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「歳差」「ジャイロ効果」「地球」「コマ」「逆」
歳差運動とジャイロ効果
地球の地軸は傾いています。
地球は自転しているのでよくコマに例えられます。
地球もジャイロ効果によってコマのように首を振ります。
地軸が向いている方向 (天の北極) が年々移動していくので「歳差 (さいさ) 」と呼ばれます。
英語では precession。
pre-「前に」cess「進む」という意味です。
precede とおなじ語源です。
ジャイロ効果では回転軸に加えた力の「90°先に進む」ことからこう呼ばれます。
precess も precede も「先行する」という意味を持ちます。
太陽のまわりを回る地球の動きについてはこちらをどうぞ↓
コマの首振り (反時計回り) anti-clockwise
コマは上 (北極側) から見ると「反時計回り」にまわっています。
これは偶然ではなく、必然です。
右利き用に作られているのでひっくり返して腹のほうに時計回りに紐を巻きます。
もとにもどしてフォアハンドで投げるとこの方向に回ります。
紐もそのように撚られているので、もしひねくれて反時計回りに巻こうとすると撚りがもどってしまいます。
未練がある元カノにはいいかもしれませんね。
あっ、冗談抜きに「よりが戻る」の「より」はこの紐や糸の「より」で「縒り」とも書きます。
おじさん的には「撚りがもどる」と紐が解けてしまうのでダメだと思うんですが。
話がそれた。
コマの質量は地球の重力 (引力) によって下に引っ張られるけど、床があるのでおなじ力で上向きに押し返します。
するとコマの頭が倒れようとする力が働きます。
まあこんなしち難しいこと言わなくても、ほっときゃコマは床に倒れるよね😄
ただ回転しているとジャイロ効果により90°進んだ方向に力がかかるので、コマは倒れる代わりに床と平行に首を振ります。
このとき首振りの方向はコマの回転方向とおなじく上から見て「反時計回り」です。
ふ~んと納得しないでコマを持ってる人はじっさいに回してみてください。
無重力あるいは自由落下では首を振らない
この実験はむずかしいですね。
あっ、ぜったい高い建物から落とさないでくださいね!
コマを放り投げて地面に落ちるまでは首を振りません。
地球の首振り (時計回り) clockwise
さて地球の首振りに行きましょう。
多くのサイトでコマの例を持ち出して地球の首振りを説明するのはいいんですが、ジャイロ効果を理解していないためにコマとおなじ向きに首を振るように書かれているものがとても多いです。
まちがいです。
コマと反対に回ります!
地球はコマと反対に首を振る
これは偶然ですが、地球は北極側から見ると「反時計回り」にまわっています。
コマとおなじ方向に回っています。
地球はまん丸ではなくつぶれている
この絵は大げさですが、もし地球がまん丸ならジャイロ効果は働かないので首を振りません。
歳差も起きません。
地球の写真を見てもわからないくらいですが地球は赤道方向が長く、極方向が短いんです。
もっというと西洋梨みたいに赤道よりすこし南半球側がふくらんでいます。
ともかく丸ではなくつぶれていることで、左右から太陽や月に引っ張られます。
地球は宇宙空間に浮いていて、床に乗っているわけではない
コマとちがうのは、地球は床の上に立っているわけではないことです。
宇宙空間に浮いていています。
だから、コマの説明のように床からの反力で北極側が南極側に倒れることはありません。
それどころか左右から引っ張られるので、逆に回転軸 (地軸) を起こそうとする力が働きます。
コマとまったく逆です。
そこでジャイロ効果で90°進む力は北極側を上 (北極側) から見て「時計回り」に回します。
同時に南極側も180°位相は変わりますが「時計回り」に回ります。
その1周にかかる時間はなんと25800年!
地球がかぎりなく丸に近いからです。
この絵のように極端につぶれていたり、太陽や月の引力がもっと強ければもっと速く首を振ります。
いや、人間がふっとばされてしまうかもしれませんね😅
このため星座の見える方向も25800年周期で変わります。