目次をご覧になりたい方はクリックしてください→
「トレーナー」「コーチ」「教師」「先生」
一流プレーヤー ≠ 一流トレーナー
トレーナー、コーチ、教師、先生。
人に教えるのが仕事であり、資質です。
多くの人が勘違いしていますが、
一流プレーヤー ≠ 一流トレーナー
です。
テニスで世界ランキング1位。
優勝回数は数知れず。
では、この人が教えるのがうまいかというと、そうではありません。
一流プレーヤーの泣き所
スポーツでも、学問でも、自らが世界の頂点にいる人は、自分が初心者で無力だったときのことを忘れています。
あるいは類稀なる天才で、苦労したこともないかも知れません。
彼らは「わからない」ことが「わかりません」。
「できない」ということが「わかりません」。
だって、自分は「こんなカンタンなこと」と思っているし、
「できて当たりまえ」
「わからない理由がわからない」
「できない理由がわからない」
からです。
もっというと、彼らにとっては呼吸をするくらい当たりまえなので「カンタン」とさえ思っていません。
無意識にできています。
だから、人に教えられないんです!
おじさんの実体験
おじさんは小学校のころから誰にも教わることなく自己流でスキーをやっていました。
だって、教えてくれる人がいなかったんだもん。
当時のおじいさんや、おじさんがスキー場に連れてってくれるけど、スキーをレンタルしてあとは1人で行ってらっしゃい。
リフトの乗り降りも戦々恐々でした。
スキーは2本足で左右に開いているので、とりあえず雪の上に立てます。
重心が左右に大きくはみ出ないかぎりは倒れません。
どんな形でも、「とりあえず」下まで降りてこられます。
居酒屋の注文みたいですね😅
とりあえずビールみたいな🍺
どんな急斜面でも滑れる
滑れるというか、「とりあえず」降りてこられます。
でも、自分がへっぴり腰なのはわかっていたし、どうしたらゲレンデで見る「うまい人」みたいに滑れるのかな?と思っていました。
当時はネットもありません。
スキー教室にはいってみた
そもそも自己流なので、1度ちゃんとした先生から教わったほうがいいと思い、20歳のころスキー教室にはいってみました。
先生は何も教えてくれなかった!
スキー教室にはいるといわゆる「うまい」人が先生です。
お手本を見せます。
うまいです。
わたしが求めているのは「どうしたら」そのようにできるか?
ところが、先生は「うまく」滑って見せて「わたしの真似をしてください」というだけです。
それがわからないから教室にはいったんです!
ゲレンデにはうまい人はたくさんいます。
何百回、何千回見ています。
真似しようと思ってもそのようにできません。
だから、教室にはいったんです。
決まり文句を言うだけ
スキーヤーの決まり文句として「外向傾 (形) がいこうけい」があります。
「とりあえず」これさえ言っとけば「スキー通」のような呪文。
でも、この意味をちゃんと理解して、ちゃんと人に説明できる人は100%いません。
今でも、ネットで調べればこの言葉が出てくるでしょう。
わかってない人の説明はこうです。
体を旋回の外側に向け、外側に傾ける。
だから外向傾という。
スキー教室の先生も例のごとくこの呪文を唱えました。
この言葉どおりに取ると、すごく不自然な姿勢だし、じっさいには滑れたもんじゃありません。
何か変なんだよな~
これも決まり文句です。
「なんか変」じゃわからん!
どこがどう変なのじゃ!?
どうしたら良くなるのか!?
それを教えるのが先生じゃ!
けっきょく、今までゲレンデで見てきたとおり、ただ「うまい人」の滑りを観察しただけで何も得られませんでした。
和太鼓でも
おじさんは和太鼓もやりました。
そのときも言われました。
「何か変なんだよな~」
何が?どこが?
「いやあ、わからないんだけど何か変なんだよ」
話にならん!
教師、先生の資質。必要なもの
わからないということをわかる。できないということを理解する
生徒が何がわからないのか?
生徒が何ができないのか?ということを、生徒を観察したり、質問や受け答えで見抜いて理解することです。
こんなこと自分は考えないで、無意識にできるのに、なんで他の人はできないの?という人は先生失格です。
今すぐやめてください。
ただの一流プレーヤーとのちがい
そうだよね。
そこがわからないんだよね。
わたしもそこで苦労したんだよ。
それを克服するには、こんなことをしたんだよ。
こうすれば、それができるようになるよ。
こういったことがわかり、教えられるのが
プロの、一流のトレーナーです。
生徒の弱点、欠点を見抜き、それに対応する方法を教えられる
前述の「何か変なんだよな~」は論外です。
何が変なのか、見抜いて、それを伝えて、それを直す方法を教えましょう。
それができないなら先生はやめてください。
スキーの例を挙げれば、こんなふうに言いましょう。
あなたは膝が伸び切っているのでもうすこし膝を曲げてショックを吸収できるようにしましょう。
あなたは腰が曲がって前傾姿勢になっている (いわゆるへっぴり腰) ので、膝を曲げて上半身はもうすこし起こすように意識しましょう。
ちなみに外向傾の話をちゃんと説明すれば、
×旋回の外側を向く
○つねに谷側 (ゲレンデの下のリフト乗り場のあるほう。自分がこれから降りていくほう) に顔と上半身を向けておきます。
すると結果的に旋回の後半で上半身は旋回の外側を向いている状態になります。
けっして旋回するときに最初から最後までわざと外側を向くのではありません!
もしそうしたら、滑稽なダンスのような格好になります。
これはモノスキーをはじめて、はじめてわかりました。
モノスキーの滑りかた。トップページ~これを見ればあなたもモノスキーが滑れる! (スノーボードじゃないの? 「目次」「練習メニュー」)
和太鼓でもある人が、上半身が太鼓のほうを向いてるからおかしいんだよ。
上半身はお客さんのほうに向けたまま、半身で叩くんだよ。
と、ちゃんと理由がわかって教えてくれる人がいて姿勢を直すことができました。
これはあくまで三宅という太鼓の話であって、太鼓の叩きかたによって変わります。
ついでに宣伝😄
あるていど知識や技術は必要だが、大事なのは生徒を見ることと、それに対する処方箋を与えられること
先生たるものあるていど知識や技術が必要です。
自分は1度もラケットを握ったことがないのにテニスは教えられません。
1度もスキーで滑ったことがないのに口だけで教えられません。
ただ、一流プレーヤーである必要はありません。
世界チャンピオンになったことがなくてもいいんです。
国体に出たことがなくてもいいんです。
生徒が何がわからないかわかること。
生徒が何ができないか見抜くこと。
どうしたら、それがわかるようになるか、それができるようになるか、そのためにはどんな勉強をしたらいいか、どんな練習をすればいいか。
そういったことを見抜いて、的確に処方箋を与える。
それが一流トレーナーの資質です。
トレーナーには、コーチ、教師、先生という名前のものもふくまれます。
これができれば自分よりうまい生徒を指導することもできます。
生徒と試合をすれば負ける人でも、生徒の弱点や欠点を見抜いて、それを直す方法を教えられれば「一流トレーナー」です!
わたしは日本語教師をしています
プロフィール・レッスン予約はこちら。
表示名はToshiです。