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「五七五七七」「フット」「2拍」
七五調
こんな言葉があるくらい5と7の組み合わせは日本人にとってリズミカルで心地よいです。
でも変ですね。
5も7も素数だし、ものすごくリズム取りにくそう。
たまに5拍子とか7拍子なんていう変拍子もあるけど、うまくはまってるのはスパイ大作戦のテーマとか、take fiveとか、ホルストの惑星の火星ぐらいのもんでだいたい気持ち悪いです。
じつは8ビート (4拍子)
じつは日本人は知らずに休符を入れていて、休符の部分を ( ) で囲むとこんなふうに読んでいます。
・・・・|・ (・・・) 5
・・・・|・・・ (・) 7
・・・・|・ (・・・) 5
・・・・|・・・ (・) 7
・・・・|・・・ (・) 7
じっさいは全部8拍で読んでいるんです。
文字 (音) がないところはその長さだけ休んでいます。
だれも教わったことはないけど、人が読んでいるのを聞いて自然にそうなるんですね。
言葉のつながりや組み合わせによっては7の部分は最初に休符を入れることもあります。
こんな感じです。
ていうかじつはこのパターンのほうが多いです。
(・) ・・・|・・・・
ときに8拍全部埋めることもありますが、やはりちょっと落ち着かない感じです。
休符は音楽ではとても大事です。
5拍のほうはかならず頭から読みます。
8ビートと書いたけど、裏打ちのリズムではなく4拍子の頭打ちです。
フット
2本足
人は2本足です。
だから「右-左 / 右-左 / 1-2 / 1-2」と2拍で拍子を取るのがいちばん自然です。
3拍子とか、5拍子とか乗りにくいですね。
嘘だと思うなら、あなたが知っている3拍子の曲を挙げてください。
おそらく、ほとんどの人は出てこないと思います。
それくらい世の中は4拍子 (または2拍子) の曲で覆われています。
ヨーロッパの舞曲 (いわゆるワルツ) は3拍子ですが、3拍子の歌というと思いつかないでしょう。
フット
2拍で1組。
これをフットといいます。
まさに足👣ですね。
1拍が8分音符♪
2拍で1組。
1小節に8拍のリズムはとても取りやすいです。
数を数える時も
数は1、2、3、4…
ふつうは「いち」「に」「さん」「し」と読みます。
でもかくれんぼするときどう数えますか?
「い・ち」「に・い」「さ・ん」「し・い」「ご・お」と、1拍の言葉には無意識にもう1拍足して数えます。
日本人に刻み込まれたこのフットの感覚は2拍で1組にしないと、どうにも居心地が悪いんです。
英語のように
one, two, three, four, fiveという言語ではこうはなりません。
日本語は拍の言語で、1文字1モーラ (1拍) だからこそ、歌だけではなく日常の言葉でも2拍で1組が好きです。
たとえば省略語を見てご覧なさい。
パソ・コン。リモ・コン。エア・コン。ラジ・カセ。デジ・カメ。ポケ・モン。キモ・カワ。ツン・デレ。筋・トレ。朝・練。就・活。終・活。推し・活。婚・活。豚・カツ🐷😄…
漢語は漢字2文字で2+2の4音が圧倒的に多いです。
銀行。簡単。朝礼。観察。交換…
歌の例
むら さめ の・ ・・
・つ ゆも まだ ひぬ
まき のは に・ ・・
きり たち のぼ る・
・あ きの ゆふ ぐれ
つく ばね の・ ・・
みね より おつ る・
みな のが わ・ ・・
・こ ひぞ つも りて
・ふ ちと なり ぬる
せを はや み・ ・・
・い はに せか るる
たき がは の・ ・・
われ ても すゑ に・
あは むと ぞお もふ (8拍埋まっている珍しい例)
ふる いけ や・ ・・
・か はず とび こむ
みず のお と・ ・・
まだ ねて る・ ・・
かえ って みれ ば・
もう ねて る・ ・・ (サラリーマン川柳)
このように完璧に4拍子で、2つずつ組 (フット) で4組8拍で読んでいます。
言葉によって、前に休符を入れるときと、後ろに入れるときがあります。
たとえば「蛙飛び込む」のときに「とび こむ」を「・と びこ む・」のようには切りたくないですよね。
一方「かはず」は3拍です。
だから自然に4拍のほうが収まるようにして、3拍のほうに休符を入れて4拍にします。
最近は3音になりつつある
とここまで書いたけど、最近の省略語は3音になりつつあります。
世の中なんでも省略、短いほうがいいという風潮。
人々が必要もないのに忙しく動き回って、動画は2倍、3倍で見る。
スマホ。スタバ。マクド。マック。スクショ。スノボ。
わたしは日本語教師をしています
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表示名はToshiです。