷属がいるという話です。
落合史によると
悪さをする狐がいて善覚という坊さんにとっちめられました。
そしてその狐は詫び証文、言ったら反省文を書きました。
「わたしが悪うございました。2度と木山にはもどりません」
その反省文がなぜかこの真浄寺に保管されているとのことです。
善覚稲荷
善覚は坊さんですが、神格化され善覚稲荷となり、寺では十一面観音と同一視されています。
いわゆる本地垂迹説ですね。
このへんが仏教が広告・宣伝に長けていたところで、いきなり外国の神様を信じろと言っても無理だからもともと日本にいた神様を仏の化身として広めたわけです。
そして神社と寺はうまく溶け合いました。
明治になって廃仏毀釈で、寺はもとよりむかしから地元で大事にされていた地神なども排斥されてしまいましたが。
しかし岡山は中央政権の江戸から離れていたせいか、明治政府が禁じた神様がたくさんいます😄
牛頭天王なんかも異国の異教の神様だけど岡山にはたくさんいます。
じつは祇園社とか感神院は牛頭天王を祀っているところなんだけど、本家京都では八坂神社と改名させられてしまいました。
牛頭天王は寺では薬師如来、神社ではスサノオノミコトとされています。
牛頭天王 (ごずてんのう) と祇園社 (ぎおんしゃ)
木山寺~岡山県真庭市
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