ドイツ語 ~ 3格 (与格) になるもの。格支配

dative case dominant 3格支配

「3格支配」「与格」

3格支配

動詞や前置詞によって何格になるか決まっているものがあります。

ここでは3格支配 (3格になるもの) を見てみましょう。
このサイトでは3格をかってに△で表します。

与格 dative case

「与格」という言いかたもある、というか語学的にはこちらのほうがふつうで、
「わたしが『あなたに』~をあげる」
のように、おもに「人にものを与える」ときにつかわれるのでこう呼ばれます。

英語の
I give it to you.
の「to you」の部分ですね。

「間接目的語」という言いかたもします。

この例文のitのほうは「直接目的語」「対格」などと呼ばれます。
ドイツ語では□ (4格) といいます。

なぜこんな言いかたをするのかというと、△はかならずしも「~に」ではないことがあるからです。

英語にかぎらずわたしたち日本人でも「直接目的語」と思われるものが、ドイツ語では△になることがあります。

△を要求する動詞

danken, helfen, folgen, gehören

Ich danke △der Frau.
​I thank the woman.​
わたしはその女の人感謝する。

derは男性1格ですが、どうじに女性3格でもあります。
なかなか難儀な言語です。
性と格を考えるより、danke der Frauとまとめて覚えてしまったほうがいいです。

この例文の場合、日本語では「女の人」になっているのでドイツ語とおなじ感覚です。
英語のthankは他動詞なので前置詞を取りません。
Thank you.
がいい例ですね。
英語の場合は、youは直接目的語 (□4格、対格) です。
むしろ日本人としてはyouの前に前置詞をつけたくなってしまいます。
でも、ほとんどの人はそんなこと考えたことがないでしょう。
それはThank you. (サンキュー) がフレーズというより、もはや1つのまとまった言葉としてあまりにも定着しているからです。

Ihr hilft △ihm.
​You guys help him.
あなたたちは彼助ける。

これは日本語でも「彼」だし、
英語でもhelpは他動詞で、himは□です。
与格だけど「~に」ではなく「~を」です。

これが与格という言葉をつかわず、3格という言葉をつかうゆえんです。

動詞とセット

これは理屈でなく、「動詞とセット」でおぼえましょう。

わたしたち日本人もThank you. を「あなた感謝します」というように、英語圏の人が日本語を学ぶとき「なんで、あなたじゃないの?」と思うでしょう。
わたしたち日本人は何格かなんて考えてないけど、「感謝します」というときは「~に」とつかうのが当たりまえです。

△を要求する前置詞

von, mit, seit, nach, bei, zu, aus, in, hinter, zwischen

例:)

von ihm (from him)
mit deinem Partner (with your partner)
seit dem Frühstück (since breakfast)
nach dem Mittagessen (after lunch)
bei der Tür (by the door)
zu uns (to us)

これも理屈でなくセットで覚えてしまいましょう。

人の気持ち・感情

gehen, sein

動作や状態・性質などではなく、「人がどう感じているか?」を表すときは△になる。

Mein Kind ist schlecht.
My child is bad.​
私の子どもは悪い。
(子どもの性質)
→悪い子ども。

Meinem Kind ist schlecht.
My child is not feeling well.
私の子どもは「具合が」悪い。
気持ち悪がっている。
(子どもの性質ではなく、子どもの具合・気分)
→具合が悪い、気分が悪い。

この場合、奇妙ですが主語がありません。
meinem Kindは△なので。

Der Junge geht zur Schule.
The boy goes to school.​
男の子は学校に行く。
(男の子の動作)

Dem Junge geht es gut.
The boy is well.
男の子は (具合が) いい。元気だ。
(男の子の体や気分の具合・調子)

文法的に主語はesです。
このように書きかえても意味はおなじです。
Es geht △dem Junge gut.
It is going well to the boy.

Mir geht es gut.
わたしに (それは) 良い。
→わたしは気分・具合・調子がいい。

これも主語はesであることに注意。
倒置されています。
なので、もとの文章は下のとおりでこういってもいいです。

=Es geht △mir gut.
It is going well to me.
(それは) わたしに具合が良い。

じっさい口語では上の文章の縮約形がつかわれ、つぎのようにいいます。

Mir geht’s gut.

Wie geht’s?
How’s it going (to you)?
調子はどう?
に対する答えで決まり文句です。

英語の
How are you?
I’m fine.
です。

 (参考:duolingo dative pronouns, prepositions, check4 location)

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さっちゃん
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