目次をご覧になりたい方はクリックしてください→
「diet」「ダイエット」「ディーエット」
diet
日本語を学ぶネイティブのアメリカ人がいいました。
ディーエット゜
「えっ?ダイエット゜じゃないの?」
「じつはわたしも正しい発音を知りません💦」
「どゆこと?」
「ネイティブの英語話者がじっさいに発音しているのを聞いたことがないからです」
「😮 (さらに謎) 」
2つの意味
dietには2つの意味があります。
1つはみなさんよくご存知で日本語になってしまっているダイエット。
食事療法という意味です。
こちらはギリシャ語起源です。
しかしもう1つ「国会」という意味があり、こちらはラテン語起源です。
しかしかれら欧米人とて全員が言語学者ではないので一般市民の間では混同・混乱があり変化があれば、同化もあります。
これはいろんな記事で書いてますが、世界中ありとあらゆる国の言語で混乱・変化があり、これを「言葉の乱れと言う勿れ」と申しております。
あなたが正しいと思っているのは小学校のとき学校で習った文法と言葉であって、それすら50年くらい前に遡れば「乱れた」「まちがった」日本語ですから😄
何千年も前の遺跡から「今どきの若いもんは💢」という文句が出てくるそうです😂
このネイティブ・アメリカン、いやこれは意味が変わってしまう💦
英語の母語話者であるアメリカ人は食事療法としてのdietは「ダイエット゜」という発音で認識してるけど、「国会」の意味でのdietは英語母語話者50年のキャリアがあっても未知の言葉なんです。
「おなじ発音でいいじゃん」と思うんだけど、ここでバイアスが働くんですね。
食事療法とちがう意味で特殊な言葉だからちがう発音なのではないかと。
議会。国会
ネイティブなのになぜ?と思ったけど、アメリカではcongressをつかいます。
イギリスではparliament。
これもパーリアメント゜ではなく、パーラメント゜😅
日本の国会はdietと呼ばれます。
この区別はおじさんにもわかりません。
首相も国によって、prime ministerとchancellorがあります。
この使い分けもわかりません。
アメリカには首相はいないのでさらにわからないでしょう。
そんなこんなでアメリカ人が日常的に「国会」の意味でdietをつかうことは皆無なんです。
ちなみに大統領と首相の両方がいる国があります。
フランス・ドイツ、ロシアもそうですね。
あっ韓国も。
だれでも抱く当然の疑問。
どちらが偉いのか?
じつは国によってちがいます。
voaでも
おじさんが聞き取りの練習につかっているvoaでdietを検索したら9割がいわゆる食事療法の記事。
何ページもめくってやっと出てきたのがやはり日本の国会の記事。
でも「ダイエット゜」と発音していました。
だからフツーのアメリカ人は「国会」という意味でdietという言葉をつかうことも聞くこともなく、下手したら「国会」という意味を知らない人さえいるかもしれません。
だってアメリカではつかわないんだから。
読みかたに決まりがない英語
water
なんと読みますか?
これは英語が苦手な人でもわかるでしょう。
ウォーターですね。
じゃこれはどうですか?
maker, racer, skater, paper…
それぞれメーカー、レーサー、スケーター、ペーパー…
いちおう基本的な規則として、子音+eの前の母音はアルファベットどおりに読むというのがあります。
でもそれならwaterは「ウェーター」じゃないですか?
なんでウォーター?
もっというとアメリカ人の発音は「ワラ」
藁?
イギリスはロンドンの発音は「wa’er (ワʔ) 」となって、tはglottal stop (声門閉鎖音) になりふつうのtの歯茎破裂音とはちがう発音をします。
歯茎破裂音というのは日本語のタ行とおなじで上の歯茎の後ろに舌を当てて放すときに出る音です。
いっぽう声門閉鎖音というのは声門 (声帯の隙間) を閉じて出す音です。
びっくりしたときの「あっ!」
また閉鎖から破裂すると、咳の「コホッ!」というあの音です。
西城秀樹さんが意図的にかよく出してたのがこの音です。
ちょっと練習すればできるようになりますが、喉を痛めるのでほどほどに。
direct
これも日本語に浸透しているのでわかりますが、「ダイレクト゜」と「ディレクト゜」の2通りの発音があります。
iを「アイ」と読むか、「イ」と読むか?
日本語になっているもので「ディレクター」がありますね。
とくに母音はアルファベットどおり読むのか、アイウエオで読むのかはたまた、ほかの母音や曖昧母音になるのかだれにもわかりません。
どうぞご心配なく。
ネイティブでさえわかってないから。
ていうか、人によって発音がちがいます。
おじさんがアメリカに免許を取りに行ったとき、imminent stall (失速直前) という科目があったんだけど、「イン’ミネント゜」という教官と、「’エミネント゜」という教官がいました。
もちろんどちらも英語の母語話者です。
‘はアクセントの位置です。
fungi
fungus (菌) の複数形です🍄
発音は「ファンガス」
しかし複数形になると「ファンガイ」という人と、「ファンジャイ」という人がいる。
voaで記事を読む人が「ファンジャイ」と読んでいたのに、そのあとホストと2人で話しはじめたら、ホストは「ファンガイ」と発音してたけど、読み手はずっと「ファンジャイ」と言ってました。
まあ日本語のサケとシャケみたいなもんですかね🦈
でも互いに相手の発音に突っ込んだり、合わせたりすることはなく、「お互い我が道を行く」でした。
enough
なんでこれが「イナフ」!?
知らないとぜったい読めない。
ネイティブでさえ疑問に思うようで、正書法上enufという表記も出てきています。
ただ正式には認められていませんが。
まあ日本人からすればenufでも「イナフ」と読めないけど。
ghは「フ」と読むときもあれば、黙字で読まないものもありますね。
night, knightなど。
あっ、なんでおなじ発音なのに後ろはkがついてるんですかね?
これも読みませんね。
ドイツ語ではknecht (クネヒト゜) とちゃんとkもchも発音します。
母音調和
behind
belong, begin, becauseなど頭にbe-がつく言葉はたくさんありますが、ふつうは「ビ」と発音します。
でも、behindは「ビハインド゜」ではなく「バハインド゜」という人が多いです。
これも全員ではなく人によってちがうんです。
英語には母音調和はないことになっていますが、その実このように後ろの「ハ」の音に先立って母音が「ア」の音になることはよくあります。
人間は楽したい生きものなのでできるだけ口を動かしたくないんです。
been
be動詞の過去分詞ですが、「ビーン」とはっきり読む人はあまりいなくて「バン」とか「ボーン」になる。
「ハズ・ボーン」て聞こえたのでhas bornかと思って記事を読んだら、has beenて書いてありました😅
まあwas born, has been bornはあってもhas bornはないのでネイティブにはまちがえることはないんでしょう。
has bornは「まさに今産み落とした」という意味になるかもしれないけどめったにお目にかかることはないでしょう。
condition
これも最初のoは曖昧母音になって「コンディション」か「クンディション」ですが、じっさいには「キンディシュン」と「イ段」の音になることが多いです。
つぎのアクセントがあるdi (ディ) に釣られるんですね。
このほうが口を動かさずに発音できます。
英語で母音はただのつなぎ
英語では母音は重要ではありません。
ただのつなぎです。
dietで重要なのはd, tの音だけ。
waterなら、wtr。
directなら、drct。
fungiなら、fng。
よく省略語に
freeway→frwy
building→bldg
company limited→co.ltd
なんてのがあるでしょ。
英語は子音さえわかればだいたい意味がわかるんです。
いっぽうbuildingの母音だけ取って、uiiだとまったくなんのことかわかりませんね。
bldgだけだと発音しにくいのでところどころ「つなぎ」として母音を入れてるだけなので母音の発音はどうでもいいんです。
英語話者は子音を左脳で、母音を右脳で聞く
そもそもかれらは子音だけを言語脳である左脳で聞き、母音は虫の声や風の音、車の騒音などとおなじ右脳で処理します。
カンタンに言えば言葉として聞いていません。
BGMか騒音・雑音です。
これに対して日本語では母音がとても重要です。
うえのあおいいえへいく (上の青い家へ行く) のような文章が存在するのです。
発音は気にするな
ということでネイティブでさえ読みかたがわからない。
人それぞれ発音がちがう。
英語をしゃべるときにあまり発音を気にすることはありません。
ただ気にするとすれば子音だけ意識しましょう。
日本語にない曖昧母音とか苦労するけど、苦労する必要はありません。
だってネイティブだってみんなちがうんだから😄
th
それからthも英語独特の音で英語と共通点があるスペイン語以外ではおじさんの知るかぎりほかのヨーロッパにはこの音はありません。
ラテン系の国だけでなくおなじゲルマン語のドイツ語でさえth[θ、ð] の音はなく、tかdです。
なんどもいうけど英語がおかしいんです😄
たとえば英語とドイツ語を比較するとこんなのがあります。
think⇔denke
thank⇔danke
that⇔das
日本人だけじゃなくほかの外国人もやるようにthを「ス、ズ」で発音しても通じます。
もっというとイギリス人でもコクニーはthをfで発音します。
日本人訛りのほうがまだましです😄
theも「ザ」なのか「ジ」なのか気にするけど、ネイティブはthe Americanを「ザ・アメリカン」と平気で発音するので日本人が気にすることじゃありません。
þ (thorn) ソーン
英語がどれくらい特殊かというとまずこのþという文字と発音です。
今でこそPCで出てきますが、むかしのタイプライターにこの文字はありませんでした。
それもそのはずタイプをつくったのはドイツ人のヨハネス・グーテンベルク。
イギリス人が使いはじめたとき困りました。
「おい、このタイプライターにはþがねえが」
「どうすっぺ? (いったい何人なんだ😄) 」
「このyって字。英語じゃあんまりつかわねえが」
「そうじゃな。じゃあこれをþの代わりにすっぺ」
となんとyをþの代用にして、そのわりにはyesとかeyeとか英語の基本語にはつかうので、タイプしたあとでyの上に「• 」を打ってþということにしました。
混乱するのが当たりまえ
しかし• を打ち忘れたり、読みまちがえたり、学のない人にはそんなルールもわからず、古英語のthou (あなた) thee (あなたを・に) 複数形のye (あなたがた。発音はズィーだったのにいつしかユィーに変わってしまった) などがグチャグチャになってしまいました😄
yeは定冠詞theとしてもつかわれていました。
いちばん必要なのは語彙
いくら聞き取りができても、ネイティブ顔負けの発音ができても単語を知らなければ何の意味もありません。
100%聞き取れても意味がわかりません😄
流暢な英語の発音ができるけど単語を100しか知らないので、自分が言いたいことが何も言えません😄
それこそ意味ないじゃ~ん。
How are you?
I’m fine thank you, and you?
くらいしか言えないんですね。
それでは会話にはなりません。
日本語英語でいいから、最低でも1000の単語をおぼえましょう。
英語は日本語とちがい活用がとてもすくないので、単語を羅列するだけでも意志は伝えられます。
でも単語を知らないとどうにもなりません。
英語は単語を1000知ってると80%くらい理解できる言語。
それに対して日本語は60%しかわからない。
なぜか?
活用や言い回しがとても多くて複雑だからです。
これはまた別の記事で。
わたしは日本語教師をしています
プロフィール・レッスン予約はこちら。
表示名はToshiです。