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「ジャイロ」「歳差運動」「コマ」「首振り」
ジャイロ効果の向き
ここではむずかしい物理の話はしません。
回転方向の「90°先に進む」とおぼえてください。
時計回り
上→右→下→左→上
上に力をかけると右に曲がります。
右に力をかけると下に曲がります。
下に力をかけると左に曲がります。
左に力をかけると上に曲がります。
ヨーロッパやアメリカでつかわれているおもな飛行機のプロペラは操縦席から見て「時計回り」なのでこれだけおぼえておけばいいです。
反時計回り
すべて時計回りの反対になります。
スホーイなどのロシアの飛行機や一部のモーターグライダーのプロペラ (エンジン) は反時計回りですが、上の「時計回り」と反対とおぼえておけばいいです。
上→左→下→右→上
上に力をかけると左に曲がります。
左に力をかけると下に曲がります。
下に力をかけると右に曲がります。
右に力をかけると上に曲がります。
飛行機への影響
Loop 宙返り
引き起こしのときに機首を上に引っ張るので、右に曲がります。
なので、左ラダーが必要になります。
もちろんLoopだけでなく操縦桿を引くときにはつねにこの力が働きます。
Outside Loop 逆宙返り
Loopにかぎらず、操縦桿を押したときは下に力がかかるので、左に曲がります。
右ラダーが必要になります。
旋回
左に旋回すると上に曲がるので、自然に頭を持ち上げる力が働きます。
→バック・プレッシャーが小さくてすむ。
右に旋回すると下に曲がるので、頭が下がろうとします。
→より大きなバック・プレッシャーが必要になります。
左旋回より強く引かなくてはなりません。
スピン
旋回とおなじです。
左スピン
頭が上がりフラット・スピンになります。
降下速度は遅くなります。
機体によってはラダーに気流が当たりづらくなり、回復しにくくなることがあります。
右スピン
頭が下がり機体はより立った姿勢になります。
迎え角が小さいので空気抵抗が小さく、降下速度は左回りより速くなります。
ラダーに風は当たりやすいけど、機体が立っているためスピンの回転が速くて止めにくいというジレンマがあります。
背面スピン
外から見ると左右逆になりますが、操縦席のパイロットから見ると、
右ラダーのスピン
頭が上がりフラット・スピンになります。
航空ショーではこちらがつかわれます。
フラット・スピンは危ないイメージがありますが垂直尾翼が下にあるので問題ありません。
また、降下速度も遅いので左ラダーより時間的余裕があります。
左ラダーのスピン
頭が下がり機体はより立った姿勢になります。
Hammer Head ハンマー・ヘッド
水平から垂直上昇へ。
右に曲がるので、左ラダーが必要です。
頂点で左ラダーを踏む。
上に曲がるので、操縦桿を押します。
もともと上を向いてるので、ほっとくとバク転してしまいます。
垂直降下から水平にもどる。
右に曲がるので、左ラダーが必要です。
歳差運動 (さいさうんどう)
地球も宇宙空間で回ってる大きなコマなので首振り運動をします。
これもジャイロ効果の1つです。
その周期は約25800年です。
星空が動いていく
じっさいは地球の地軸 (回転軸) が移動していくことで、天の北極や、春分点などが移動していきます。
星空を継続的に観測することで、地軸が移動していることがわかります。
地球が首を振るわけ
地球はまん丸でなく西洋梨のような形をしています。
そして地軸 (回転軸) が傾いています。
なので太陽や月に横から引っ張られて、赤道を水平に、地軸を垂直にもどそうとする力がはたらきます。
ジャイロ効果がはたらいてコマのように首を振ります。
語源
gyroscope (ジャイロ・スコープ)
ギリシャ語 gûros→ラテン語 gȳrus「輪」「旋回」「回転」→gyro
ギリシャ語 skopós, skopéō→ラテン語 scopō「探求する」「観察する」「省察する」
「フーコーの振り子」で超有名なフーコーさんが考案してことばもつくりました。
フーコーの振り子
ドイツのベルリンにある技術博物館のScience Center Spectrumにあるフーコーの振り子です。
precession (歳差運動)
precess 歳差運動をする。
<ラテン語 prae-「先に」+ cēdō「行く」→「先行する」→「歳差運動をする」
pre-cedeとおなじ語源です。
「味噌すり、ゴマすり、すりこぎ運動」ともいいます。
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