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「ドイツ語」「発音」「る」「ひ」「し」
あくまでおじさんの耳で聞いたドイツ語です。
じっさいに音を出して、自分の舌が口の中のどこに、どんな形であるか想像しながら読んでください。
残念ながら自分の (他人のもか) 口の中は見えないので。
硬口蓋への押しつけが強い
音声学的に硬口蓋 (口の中の天井) への押しつけが強いです。
そのため母音の中で硬口蓋に接近する ” i ” (イ) の音に聞こえることがあります。
聞こえるというより、じっさいに調音点と調音法が似ているので音声学的に近い音になっています。
これはかならずではなく個人差があるので人によります。
l (ル→イ)
歯茎側面接近音
l (エル) は歯茎の後ろに舌先を押し当てて出す音です。
空気は舌の両脇を流れます。
それでなのか「流音」という呼び名もあります。
日本語のラ行の「弾き音」とちがい、つけたまま声帯を震わせ息を出すので「う～」というように聞こえます。
子音の中にはいっているけど、音としては母音に近いです。
しかし歯茎の後ろに押しつけるものが、押しつけが強くなって、硬口蓋 (歯茎より後ろの、口の真ん中へんの天井) 全体に張りつくようになるので ” i ” (イ) に近くなります。
ていうか、そう聞こえます😅
例：
als (アルス→アイス)
toll (トル→トイ)
Ball (バル→バイ)
Salz (ザルツ→ザイツ)
とくに als は Eis (氷) 🧊と聞こえてしまいます。
意味不明の単語だったときは「イ」の音を「l (ル) 」に置き換えるとわかることがあります。
“i” と “l” の形が似ているのは偶然かな？
e (エ→イ)
やはり硬口蓋への押しつけが強いので、「イ」になります。
例：
Kekse (ケクセ→キクセ)
weh (ヴェー→ヴィー)
Problem (プロブレム→プロブリム)
besten (ベステン→ベスチン)
mehr (メア→ミア)
Fernsehen (フェアンゼーエン→フェアンズィン)
さらに “pr” は日本語とちがい瞬間的に1つの子音として発せられるので “r” の音はほとんど聞こえず「ポブリム」と聞こえます。
ch (ヒ→シ、ジ)
江戸っ子は「ひ」と「し」の区別ができねえなんてえ～話がありますが、これは音声学的にもっともなことなんです。
なぜならこの2つの音は、調音点が非常に近く、調音法はおなじ。
これを発音し分けて、聞き分けている日本人やドイツ人はすごいです👏
えっ？
英語にはないの？
英語の “hi” は日本語やドイツ語の「ひ」ではありません。
逆に言うと、日本人は “hit”を「ヒット゜」と言いますが英語の「ひ」ではないんです😅
英語圏の人が聞いたら「訛ってんなあ」と思っているでしょう😄
舌先がもうちょっと前に出ると “shit” (シット゜) 💩になるので気をつけましょう😂
h
声門摩擦音
声門とは、声帯の隙間のことです。
そこを通るすきま風の音が “h” です。
寒いときに手を温めるときの「はあ～」がこの音です。
だからこの次に書くように、舌ですきま風をつくってはいけません。
あくまで声帯のすきま風です。
日本語では「はへほ」がこの “h” の発音です。
じつは「ひ」と「ふ」はおなじハ行にありながら “h” ではないのです。
[ ç (ヒ) ]
硬口蓋摩擦音
これが日本語やドイツ語の「ひ」。
喉の奥の声門ではなく、口の天井の真ん中へんに舌を思いっきり近づけて、その隙間から空気を出します。
[ ʃ (シ) 、ʒ (ジ) ]
(後部) 歯茎摩擦音
歯茎と硬口蓋の中間くらいに舌を近づけて、その隙間から空気を出します。
「静かに」というときの「シーッ」の音です。
このとき声帯を震わせると有声音になり「ジ」になります。
「ひ」と「し」がとても近いところに舌があるのがわかります。
ちがいは舌の微妙な前後位置とつぶれ方です。
「ひ」のほうが「し」よりすこし後ろにあって、より舌全体が平べったくつぶれて硬口蓋に接近しているのがわかるかな？
これは「ひ」と「し」を何度も交互に発音して舌の位置と形を想像してくださいね。
例：
welche (ヴェルヒェ→ヴェルシェ)
Bücher (ビューヒャー→ビュージャー)
ちなみに「ふ」は両唇摩擦音で唇のすきま風です。
ロウソクを吹き消すときの「ふ～」
熱いお茶を冷ますときの「ふ～」です。
発音記号は [ɸ] です。
